劇場版 機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ ネタバレを含む考察 ハサウェイは道化としてマフティーを演じているのか?

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実に富野由悠季監督のノベライズから、30年の時を経て、アニメ化、劇場化された閃光のハサウェイ。一年戦争から、シャア反乱まで活躍していたブライト・ノアの息子ハサウェイ・ノア。愛するクエスの死から、12年経過し、マフティ・ナビーユ・エリンとしてテロリストのリーダーとして暗躍するハサウェイと、彼を追う地球連邦の大佐ケネス、不思議な女性ギギ・アンダルシアの三角関係から描かれる濃密なストーリーと、重厚なMS(モビルスーツ)戦闘によって、描かれる本作の感想と考察になります。


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テロリストのリーダーが主人公という閃光のハサウェイについて

主人公のハサウェイ・ノアは、テロリストの首謀者であり、反地球連邦を掲げて活動しています。

地球連邦の高官たちは、汚職と腐敗にまみれており、自分たちが地球で贅の限りをつくすため、貧困層や、居住権をもっていない人間たちを強制的に宇宙へ送る、マンハンターを活用します。

ハサウェイは、シャア・アズナブルの精神を継承し、地球を保全するために、人類はすべて宇宙に移住すべきという考えのもと、地球連邦の高官たちをすでに18人処刑しています。


ハサウェイのテロ活動もむなしく、政府高官の腐敗は止まらず、地球での貧富の差は拡大するばかり。

本作は、1作目でありながら、すでにハサウェイはマフティのリーダーとして、幾度もテロ行為を繰り返しており、地球連邦に追われているという設定になっています。

舞台はフィリピンのダバオですが、現地人からは「マフティはマンハンターを追い払うべきだ」「1000年後のことを考えているなんて、暇なんだな」と批判されています。

セリフも印象的ですが、電波ジャックによるマフティーのテロ声明が流れても、普通に歩いてスルーする現地人が多いことを考えると、シンパや支持者、過激派を生む一方で、マフティーが本当に声を届けるべき、相手には全く通っていないという現状があります。

シャアの意志をなぜハサウェイは継承するのか?

そもそも、なぜハサウェイは、逆襲のシャアでほぼ面識のなかったシャアの思想を継承したのでしょうか?

ネットの考察を見ると「クエスの弔い合戦」という考え方があり、こちらが腑に落ちました。


劇中でギギ・アンダルシアと戦火から逃れ、ギギがケネスのもとに向かった際に、クエスが自分から離れていく映像(正確にはクエスはアムロからシャアへ離れていった)がオーバーラップするのです。

ハサウェイは、クエスが憧れていたシャアの思想を継承することで、クエスにふさわしい自分になったような気になったのかもしれません。

 

ハサウェイのパーソナリティ クエスを想うが、チェーンへの罪悪感はない

今回の閃光のハサウェイは、小説の逆襲のシャアからではなく、劇場版の逆襲のシャアの流れを汲んだものになっています。

劇場版で、ハサウェイは、寝返ったクエスを討ったチェーンを返り討ちにして、味方殺しを行ってしまいます。

このハサウェイの行為は、公式には記録されておらず、ジェガンで敵機撃墜をしたとなっています。

ハサウェイは、クエスに対して後悔の念を抱いていますが、チェーンに対しては全く持って罪悪の感情を抱いている面持ちがないです。

これは、劇中のハサウェイの行動にも表れています。

自分が守りたいと思う命、思想は自分の命を投げ捨てても実行するが、自分がどうでもいいと思う命、敵対する命は簡単に捨ててしまえる

よく、このハサウェイの考えを徹底的に冷酷だと評価する意見もありますが、私から見れば、ケネスの「一定の犠牲をともなってもマフティーをとらえることが大切だ」という考えの方が、ドライですね。

 

ハサウェイは、すでに手段が目的化しているテロリストとなっている

冒頭でお伝えしたように、テロの首謀者が主人公ですが、テロ活動のクライマックスを見せるのではなく、すでに地球連邦高官18名を処刑しながらも、全く自分の目的を達成できていないハサウェイが描かれております。

ハサウェイもテロによって、世の中が変わらないことを実感しているし、一般市民との会話でも、自分の行為が無為ではないか?逆に事態を悪化させているのではないか?という客観性もあります。

ケネスとの会話でも、18名も処刑してしまったのだから、マフティーもいずれそうなるかもなと自分の行く末を暗示するシーンがあります。

しかし、ハサウェイが自分のアジトに戻ると、大量の仲間が彼を慕って集まります。

 

 

冒頭のシャトルでのハイジャックでも示唆されたように、ハサウェイは後先のことを考えて行動する人間ではなく、思い付きの感情で行動する人間です。テロに関しても、感情を優先させたのではないでしょうか?

結果的に、英雄ブライト・ノアの息子であることは、ジオン・ズム・ダイクンの息子ほどの威光ではないにせよ、多くの仲間をあつめ、カリスマとして奉られるようになりました。

 

 

ハサウェイとしてブレーキをかけたくなっても、マフティとしてはアクセルを踏むことしかできなくなったのです。

逆襲のシャアで、ネオジオンのトップとなったシャアですが、「これでは道化だよ」と象徴として奉られる自分をそう自己分析しています。ハサウェイもその点は一緒なのかもしれません。

 

 

実際のテロや反社会勢力も、崇高な目的や過去のトラウマから行動しているというよりは、仲間との関係を継続させるために、やむなく行っているかもしれない?と感じさえる、ある意味恐ろしい映画になっています。

シャアも地球へのコロニー落としは、アムロと決着をつける口実だったことが明らかになりますが、ハサウェイは、クエスの弔い合戦だったとしても、誰に対してエネルギーを向けるべきなのでしょうか・・・

ギギ・アンダルシアとララア・スンの共通点

ハサウェイ、ケネスもそれぞれ二面性を持ち合わせているのですが、このギギ・アンダルシアも映画の設定では19歳の女性です。

ガンダムのヒロインらしく、電波的な会話のドッジボールといえる言葉をなげつけたり、思わせぶりな言動もやってきます。

また、ハサウェイに気があるのか、ケネスに気があるのかわからないあまのじゃくぶりも見せます。ハサウェイの気を引くために、あえてケネスによりかかったり、その逆もやったり・・・

 

彼女はバウンテンウッデン伯爵という名家の80歳の老人の愛人です。余談ですが、ファーストガンダムのニュータイプの象徴といえる、ララア・スンも春を売る宿で働いており、そこでシャアを出会うのです。

異常な洞察力を持ち、精神的に大人びていると思えば、少女のようにあどけなく、発狂してしまう一面を持つ。

このような危うさが、Zガンダム以降の精神病的なニュータイプと合致しており、それがギギの魅力とミステリアスさを引き出しています。

 

カメラワークから見る ハサウェイはどこでギギ・アンダルシアに惚れたのか?

ハサウェイは、ギギにクエスを重ねており、かなり気になっています。

物語序盤では、彼女とホテルで同室になりますが、ギギのカットは、太ももを異様に接写したり、胸元を強調させたり、セクシャルな部分を映しています。

ただし、これはあくまでカメラワークであり、ハサウェイの視点ではありません。見る側にギギには肉体的な魅力がある、その魅力を何かに利用していると匂わせる描写になっています。

一方で、ダパオでMS強襲の前後で、ハサウェイから見たギギの視点が繰り返され、さらにハサウェイから見たギギのカットは、唇が強調されています。

これは明らかにハサウェイが、異性としてギギを意識していることを暗示しているカットになっており、非常に興味深い変化です。

このように閃光のハサウェイは、モビルスーツや戦争についてほぼ解説せず、人物の心理描写を追うだけで、3000字語れてしまいます(笑)

 

結論 ガンダムというコンテンツにおける閃光のハサウェイの立ち位置

閃光のハサウェイは、ガンダムファンが語るように、初心者向けではありません。宇宙世紀のラストを飾る作品で、さらに主人公と関係者は一般兵ではないため、物語の全容は断片的に語られているからです。

ガンダムというコンテンツは、2014年の「Gのレコンギスタ」、2015年の「鉄血のオルフェンズ」以降、テレビシリーズが途絶えた形となっています。

商業的な側面が大きかったり、クリエイターや会社の中で、テレビシリーズをやるべきというモチベーションが働いていないということが理由かと思われます。

ただ、ガンダムの主人公は、いくらニュータイプというぶっ飛んだ主人公補正を与えられようが、軍の組織の一部だったり、権力に利用されてしまう運命をたどっていることが多く、何でもできるけど、何者にもなれない現代人の鬱屈をそのまま表現していることが多いんですよね。

 

 

だから、現代人や若い人がガンダムを見たとしても、そこにあるのは現代の描写だったり、皮肉な観点で見てしまうことが多く、戦争、軍を描く以上、希望や、カタルシスを提供することが難しいんですよね。

この閃光のハサウェイは、テロのリーダーという実行力のある人物が主人公にみえるのですが、映画を見ると、周りの人間関係を保つためにテロをやっているように見えて、そして最後の結末を考えると、現代人をいやすような快楽やカタルシスに乏しい作品になってしまうわけです。

 

 

これは、閃光のハサウェイがほかの作品に劣っているとか、物足りないわけではなく、現代人にとって、衝撃を与えたり、逆転の発想を与えるような作品になりにくい、ガンダムシリーズがそうなっていると考えさせる作品でもあります。

でも、私から言えることは、とりあえず逆襲のシャアを見てほしい、そしてタンエーガンダムを見てほしい・・・これだけです。

 

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