雨穴 最高傑作小説 変な絵 ネタバレあり 犯人についての考察 その犯行に愛と正義はあるのか?

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前回の記事で、雨穴さんの「変な絵」に対する全体の感想と面白さについて、紐解いていきました。

今回は、もう少し踏み込んで…というか、かなり踏み込んでこの作品の犯人について考察していくという流れになっています。

犯人の名前については伏せるものの

 

犯人がどのような犯行を行ったのかとか、単独犯なのか複数犯なのかも、重要な情報になってしまうため、かなりネタバレしてしまうと思って読んでいただきたいです。

逆に、第三者の考察を知ることによって、また変な絵を読み返したくなる…この作品はそういう魅力があるのは間違いないです。

 

七篠レン 心の日記

(作中内のブログがなんと実在していました。おそらく雨穴さんが作られたのですが、作品へのこだわりがすごい)

変な家の映画も大ヒット 雨穴さん小説の最高傑作 変な絵を読んでみた感想 読後感 ネタバレほぼなし 動画との違い

 

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変な絵 考察 純粋に犯人の犯行について共感ができるか? 整合性があるのか

変な絵の犯人は、精神的にかなりバランスの崩れた人物です。

犯行の中には、行き過ぎた防衛機制が働きすぎて、実際に過剰な行動をしてしまうということが見られます。

 

その背景としては、愛情に飢えていたことや自分よりか弱いものを守るために、凄惨な結果もいとわないという点が挙げられます。

これだけ聞くと、変な絵の犯人は、とっても激情的に見えます。

しかし、一方で、この犯人はものすごく冷静に計画的に犯行を重ねる側面もあり




その犯行の中には、素人がテレビドラマや小説などを参考にして思いついたものもあれば

専門性をいかして、これは有罪として立証することは困難な、完全犯罪に近いものではないのか?という犯行もあります。

 

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変な絵 考察 愛に隠された犯人の肥大化したエゴ

この犯人、自分の大切なものを守るために実際に手を下します。

それは世間から見れば、か弱いもの、守るべきものという認識のものです。だからこの犯人の実は隠されていたエゴについて、物語終盤まで我々は気づかされません。

 

それは「常に弱いものを守る立場でいたい」

それは、犯人のささやかな願いではなく、犯人が生きるために必要な欲望であり

それが肥大化した結果、犯人は自分が後悔してしまう罪を犯し、それによって本当に大切なものを失ってしまうのです。

 

この自分が後悔してしまう罪に関しては、まさに「強奪」です。

そして、そこはあえて、犯人がサイコパスであるかのようにな描写がされています。自分が狂っている、危ないことをしているとわかっていても、アクセルを踏んでしまうものなのです。




犯人は悲しんでいたものの、新しく守るべきものを手に入れていたので、その悲しみは犯人の人生を終わらせるものにはなりませんでした。

 

犯人には同情するポイントが全くないわけではないのですが、結局のところ、自分の願望をかなえるために誰かの命や可能性を奪っているわけなので、その点は悪いといわざるを得ないのです。

 

 

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変な絵 ネタバレ深層心理 なぜ犯人は「母」に固執したのか?

ここからは、犯人の名前をあげないまでも、途中まで読み進めている人なら、容易に犯人を想像できる内容になってしまうので

できる限り、変な絵を読まれた後に記事をよまれることを推奨します

 

この犯人最大の謎は、「母」であることに固執していたということです。

多くの人々は、自分の人生のステージによって、与えられた役割を受け入れます。

本質として、この犯人は自分が老いることを受け入れられないし、子供を守れるような能力や力がないことも到底受け入れられなかったと思われます。

 

一般人よりもかなり独占力が強いといえ、職場でも自分の権力、発言権が高い時期が長かったことも影響しています。

独占欲が強い党いことは、逆に失うことに対して極度に恐れ、それを何としてでも阻止しようとします。つまり許す、あきらめる能力などが欠落しているのです。




許すことやあきらめてしまうことは、社会を生きるうえで非常に重要なスキルです。一方でそれだけだと自分の主張を通すことはできないので、バランスが大切です。

この犯人は、許す、あきらめることを人生で行わなかったことと、独占欲の高さから、何が何でも手に入れたものは守り切るという考えに至ってしまったのではないかと思われます。