天才でプロフェッショナルな庵野秀明 次回作に影響か?NHKのシン・仮面ライダーのドキュメンタリーの感想とまとめ

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プレミアムでみることを逃して、世間でかなり評判になっていた、シン・仮面ライダーのドキュメンタリー。
内容としては、庵野秀明監督のコミュニケーション不足や、マジギレなどがあり、現場の雰囲気がどんどん悪くなってしまって、ネットではパワハラなどもいわれていたりします。

今回は、シンシリーズをすべて見て、仮面ライダーも見た私が感じた庵野秀明監督のドキュメンタリーについて思ったことをまとめます。

シンシリーズや仮面ライダーのレビューについては以下にまとめていますので、よかったら見てください。

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庵野秀明 アクションの方向性の迷走 天才とプロフェッショナルのはざまで

ドキュメンタリーは1時間15分程度なのですが、3分の2は庵野秀明監督と、アクション監督の田渕景也との問答になっています。

 

庵野監督は原点回帰として、初代ライダーの大野剣友会のようなスタントを田渕氏に注文。

 

実際に現場で見せると、殺し合いなのに、段どりっぽく見えてしまう、ショッカーが本気で殺しにかかっているように見えないという指摘が入りました。

 

この段取りを庵野監督は嫌い、田渕監督がとってきたシーンを大幅に削除したり、自分が提案したシーンも削除したり、CG多数のシーンが公開版では増えたりしました。

 

俺たちの見ていたあのシーンの裏ではあんなことが!!という感動はなく、かなり大人の嫌な一面を見せられた印象でした。

 

映画監督に限らず、仕事というのは時としてイレギュラーであって、答えのないものがあって、責任者がわからないということに対して、部下や現場が困惑とするということはあります。

 

田渕監督が困惑し、迷走する姿は、私のような下っ端の会社員でも痛烈に辛く感じましたね。

 

もちろん、役者も困惑しており、主演の池松壮亮さんからアクションを提案されたり、悩んだりという面も見えましたが、監督とアクション監督というまさに現場の中枢のやり取りが、長時間見れたのは、貴重だったと思います。

 

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シン・仮面ライダー 現場の問題点と批判について

ドキュメンタリーを振り返り、作品を振り返り、シン・仮面ライダーの何が問題点だったかを個人的にまとめてみます。

 

私のスタンスとしては、今回のドキュメンタリーを見たからといって、シン・仮面ライダーの評価が絶賛に変化するものではありません。(だからといって大不評ってわけでもないですが)

 

問題は主に2つあって

  1. アクションは原点回帰なのか、全く新しいものなのか方向性が最後まで定まらなかった
  2. 監督とアクション監督のクッションになる存在がいなかった

 

まず、娯楽作品としてシン・仮面ライダーは面白かったという意見がある一方で、CGのクオリティに関しては、シン・ゴジラやウルトラマンよりも落ちてしまったという声があります。

 

違和感というか、物理法則をあまりにも無視した動きというのは、等身大のヒーローの近い仮面ライダーとは不釣り合いだなと思いました。

 

ドキュメンタリーでは、庵野監督の提案で、段取りや不自然なアクションを取っ払う目的で、ワイヤーアクションをなくしたらしいですが

 

ワイヤーとCGってどっちが不自然になるのか?素人でもわかるようなものですが、そこはアニメと実写を両方経験した庵野監督ならではの感性なのでしょう。

 

次に、庵野監督と田渕監督の中継となる存在がいなかったことですね。

あくまでドキュメンタリーをみただけの判断なのですが、助監督やほかの責任者は、庵野監督はそういう性格だから仕方ないとか、田渕くんがやるしかないということで、結構任せっぱなしだったと思います。

 

そして、庵野監督も演技やアクションの方針はかなり役者に任せていました。

 

これを役者を信頼しているという見方もありますが、人が信用できない、役者に投げているということで、批判的な見方をする人も評論家の中には多いのです。

 

役者に任せることで、生々しくリアリティがでることもあれば、監督が管理することでリアリティが出ることもあります。

 

例えば、スタンリー・キューブリックのように何度もカットして、テイクを繰り返させて、役者のストレスをためさせて、感情を引き出すという方法もあります。

 

結果的に、棒読み演出だったり、役者に任せたラストの泥試合は、私の中では特撮とはまっていたのかな?って思うところがありましたね。

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田渕監督の指揮した 仮面ライダーアマゾンズについて

田渕監督は、庵野監督と何度か衝突し、おそらく公開されたアクションに関しては、庵野監督も田渕監督も満足のいくものではなかったと思われます。

冒頭の戦闘員に対して、容赦なく殺しにかかっている仮面ライダーは印象的ですが

 

もし緊張感や殺し合いというものを出したいのなら、仮面ライダーアマゾンズのような方向性でもよかったかもしれません。

 

アマゾンズは第1シーズンが2016年で、7年前です。さらにいえば、Amazonプライム限定配信だったこともあり、ニチアサのライダーなどに比べると、ファン以外の知名度はかなり低い作品といえます。

 

当然、田渕監督にオファーしたということは、庵野監督もアマゾンズを知っていたと思われます。

 

アマゾンズのアクションは、四肢欠損あり、人であっても容赦なく殺されるなど、まさに予定調和のないアクションになっています。

 

ぼけーっと眺めていたら、いきなり腹を貫かれていたり・・・

 

なんどか殴り合ったかと思えば、急に腹を貫通するパンチを決めるなど、放映当時も大人ですが、見ていて手に汗握りました。

 

ネット配信限定ということで、自由な表現ができたり、アマゾンズ放映時のニチアサの仮面ライダーの表現がかなりマイルドになってしまい、玩具優先のストーリーになったことに、不満をもっていたファンは少なからずいました。

 

その反発でアマゾンズは表現的にもストーリー的にもかなり尖った作品になっているのです。

 

CGは極力排除し、ダイナミックなワイヤーアクションなどが展開されています。

 

「段取りのようにみえる」という庵野監督の指摘ですが、フィクションを作るプロ中のプロの庵野監督に段取りに見えなくするのは難しいかもしれません。

 

たとえ、アクションが段取りのように見えたとしても、その前後のシーンやストーリーがしっかりシリアスかつリアリティに描かれていれば、観客というのは目の前のアクションも本物であると、自分で錯覚させてみるものです。

 

庵野監督は、役者やスタッフを信じ切れていない、その煮え切らなさがシン・仮面ライダーにあらわれているとのことですが、観客の想像力もあまり信じていないかもしれません。

 

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シン・仮面ライダーに続編はあるのか? 庵野監督の次回作について考える

シン・仮面ライダーが公開されたことによって、アナウンスされていた「シン・ジャパンヒーローズ・ユニバース」は一端、終了しました。

 

しかしながら、完全に終了したわけではないので、新しいシンシリーズが発足するかもしれませんし、エヴァンゲリオンとは違ったアプローチのアニメがあるかもしれません。

 

特に2021年のエヴァンゲリオンから、ウルトラマン、仮面ライダーと3年連続で立て続けに、シンシリーズを堪能できたのは、特撮、アニメファンにとっては幸せな3年間でした。

 

シン・仮面ライダーに関しては、庵野監督がほぼ全権をもっていたような作品なので、直接的な続編が示唆されています。

 

ラストシーンは、あの人物がさらに活躍してくれるような示唆があったので、その続きをみてみたい・・・

 

賛否ある人もラストシーンのあのキャラに関しては、みんな好きになれる、魅力を感じているので、OVAでも連続ドラマでもいいからみたいなと思っています。

 

個人的にはラブ&ポップのような、小説を実写化し、アニメの表現なども混ぜていくという演出の作品も見たいなと思いました。

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