閃光のハサウェイが、TVカットで放送されることになったので、Amazonプライムで視聴できる「逆襲のシャア」を数年ぶりに見ることになりました。これで3度目の視聴。
劇場版ガンダムをすべて見たわけではありませんが、やっぱり最高傑作の1つだと思う。作画、戦闘、人間ドラマ、すべてにおいて高水準。
今回はガンダムを振り返りつつも、逆襲のシャアの軽い考察を行っていきたいと思います。
他にもアニメ、映画の考察を行っていますので、よろしけば他の記事もご覧ください。
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逆襲のシャアの解説と簡単なあらすじ シャアがファーストから逆襲のシャアに至るまで
逆襲のシャアはタイトルの通り、シャア・アズナブル(キャスバル・レム・ダイクン)が主人公としてみることができます。
ガンダムのあらすじとして、地球で増えすぎた人口問題を解決するために、人類の一部をコロニーに強制的に住まわせたというものがあって、コロニー側のジオン・ズム・ダイクン(シャアの父親)がコロニーの自治を訴えるが、その志の最中、過激派のザビ家に暗殺されるというもの。
息子のキャスバルは、仮面をかぶり、シャア・アズナブルと偽って、ザビ家が作り上げたジオン軍のエースパイロットとして活躍しながら、ザビ家への復讐を誓うのでした。
ザビ家打倒後、さらに調子に乗り腐敗した地球連邦(ティターンズ)の目的を阻止しつつ、宇宙のみならず、地球人に対してもシャアは宇宙に出るべきだと考えます。
増えすぎた人口と地球人の腐敗ぶりによって、地球は環境汚染などで疲弊していることと、コロニーの人間としての優生思想的な考え方。
そして、逆襲のシャアでは、地球に隕石を落として、地球人が地球に住めなくなるようにしようとします。
逆襲のシャア 考察 宇宙に出たから、ニュータイプになったからといって人の本質は変わらない
逆襲のシャアの面白い点は、人間は本質的には主観でしか生きることができないが、考えている根底が同じという点です。
代表的なのは、アムロとシャアです。互いに愛するララァという女性を失った消失に長年苦しみます。
そして、クェスという強烈なニュータイプの少女をめぐって、アムロもシャアも本質は、うっとうしい小娘だと厄介払いします。ただし、アムロは適当に少女としてあしらったのに対して、シャアは、クェスのニュータイプ適性の高さから、戦争の道具にします。
シャアが、アクシズを落として、地球を寒冷化させる作戦は、完全にエコテロリストといったところです。
シャアは、地球連邦の高官は地球にい続けながら、宇宙の統治をしている腐敗そのものだと非難し、スペースノイド(宇宙に住む人々)はシャアの考えに賛同します。
一方で、シャアもコロニー出身のエリートとして地球を視察や戦争にいったことしかないため、地球人の困窮ぶりや、貧しさに気づいていないまま、宇宙から地球をコントロールできると思っています。
クェスは、地球にい続けることで、人への思いやりにかけて、父親のアデナウアーのように愛人をたくさんつくってしまうのだろうと思春期ながらに考えます。
別のシーンで、クェスは強化人間のギュネイと飲食するシーンで、館の中で男女のくだらない淫乱な話が行われているところにギュネイはいらだちます。
アムロが「エゴだよそれは」というように、地球人でもコロニーの人間でも本質的な感情や性格が変わるわけではありません。その人間の感情を注意しながら、見るといろいろ発見があり、面白い作品です。
逆襲のシャア 疑問 アデナウアーパラヤや地球連邦の高官は本当に無能だったのか?
逆襲のシャアにおけるアクシズ落としの発端となった、シャアと地球連邦高官との密約。
シャアが「コロニーつぶしをやる」という脅しや、実際に5thルナを落としたことにより、完全におびえていた地球連邦高官たち。
人心掌握にたけていたシャアは、根回しをすることで、自分たちに都合の良い和平交渉を実現し、戦線の離脱の交換条件として、アクシズを連邦から買い上げます。
後にブライトに詰められたアデナウアーは、「アクシズを売った金で連邦政策の福祉政策が充実するんだぞ」と主張します。
アデナウアーは嘘をつくのが下手で、おそらく本心からその言葉を発したのでしょう。
ミライのいた香港のシーンを見ればわかりますが、日中に爆破テロが起こってもみんな微動だにしないほど、殺しやテロが日常化しているほど、地球の治安は悪くなっています。
ロンドベルの数年間の捜索もむなしく、簡単にコロニー側にシャアの存在をかくまわれてしまいました。
政治、戦力面において、地球連邦側とネオジオンのパワーバランスは火を見るよりも明らかだったと思われます。
逆襲のシャア シャアとアムロにとってララァという呪いについて
最期の2人の会話で、かわされたララァ・スンという存在。
男性であっても女性であっても、自分よりも能力が高く、性格的にもおおらかで器の大きい相手に対しては、惹かれるものです。
シャアとアムロにとって、ララァというのは、女性として魅力があるというよりは、人間として超越した存在として映っています。
ララァ生存時点では、ララァが3人の中で最もニュータイプの力が強く、造詣が深く、人間的な器も大きい人間として描写されていました。
それは、女性として精神年齢が高いということや、身体を売るという特殊な仕事についていたという経験値もあったはずです。
逆襲のシャアの時点では、アムロもシャアもパイロットとしての熟練度、さらにニュータイプとしての感性は、ララァを超えているといってもいいかもしれません。
しかし、ララァが死んだということで、2人の中でララァという存在が神格化されたものになってしまいました。
逆襲のシャアというのは、シャアが地球の重力に引かれた人々を解放しようという話ですが、シャアとアムロが、ララァの喪失という重力から葛藤する話でもあります。
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