今回は、前回の感想や大枠の考察から一歩踏み込んで、よりブラックサンのメッセージ性などについて考えていく記事になります。相変わらずアマゾンレビューを筆頭に、賛否両論の多い作品です。
今回は、公開からしばらく経過したということで、各登場人物の結末も踏まえたうえで、考察していく記事になります。よりブラックサンを深く追及できる記事になります。キャラによっては、原作のテレビシリーズとの比較も含まれます。
記事の性質上完全なるネタバレになるため、未視聴の方は、ブラウザバック推奨です。
仮面ライダーBLACK SUN(ブラックサン) 感想、ネタバレ全開 おもしろい?つまらない?
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南光太郎(西島秀俊 50年前中村蒼)
ブラックサンの主人公で、次期創世王候補
ブラックサンの世界では銃器でもやられてしまう下級怪人、上級怪人とおり、その上にブラックサンとシャドウムーンが階級づけられている。
50年前のゆかりとの約束を守るために、創世王を殺して、怪人たちがこれ以上増える世の中にならないようにすることを目指している。
なぜ、ゴルゴム党で反人間運動にはいっていたのか、ゆかりの思想に触発されたのか?映像こそ残されているものの、南光太郎を突き動かす強い動機があまり見られない。
50年後の光太郎の描写に関して、冒頭は怪人のホームレス相手に借金取りをやったり、葵の暗殺を依頼されるなどの便利屋家業で生計を立てていた。
怪人を活性化させるヘブンを食べなかったことにより、身体は衰弱している。とはいっても人間年齢に換算すれば60~70歳なので、怪人かキングストーン補正か知らないが、人間よりも長生きしそう。
最終的には創世王になることを目指す秋月信彦を倒し、創世王になった自分を葵に殺させることで、創世王を絶やした・・・と思われるが、葵にまだ創世王の適性があれば、人間の怪人に対する差別がやまない中、葵が創世王になる可能性だってあるのではないだろうか?
秋月信彦(中村倫也)
50年前、光太郎とともにゴルゴム党に入るが、バラオムに敗北し、新生ゴルゴム党に幽閉される。次期創世王候補だったため、ヘブンを大量に摂取され、若さと強さを保っている。
フィクションに茶々を入れるのもどうかと思うが、ヘブンを大量摂取しつづけた信彦とヘブンを終盤まで全くとらず満身創痍の光太郎が終始互角だったのはなぜだろうか?
勝手な考察だが、光太郎は全力で信彦を止めるために殺しに倒しに行ったが、信彦はそこまでの気持ちはなく、本心は光太郎への情けがあったのでは?と考えられる。
光太郎と異なり、信彦は純粋な心の持ち主でいろいろと影響を受けやすい。当初はゆかりの言葉を信じて、創世王を倒そうとするが、訓練させた下級怪人がヘイトスピーチ集団にリンチされて殺されたことを受けて、激高して覚醒した。
二段階目の変身、覚醒する過程は光太郎と全く異なり
光太郎は怪人にされ、まだ生きている葵を守るためにビルゲニアに対して変身
信彦はリンチされて死んだ怪人の復讐のために、ヘイトスピーチのリーダーを殺す過程で変身している
終始一貫しているヒロイックな光太郎と対照的に、人間的な弱さをもつ信彦はオリジナルよりも魅力的なキャラに仕上がっている。
ビルゲニア(三浦貴大)
本作の3人目の主人公といっても過言ではないビルゲニア
ゴルゴム党を脱退して、創世王を守るためにゆかりや光太郎たちと行動を共にするが、ゆかりが創世王を殺すことを察知して、ゆかりを殺す。
その後、新生ゴルゴム党につかまり、信彦とともに幽閉されるが堂波総理の下僕になることを条件に開放される。
ヘブンを管理する堂波の側近だったためか、ヘブンを摂取しており50年前と変わらぬ見た目をしている。
創世王を守るためのサタンサーベルを終始携えている。
サタンサーベルは、原作ではビルゲニアがシャドウムーンに倒され、シャドウムーンの手に渡って、最後は光太郎の手に渡るのだが、ブラックサンでは最後までビルゲニアが所持していた。
原作と同様に、ブラックの変身の初被害者など、どこか踏み台的なポジションであり、最後は総理にも捨てられ、自分が怪人に改造した葵とともに行動する。
ビルゲニアの最期は総理がおくった特攻隊から葵を守るために、特攻隊と相打ちとなった形になる。
創世王に忠誠を誓った男が最後は、1人の怪人のためだけに命をなげうった
非常にドラマティックなシーンの半面、特攻隊は奪われた命こそ多いが、まだ大量の部隊を率いており、訓練次第で量産可能。一方でビルゲニアは怪人の中でも最高幹部クラスの力をもっており、総理の下僕になることを条件に和平を結んだダロムの選択は結果的に正しかったのではないか?と感じさせる。
堂波真一総理
本作における悪役であり、彼の祖父が怪人プロジェクトのすべての元凶。
戦争のための兵器として、人体を改造して生み出されたのが怪人。その過程で、生まれたのが創世王であり、創世王のエキス(血液?)によって新しい怪人が生み出されたり、人間の肉片と混ざることで、ヘブンという怪人を活性化させる食料を生み出している。
堂波真一は、祖父のプロジェクトを受け継ぎつつも、世にも珍しい怪人をオークションにして売りさばいたり、ヘブンを怪人たちに高値で売りつけるというビジネスとして、怪人を活用していた。
怪人を管理しながらも怪人に対する理解がなく、キングストーンを二つ揃えたら次期創世王が生まれるという勘違いをずっとしていた。
最後は祖父の怪人プロジェクトが葵によって全世界に発信され、裏路地で小便しているところを、怪人になったニックに殺される。悪党らしいあっけない最期だった。
ダロム(中村梅雀)
旧ゴルゴム党を率い、堂波祖父をあと一歩まで追い詰めるが、人間との全面戦争を避けるため、創世王を政府に管理させることと、政府の裏仕事を引き受けることを条件に、和平条約を結ぶ。
新生ゴルゴム党は、政府と結託し、おそらく怪人票の受け皿にもなっている。
ダロムが和平したことが全く無意味なのか?という疑問もあるが、冒頭で人間と怪人が差別によって対立していたときに、特殊部隊は穏便にことをおさめようとした。(警官側の誤発砲もあったが)
人間側の暴行も怪人側の暴行も等しくさばかれているように一見みえているので、ゴルゴム党の影響があるのだろう。
ダロムの判断に対して、前述のビルゲニアの最期が示すように、怪人が人間と全面戦争したところで、怪人に勝ち目はなかっただろう。
HUNTER×HUNTERのキメラアントの王のように、王の力が絶対であっても王の代替は存在せず、王がなくなれば集団として一気に瓦解する。
一方で、人間側は変わりはいくらでもいる。
和泉葵(平澤宏々路)
本作のメインヒロインであり、ある意味主人公。
怪人と人間のハーフで生まれた木村と親しくしており、木村一家とも関係は良好。スピーチで、怪人と人間の命は変わりないことを主張したことで、各方面から注目される存在になる。
ひょんなことで、光太郎と出会い、ゴルゴム党から命とキングストーンを狙われているため、光太郎と行動を共にする。
怪人を保護し、反人間活動をしていた両親をゴルゴムに殺され、葵もビルゲニアよってカマキリ怪人に改造されてしまう。
最終的に創世王になった光太郎を殺し、それでも人と怪人の差別はとまらないため、信彦の後を追うように怪人たちを訓練させる立場に立つ。
差別を止めるために主張やスピーチが重要だと考えていた葵は、数々の困難、人や怪人の汚い一面を見ることによって、武力によってでしか差別は解決しないという結論にたどり着く。
考察 創世王がいなくなっても怪人は増え続ける
光太郎たちの目的は、創世王を殺し、創世王をなくすことで新しい怪人が生み出される状況を阻止するということ。
しかしながら、怪人が新しく生み出されるルートはほかにもある。
それは、怪人同士の交配と人間と怪人の交配である。
実際の例として小松俊介(雀怪人)の家庭は、母が怪人で父は人間である。ハーフといっても実際はほぼ怪人の血を濃く受け継いでいるように見える。
ただし、交配によって生まれる怪人は、虚弱だったり殺傷能力が乏しく、下級怪人など怪人であるというだけの存在になる。
極端な話、美男美女の怪人同士や、人間に向けて送り向けて、交配を繰り返せば、創世王のエキスといった回りくどいことをしなくても、怪人の総数は増えるということになる。
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