2016年に日本テレビで連続ドラマになって、宮藤官九郎脚本の主演は岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥というイケメン実力派俳優をそろえた作品。
今回はその映画版。ドラマは全く見たことがないのですが、知人の紹介で見ることになりました。
今回はネタバレも含むあらすじと感想になります。
結論から言うと、2時間退屈せずにみられましたが、それは役者の演技力や力であって、この脚本かなり重大な問題を秘めているな…って思いました。
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ゆとりですがなにか インターナショナル あらすじとネタバレ メインは酒造の再生だが、キャラクターによってストーリーがあっちこっち動く
ストーリーはこういうのもあれだが、あってないようなものなので、メインの3人がインターナショナルで担う役割をまとめていきます。
メインの3人は1987年生まれで、僕が1990年生まれなので36~7歳ぐらいの設定です。
坂間正和 岡田将生
坂間酒造という日本酒をつくっている酒造の次男で、日本酒を専属で取引していた「みんみんホールディングス」が韓国企業に買収されて、ノンアルコールの日本酒にするか、マッコリにするかを迫られます。
同時に結婚した茜(安藤サクラ)との間に2人の子供ができますが、1年間セッ〇スレスでその悩みを本編ではずっと抱えています。
山路一豊 松坂桃李
小学生の教師。結婚はしておらず、女性との恋愛経験も性経験のない所謂「童貞」
周囲からは童貞であることをネタにされている。
本人も歪んだ恋愛思想を持っており、婚活で出会った女性に対して、ひどいことを言ったり、自分は教育実習生できた純真な女性しか愛せないと大衆の場で言ってしまう。
ただ、教育に対しては生徒と真摯に向き合う姿勢を持っている
道上 まりぶ 柳楽優弥
家族5人を養いながら、エビチリを中国へ広めるために修行に行くが、あっという間にエビチリブームになって、他社の参入によってつぶれてしまう。
まりぶの状況に同情した坂間一家が、まりぶを酒造りとして雇うことにするが…
まりぶは家族を養う必要があり、酒職人の月給では養いきれないため、中国版のyoutubeで坂間一家のすべてをカメラにとって、公開。中国3億人に坂間酒造は知れ渡り、おかげで坂間酒造には酒を買いに来る中国人が増えるが…
一方で、セッ〇スレスの坂間を気遣って、バイ〇グラを送る視聴者や、まりぶの演出で坂間は「負け犬」と名付けられ、観光客に連呼されるなど、悪い影響も出ている。
ゆとりですがなにか インターナショナルにおけるゆとり世代とZ世代について
物語クライマックスで、酔いつぶれた坂間が偶然同じような3人組のZ世代の愚痴に対して、「文句言ってんじゃねえ」と喧嘩をふっかけるシーンがあります。
ゆとり世代の範囲は1987年~2004年生まれなので、意外と広い。私もゆとり世代だったが、私立の中高だったので土日に授業はありました。
ゆとり世代は、就職氷河期やバブル崩壊などの不景気の波を受け続けている世代ともいえます。
上司はモーレツ主義だったり、ライフワークバランスより会社が大事って層が残っているし、部下はZ世代でコンプライアンス遵守やデジタルネイティブであったりします。
バブル世代の激しさも、Z世代のルール絶対主義にも挟まれているような、まさに中間管理職のような立ち位置(年齢的にも)という印象を受け、その辛さなどは、結構映画でも表現できると思います。
私は友達がいるが、性経験や仕事に対して酒を飲みながらいつでも語れるような友達が身近にいるわけではないです。
でも、おもえばそれってリアリティがあまりなく、今の時代ってオフラインの交流よりもオンラインのXとかインスタグラムで同じような属性だったり、趣向を持つ人が集まって愚痴しあうって文化もあるので
このドラマの同世代の掛け合いというのは、ゆとり世代というか、それ以降のバブル世代のイメージを引き継いだままで、ちょっとリアリティにかけます。
コロナの影響もあって、あらゆる登場人物が居酒屋に集合ってのは、どこか違和感があります。
ゆとりですがなにか インターナショナル 童貞いじり つまりバージンハラスメントしている
僕、ゆとりですがなにかインターナショナルについて、1つだけちょっと解せない表現があります。
この映画、LGBTとか、セクハラ、パワハラ、モラハラってところへの問題提起ってのを結構やっている映画です。
ある意味、ポリコレ映画なんですよね。一見してすごく差別や不平に物申すってところで、素晴らしい映画に見えるんですけど
山路一豊に関する仲間内の童貞いじりが結構ひどいなと思います。
本作に限らず、結構童貞いじりをする映画とかアニメってそこそこありましてね…
筆者も童貞の期間が長かったので、仲間内でいじられたりするんですけど、あまり気分の良いものではありませんよ。
性経験ってプライベートなものですし、その有無で人間とかを決めるってのは違うと思うんですよね。
確かに性経験っていいものではあるんですけど、迎えたタイミングとか迎えた状況によってその人の人生をすべて変えてしまうほどの影響があるわけで、そんな軽々とやるもんでもないわけです。
この映画が、どのような人間や立場もすべて公平にディスるといったサウスパークみたいなスタンスだったら別に何も感じなかったんですけど。
「すべての立場、苦しい思いをした人の味方になっています」といい顔しといて、中身がちょっとなと思ったので、あえて書きました。
うーん、なんていうでしょうね。バージンハラスメントといえばいいでしょうか。
ということで、このブログでは同様の事例を目の当たりにした場合、これからバージンハラスメントっていうことにします。
ゆとりですがなにか インターナショナル 総評
ゆとりですがなにかの感想なんですが、2時間の上映時間は結構早く感じましたし、普通にネタが面白いなと思える瞬間もあります。
ただそれって、巧妙にロジカルにしかけられたネタというよりは、イケメン俳優が下ネタを大声で叫ぶっていういっちゃなんですが、「中学生男子レベル」の笑いなんですよね。
もちろん、30代過ぎると、逆にそのようなレベルを落とした笑いのほうに興味がいくんですけどね。
いろーんな話題がちりばめられて、全くあてはまらないって人も少ないと思うので、話題作りにはなると思います。
でも脚本は正直、ぐちゃぐちゃだと思います。いろんな話題をつめこみまくって、結果的に「イイハナシダナー」に集結させたいって感じで、この物語で何か社会性を問いたいとかって熱量は、感じても肩透かしを食らうって感想でした。
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