以前、少しだけ闇金ウシジマくんの真島先生の最新作「九条の大罪」について、まとめていたのですが、数年間まったく読んでいない時期があり、また読み始めたらこれがもう面白くて…
ということで、最新11巻までの京極編までの主要キャラをまとめました。
また後日、興味深かったエピソードについて、まとめと筆者の考察を交えて、解説していくつもりです。
なお、11巻までの激しいネタバレを含みますので、気になる方は、漫画を読んでください。とっても面白いです。
過去の記事についてはこちらからどうぞ
九条の大罪 1巻 ネタバレあり書評 片足の値段・弱者の一分 法律は人の権利は守れるが、命は守れない
九条の大罪 第3巻 書評 微ネタバレあり 家族の距離、死者の心境、強者の道理
九条 間人(くじょう たいざ)
本作の主人公。
弁護士として個人事務所を立ち上げており、聖人であろうが、反社会勢力であろうが、着手金33万円という破格の値段で請け負っている。
法律への知識、実力、逆に裏技などを駆使しており、その弁護力は確か。
しかし、誰に対しても分けだてなく受けるため、壬生や京極といった裏社会の人種たちの仕事を受け続けるため、同業者や検察、警察からの評判はすこぶる悪い。
誰に対しても弁護を受ける権利はあるという信念と、自分が受けなければ、誰も反社会勢力の弁護をしたがらないという考えを持っている。
では、絶対的に司法に対して忠誠心があるかというと、自分の娘がもし殺された場合、その犯人を司法には絶対にゆだねたくないとも発言している。
妻と娘がいるが、離婚しており財産分与でほとんどを妻と娘に渡し、屋上で、半グレが残した犬をブラックサンダーと名付けて飼っている。
烏丸 真司(からすま しんじ)
九条の弁護士で働いている居候弁護士(略してイソ弁)
東京大学法学部を首席で卒業しており、親のスパルタを受けながら弁護士資格を取ることに手間取った九条とは真逆の人生を歩んでいる。
大手弁護士事務所では自分の力を発揮できないことと、過去に九条とある因縁があることで、彼の事務所を選んだ。
弁護士としての九条の手腕を認める一方で、反社会勢力の小間使いとなっている九条の考えに危機感を持っており、いつか京極や壬生に命を狙われるのではないか?と一時、九条の元を離れている。
父を大量殺人鬼によって奪われ、東京大学時代の友人も自殺しているという若くして、なかなかハードな人生を歩んでいる。
弁護士としての腕は、絶縁している九条の兄の鞍馬蔵人(くらま くろうど)にも一目置かれているレベル。
流木 信輝(ながらぎのぶてる)
九条のロースクルー時代からの恩師。
九条が父と慕っている。
九条の父、鞍馬とも検察VS弁護士として戦った経験があり、弁護士としての腕は相当なもの。
九条の元を離れた烏丸の面倒を一時期見ていた。
すべての被告人は平等にして、最良の弁護を受ける資格があるというモットーは、九条に受け継がれている。
九条がかつての恩師である山城と法律で戦う時に、それを察してエールを送った
壬生 憲剛(みぶ けんご)
ある意味、本作の主人公。九条よりも裏で動きまわっている人物
表向きは自動車整備会社の社長。複数の会社を経営している。
本質は、京極を若頭とする伏見組の元で働く半グレのリーダー。
壬生がどれだけ、会社の経営で稼ぎ、半グレリーダーとして暗躍しているといっても、結局は京極の汚れ役でしかない。
性格は冷静沈着で、冷酷。殺人にも何件か手を染めており、部下に罪をかぶせるあたりヤクザのような立ち回りもする。
自分を守るためには、他者の命に対してなんとも思わない性格で、義理人情を重んじる京極から、その点を指摘されている。
一方で、京極とは深い因縁があり、京極のシマを荒らした部下のけじめとして、殺されかけるが、京極から、「おもち(犬)を殺したら助けてやる」と選択を迫られ、幼いころから大切に育ていた老犬のおもちを自分の手で殺すことになる。
その罪を一生背負えということで、背中におもちの入れ墨を彫るが、ネックレスもおもちをモチーフとしたネックレスをしている。
以上の点から、表向きは京極にこびへつらっているが、裏では京極を陥れようといろいろ暗躍している。
京極 清志(きょうごく きよし)
伏見組の若頭(ナンバー2)
暴対法が厳しくなっている世の中で、ホテルもまともに借りられず、ラ〇ホテルしか基本使用できない。
ヤクザが生きづらくなった世の中ではあるが、両腕に見せつけるような入れ墨をほっており、半そでで街を歩いている。
小山、壬生などをうまく使いながら、恐喝や暴力のみならず、ビジネス面でも伏見組に貢献している。
自分が表に立って何かをするというより、優秀な部下を集めることにたけている。
一方で、自分の息子を溺愛しており、それが息子の増長を生み、部下からは息子の評判はすこぶる悪い。その息子が壬生の部下のシマを荒らしたことで、最悪の事態へとつながる。
息子を失った京極は、九条に脅しをかけることもいとわず、息子の殺人に関与した犬飼の部下に対して、漫画史上かなりえげつない拷問を行う(ここではいえない・・・)
最終的に九条の入れ知恵による壬生の策で、銃刀法違反で懲役を食らい、壬生と裏でつながっていた伏見組の宇治の暗躍によって、伏見組と絶縁宣告される。
10年間の懲役は確定なので、本編で登場する機会はなさそうだ。
冷静に見えて、かなり自分勝手な性格であり、あきらかに壬生の愛犬のおもちの死は、京極が原因に見えるが、「おもちを殺したと選択したのは壬生だ」と考えている。
嵐山 義長(あらしやま よしなが)
警視庁の刑事。自分の娘が過去に強〇殺人で犬飼らに命を奪われたため、指示した壬生、その親の京極、さらには弁護士の九条もマークしていた。
上の命令にさからい、出世コースから外れてもなお、娘の死の真相を追求しようとしている。
娘は、京極がケツもちしている、セクシービデオ会社の小山義昭の愛人であったが、小山との間に子供ができ、小山の指示でおろすことになる。
最終的に娘が、小山が行っていた売れない女優やアイドルを社長などにあっせんする仕事をばらす可能性があったため、小山は口封じとして、嵐山の娘に手を出したと、嵐山は推理している。
捜査と感情は切り離しており、情報を与えてくれた娘の友人が、婚活アプリをつかった詐欺を行っていると知ると、すぐに逮捕に向かった。
小山 義昭(こやま よしあき)
通称こやしゃん。
表向きはセクシービデオ会社の社長。ぼったくりバーのかけ金で困っている女性を請け負って、デビューさせている。
知的障害を持つ、笠置雫をデビューさせたことで、親から訴えられ、社会からも厳しく指摘されている。ただしこの段階では、雫は仕事に生きがいを感じていたため、非合法な撮影などをしていたわけではない。
裏では売れないアイドルや女優を社長たちにあっせんしている。
若い女性をひっきりなしに愛人契約しているものの、妻と娘との関係は良好。
ただし、口が異常に悪く、娘のいる九条の前で嵐山の娘の悪口を言ったときは、思わず九条から、「その言い方は気に食わない」と指摘される。
犬飼
壬生の指示で300万と引き換えに、嵐山の娘に手を出した実行犯。
300万では割に合わないと壬生に3億を請求するため、かつての壬生の上司だった菅原と引き込もうとするが、壬生が菅原の部下を買収したため失敗に終わる。
京極の息子に手を出してしまったため、伏見組から全力で追われる。
壬生の手引きで、海外に逃げる予定だったが、壬生は犬飼を弟と重ねてかわいがっていたが、どのみち伏見組の追跡をかわせることはできず、むごい拷問を受けることを考えたらと、犬飼を撃ち殺すことになる。
この時の壬生の心理だが、一度は自分の命を狙っていた犬飼に情はなく、自分が助かるために、壬生を京極に引き渡したという考えと
本当に壬生の拷問から犬飼を解放したいという思いがあったかは最後まで分からない。
宇治
伏見組の新若頭
ハッキングで仮想通貨を盗難するなどして、莫大な資金を伏見組にもたらしている。
新しい組長の雁金(かりがね)に説得して、京極に絶縁状をたたきつけることに成功。
つばをはいた老人に「やめろ」と忠告し、そのつばをふき取るという礼儀などを気にする側面がある模様。
実は裏で、壬生とつながっており、伏見組の実権を握っている。
壬生と宇治はかつて、京都の寺?で明治以前の教えを説く塾に通っており、同じ塾生の人間の顧問弁護士になってほしいと壬生は九条に依頼する…果たして、どのような人物なのか…
余談だが、ウジという名前もそうだが、見た目はマッチョなウシジマくんのような見た目になっている。
九条の大罪の魅力とキャラクターの考察
以上が、九条の大罪の主要キャラクターのまとめになります。
すべてを読んでいるわけではないですが、ウシジマくんと九条の大罪の違いは、ウシジマくんが1話完結に徹しているのに対して、九条の大罪は1話完結もあるけど、主要キャラの関係性が絶えず入れ替わっている点ですね。
つまり、1本のしっかりしたメインストーリーがあります。
一番気になるところは、九条と兄鞍馬の因縁でしょうね。
結構人間臭いドラマで、1巻にあるような法律知識を学べるような漫画かと思いきや、ヒューマンドラマにかなり重きを置いている作品になります。
そのため2~3巻で登場するキャラクターがどうしても嫌いってなったら読み進めることは難しいでしょうし、逆に壬生のような一見冷徹に見えて、人間性は実はあふれているけど、やっぱり冷徹みたいな、奥深いキャラにはまると、この漫画にさらにのめりこめると思います。
あと、九条の大罪のメッセージとして、法の知識やいい弁護士をやとえたら、人生が豊かになりますよ~という安易なライフハックに着地させないという点です。
あくまで、本人が人生に対してちゃんと真剣に向き合えるかどうか?
そのあたりは、闇金ウシジマくんに通ずるものがありますね。
今後もこのブログでは、すべてのエピソードを拾い上げるのは難しいですけど、なるべく象徴的なエピソードをとりあげて、まとめて考察していこうと考えています。