2023年の10月にゲーム業界を騒然とさせるニュースが飛び込む
プラチナゲームズ副社長で、設立当時からあらゆるIPを誕生させた神谷英樹氏が退社という話だ。
今回は神谷英樹氏が語った情報や、他の関係者の言葉も含めて、なぜ神谷英樹氏がプラチナゲームズを退社したのかを含めて考察、まとめていく記事になります。
アクションゲームが好きな人、ゲーム業界のニュースが好きな人にとって楽しめる記事になっています。
ベヨネッタ3 感想と評価 アクションゲームとして一流ながらネットで炎上?ダサい?爆死といわれている理由なども含めて解説と考察
アストラルチェイン 未クリアレビュー・評価 神ゲーなのか?つまらないのか?
プラチナゲームズとはどのような会社? 国内有数のアクションゲーム開発メーカー
プラチナゲームズとは、日本のゲームメーカーで、2006年に設立された会社で、主にゲームの開発を手掛けています。
創立当初は、カプコンでプロデューサーを務めていた三並達也元社長が創業者となり、カプコンの優秀なスタッフが多く流れていました。
カプコンの社員教育の一環で、1つの作品をディレクターとして当てた人間は、続編などでは別の優秀な人材をディレクターとして育成するためにプロデュース業にまわすという方針があり
本当はゲームつくりの最先端にたって、ディレクションしたいという人材にとっては、お金はもらえてもやりたいことができないというジレンマがあったとのことです。(岡本吉起氏のチャンネルより)
開発は自社で行っていますが、任天堂やセガなどの資金力のある企業から開発資金を受けたり、依頼されて開発することが多いです。
代表作のベヨネッタは1作目がセガ、2作目以降は任天堂(セガもクレジットされている)が販売を担当しています。
アクションゲームの開発力に関しては、国内開発企業の中で指折りの企業で、コナミからはMGSシリーズの雷電を主役としたらメタルギアライジング、スクエニからは、ニーアシリーズの最新作のニーアオートマタなどを開発し、いずれも世界的に評価されています。
どの作品も神谷英樹氏の理念が少なくとも浸透しており、ガードではなく避け、攻め続けるほど有利なシステム、そしてアクションにとらわれない複数のゲームジャンルを内包しているという特徴があります。
現在では、過去に神谷氏の作品をプロデュースしてきた、稲葉敦志氏が代表取締役を務めています。
神谷英樹とは何者か?
神谷英樹氏は、外国語大学を卒業し、英語などに堪能。
カプコンに入社してすぐにバイオハザードのプランナーを任され、次回作バイオハザード2のディレクターという大役を任されます。
バイオ2は当初、高層ビルから逃げるというコンセプトだったのですが、その企画がボツとなり、ラクーンシティという街中で繰り広げられるパニックホラーという内容に変わりました。
バイオ2はバイオハザード歴代で見ても屈指の売り上げを当時誇っていました。
その後、バイオ4の開発を任されますが、あまりにもアクション性に寄りすぎたため、デビルメイクライに変更。5作目まで続くカプコンの看板タイトルの1つとして成長しました。
その後、神谷氏の代表作といえる「ビューティフルジョー」をディレクション、さらに多くのゲームファンの心をつかんだ「大神」のディレクターとストーリーも手掛けます。
カプコンを退社し、プラチナゲームズに移るのですが、当初は任天堂のwiiがシェアを獲得し、神谷氏も老若男女が親しめるゲームを作るべきか考えていたそうです。
その中で、プラチナゲームズの社員、特にベヨネッタ2のディレクターも務めた橋本祐介氏が「神谷さんの作るアクションゲームがまた見たい」ということで、ベヨネッタを製作します。
ベヨネッタはデビルメイクライと近いテイストながら、主人公、アクションゲームながらギター音声を廃止など意欲的な要素も多く、多くのファンを獲得します。
その後も、wiiUでThe Wonderful 101(現在は他ハードでリメイクされています)や、ネオクラシックアーケードという企画を立ち上げ、「ソルクレスタ」という新作STGを製作します。
Xでもユニークな発言をされており、テレビでもごくまれに出演されたりしており、ファミ通などを呼んでいる読者にとっては、親しみの深いディレクターの1人ではないでしょうか。
神谷英樹氏はなぜプラチナゲームズを退社したのか?
ゲームファンからすれば、あまりにも突然の出来事でした。
著名なゲーム会社の副社長が退社というのはかなり衝撃的で、まだ進行中の企画や、ベヨネッタは9作品まで神谷氏の頭にあるのに…
神谷氏は自身が立ち上げたyoutubeのチャンネルで
辞めた理由について
「言えないよね、言えないけどやっぱり自分のゲーム作りの信念に照らして、自分の正しい道を進みたいなということを思ったからですね。まだ引退はしませんよ」
続けて、1年間同業の仕事ができないらしいです。
勝手ながら、神谷氏が退社した理由を2つ考えてみました。
- 自分が社内で偉いポジションについてしまって、ディレクターなど第一線でゲームを作れる環境ではなくなったから
- ネオクラシックアーケードなど自分がやりたい方針と会社の方針が全くあわなくなってしまったから
1については、神谷英樹氏の師匠ともいえるバイオ生みの親の三上真司氏も同じ悩みを抱えており、もう1回ディレクターとして作品を出したいけど、会社の後輩を育成する育てることも大切ということで、第一線で出せないということがあるようです。
両者ともカプコンでディレクターをつとめ、そこからプロデュースやアドバイザー業になったのですが、他の会社でも同様の状況になっているらしいです。
野球でいうプレイングマネージャーみたいなものでしょうか。
神谷氏は副社長をされていたので、いきなり辞めさされるポジションであるとは考えにくいです。
三上真司氏の上司でもあり、神谷英樹氏の若手から見続けていた岡元吉起氏は神谷氏に関して
- ゲームの企画はノーアイデアでスクラップアンドビルドをしていく
- ゲームを製作する途中での思いつき、ひらめきをゲームに入れていく
- プレイヤーにとってはうれしいのだが、大変なのはコスト管理しているプロデューサーや経営者側
ベヨネッタでいろいろクラシックゲームのアイデアをいれているのは、最初から狙っていれていたわけではなかったんでしょうね。
神谷氏のゲームは非常に贅沢なつくりになっていて、20時間のクリア時間があったらずっとアクションというゲームも少なくなく、他の超大作RPGと変わらないぐらいのコストがあるんじゃないかと勝手に想像してしまいます。
ただ
神谷氏がもっと贅沢な大作志向の作品を作りたかったのか、クラシックゲームのようにグラフィック以上に遊びやアイデアに特化した作品を複数本作りたかったのか?
それは最後まで分からないのも神谷氏の魅力ですね。
ベヨネッタの続編はどうなるのか?
神谷英樹氏のファンにとって気になるのは、ベヨネッタ3以降の展開についてです。神谷氏はベヨネッタサーガとして9までのストーリーの構想があるとおっしゃっていましたが、このままだと墓までもっていくことになりそうです。
ベヨネッタの版権は販売元の任天堂が握っているのか、開発元のプラチナゲームズが持っているのかはわかりません…
(現状、ベヨネッタシリーズの一番初めの作品で、これが最終作になっています)
まず考えられるのが、神谷英樹氏以外で現行のプラチナゲームズスタッフでベヨネッタの続編を作るということです。
ベヨネッタは3でいったんストーリーが終了しているので、様々なアプローチから展開可能になります。
別の方法と知って、任天堂かプラチナゲームズがベヨネッタを製作するときだけ、委託として神谷氏に依頼するということです。
有名な例として、スマブラXでは有限会社ソラを立ち上げ、任天堂、HAL研究所にも籍をおいていなかった桜井氏が、任天堂の岩田元社長から依頼を受けて作っています。
(岩田元社長と桜井氏の関係性がなければ実現しなかったスマブラの続編)
同様の事例が、神谷英樹氏にも該当する可能性はあります。それだけ個性とカリスマ性のあるクリエーターなので
ただ、ベヨネッタに縛られず、神谷氏はカプコンのビューティフルジョーや大神についてもやり残したことがあり、カプコンに依頼があれば作りたいという想いを動画で話しています。
ベヨネッタ3 感想と評価 アクションゲームとして一流ながらネットで炎上?ダサい?爆死といわれている理由なども含めて解説と考察