3D格闘の代表作といえば、いまは鉄拳。3Dキャラを使っているというくくりで言えば、ストリートファイター6やギルティギアストライブもありますね。
しかしながら90年代を代表していたのは、間違いなくSEGAのVF(バーチャファイター)
私も幼少期にデパートのゲーセンコーナーでよく遊んでいました。
今回は、なぜバーチャファイターの最新作が作られないどころか、3tbのアーケードが作られてしまったのかをゲーマー視点で考察していきます。
このブログでは、格闘ゲーム初め、ゲーム考察を行っています。
ストリートファイター4~6のグラフィック、演出の比較 どのようにSFシリーズは進化してきたのか考察
GUILTYGEAR STRIVE(ギルティギア ストライブ) PS5で一番面白い格闘ゲーム 初心者がカイ・キスクを使ってみた感想
ソウルキャリバーⅥ レビュー・感想 格闘ゲーム6作目 格闘ゲーム初心者でも楽しめるのか?
バーチャファイター各シリーズの評価と流れについて
ものすごーく雑にバーチャファイターを振り返ります
初代バーチャファイター(1993年)
ポリゴンを駆使した初の格闘ゲーム。実在の格闘技をベースとしたキャラが参加し、コマンドも2D格闘ゲームに比べると複雑ではない。
ゲームセンターでは、新しいもの好き、2D格闘ゲームで勝てないプレイヤーが遊ぶものという認識がされたらしい
この時代からパンチ、キック、ガードの3ボタン、打撃、投げ、ガードの3すくみは確立されていた。
バーチャファイター2(1994)
テクスチャーマッピング、60フレームのなめらかな動き。今プレイしても全く飽きないスピーディーなゲーム性など3D格闘ゲームの礎を築いた作品。
サラリーマンから女の子までプレイする社会現象を起こし、テレビでもブンブン丸、新宿ジャッキーといった鉄人がもてはやされるようになった。
ゲームセンターでは常に行列ができ、プレイする人見る人と完全に別れていたらしい。
ステージの橋が削除されているなど、多少の変更はあるものの、セガサターンに移植されたバーチャファイター2も大ヒット。家庭用ハードが、アーケードそのままに遊べる時代の先駆けでもあった。
バーチャファイター3(1996年)
バーチャ2よりもさらにグラフィックが進化
システム面では、手前や奥に移動できるエスケープボタンの追加や、ステージによっては高低差のあるアンジュレーションによって、場所によって技があたらない、決まるコンボや決まらないコンボが存在するようになった。
究極のデジタルゲームといわれたバーチャ2に対して、バーチャ3はよりリアルかつアナログに進化していった。
しかし、そのリアリティがすべてのユーザーに受け入れられたわけではなく、もっさりしたり、ボタンが増えてやりづらくなったりと、不評を唱えるプレイヤーも多かった。
家庭用移植もドリームキャストであり、移植度は高かったものの、対戦モードがないことや(乱入でしか対戦できない)、そもそもドリームキャストのコントローラーが対戦ゲーム向きではないこともあって、2ほどの熱気はなかった。
一方で、アナログで難しいゲーム性から、鉄人ほどの人気はないものの、いまでも語り継がれるカリスマプレイヤーが多く登場した。
セガール、マスクドヒジテツ、栗田
さらには、2からバーチャのアキラ使いとして強かった、バーチャ神で本格的にリオンメインキャラとしてカリスマ性を発揮していたちび太の台頭もあった。
バーチャファイター4(2001年)
筆者もPS2版をものすごく遊んだ。思い出深い作品。
2のころの3ボタンに戻り、スティックによって手前、奥に移動し、相手の攻撃にあわせることで避け動作になるという直感的なシステムに変更。
ステージも平面になり、スピーディーなバトルを再現。
さらには、現在では当たり前となっているカードシステムを搭載し、リングネーム、称号、ファッションを変更することが可能になった。これによりゲームセンターでの人気は爆発。
磁気カードだったこともあって、使用回数があったり、携帯サイトのVFネットは有料だったり、今考えると不便な要素もありましたが、これで対戦環境は過熱しました。
2D格闘ゲームが衰退する中、当時もっとも勢いのあった格闘ゲームとして語り継がれている。
しかし、絶頂でありながらも家庭用に関しては、不調の陰りがみえたのも4から。
無印4は50万本ほどの爆発的なヒットとなるが、調整+キャラ追加しているエヴォリューションはあまり売れず、ゲームショップのワゴン行きの常連だった。
プレイしてみると、キャラの技性能も大幅に変わって個性がでているし、新キャラも2キャラいるので、続編といっていい内容なのだが
見た目の変化のなさや、無印4から全く期間が立たずにフルプライスで調整版が発売されて、買わないユーザーも多く、私も新品は買わなかった。
現代なら、オンラインによる調整や新キャラを課金するシステムも取れたと思う。
その影響か、あれだけ人気のあったVF4の最終調整にあたるファイナルチューンドは家庭用移植されなかった。
ライバルである鉄拳も徐々に家庭用移植が遅れるのだが、アーケードの最終調整版は絶対に家庭用で出していたことを考えると、VFが家庭用にあまり乗り気でなかった、予算がおりなかったのか、このファイナルチューンドが移植されなかったことが、VF衰退の要因の1つかもしれない。
バーチャファイター5(2006)
10年以上前の作品ながら、このVF5の調整版のファイナルショーダウンが、現状最新作。(イースポーツesがファイナルショーダウン準拠のため)
新キャラ、相変わらず時代の最先端をはしるグラフィックは素晴らしいものの、避けに側面に回り込むオフェンシブムーブが追加されたら、この使い方が初心者にはわからなかった。
そして、鉄拳同様シリーズが進む3D格闘の宿命だが、単発火力が少なくなって、コンボ重視のゲーム性になったことが、ユーザー離れを生んだ。
バーチャ1,2までは単発火力が高く、3本選手であっても初心者が上級者にまぐれ勝ちする瞬間はあったが、5ではそれはおこらないだろう。
コンボ重視で低火力で3本先取なら、うまいプレイヤーがかならずといっていいほど勝つゲーム性だ。
また5登場から現在に至るまで、ストリートファイターの復活、鉄拳が世界で圧倒的なシェアを獲得など、格闘ゲームの復権や世代交代が確実に行われたのもバーチャにとって向かい風
さらにSEGAのアクションゲームといえば、代表作は龍が如くへと移行し、開発のリソースもばらけてしまったと思われる。
家庭用も5を移植したPS3は、オンライン対戦が不可能。オンライン対戦を実装したのはXBOX360となり、なぜこの時PS3で出なかったのだろうかと疑問。
後にファイナルショーダウンはダウンロードで1500円程度という安さで素晴らしかったが、その時にはもう別の格闘ゲームの選択肢が多くあった。
バーチャファイター6の可能性について
バーチャファイターのナンバリング最新作についてチーフプロデューサーの青木氏は作りたいという意欲はインタビューで語りながらも、6を作るためには、4のカードシステム、5のライブ映像のような革新的なシステムを盛り込む必要があるとのこと。
これを聞いて、セガには意欲もあるし、アイデアがあれば着手するんだろうというポジティブな考えもできますが、一方で、本当にヒットしているシリーズなら、マンネリといわれようが、龍が如くのように一定期間ごとに新作はリリースするはずです。
私がこうして、ブログを書いている間に新作が開発されている可能性はあるが
インタビューの内容から察するに6の可能性はかなり薄いと思われる。
理由を勝手に考察するが10年以上最新作から遠ざかっているため
- 格闘ゲームに深く携わっている開発スタッフの異動
- 格闘ゲームを製作するノウハウ、知識の欠落
などが起こっている可能性が高い。
現場で働ける期限は限られているので、VFスタッフに所属しながら、格闘ゲームを作りたいという熱量の高いスタッフは、鉄拳やストリートファイターに移ってしまった可能性もある。
鉄拳もストリートファイターも最新作の内容やゲーム性が叩かれながらもくじけず作り続けた結果、現在の評価につながっているが
バーチャファイターは、シリーズへの批判を恐れて?新しい挑戦ができなくなった。
批判されても新しいバージョンや最新作を作り続けることから引いてしまったのが、現在に至る要因だろう。
バーチャファイター3をアーケードでオンライン対戦できるようになったけど?
バーチャファイターの最新作が期待された中、バーチャファイター3をアーケードでオンライン対戦できるように復活された。
バーチャファイター3が単体で設置されるわけではなく、APM3という複数のゲームが遊べる筐体に入っているらしい。
[インタビュー]「バーチャファイター3tb」がアーケードに帰ってくる。APM3版稼働の背景と「Virtua Fighter esports」のこれから
モデル3のエミュレーターをセガが開発するようになって、龍が如く8でもバーチャ3は遊べる。これは楽しみ。ただオンライン対戦できればうれしいが…
個人的に3をしっかり遊びたい欲はあるものの、アーケードにだけいれるというのはよくわからず、家庭用のダウンロードソフトで出せば、一定数遊ぶプレイヤーはいたと思われます。
ゲーセンミカドが世界大会を開催するようになって、有名なゲームセンターでもバーチャ3を導入する店舗があらわれるようになって、やや見直されたVF3なのですが、アーケードで復活させるほどなのか?という疑問は残ります。
バーチャファイターが6を作るための条件について…
バーチャファイターは良くも悪くも、シンプルな格闘ゲームであり、リアリティを追求したために、あまり冒険できなくなってしまった。
鉄拳の原田プロデューサーが、2D格闘ゲームは古い作品でもユーザーが多いが、3Dは最新作しか基本遊ばれないといわれていたことを思い出す。
2D格闘ゲームはストリートファイターが顕著なのですが、作品によってシステム、キャラ性能、攻略が全く変わってきます。2,3,4,5,6はそれぞれが別ゲーで、要求される強さが変わってくるのです。
一方で、3D格闘ゲームは基本、過去作の貯金で遊ぶことができ、一度強くなるコマンドテクニック、フレームへのあくなき研究ができれば、トップ層を維持している人は多いです。
その中でも鉄拳は7でゲージ技、一発逆転システム、飛び道具など3D格闘のお約束を壊していきました。
バーチャも同様のことができるかどうか?にかかっています。
とことんマニアックなシステムにすることは現実的ではないため、龍が如く風のアクションバトルをバーチャに落とし込む。
つまり、パンチとキックのシンプルな組み合わせで簡単にコンボになって、それなりの火力が出るようなゲーム性にあえて退行させるか
進化を継続して、5に次ぐ進化系を作るか?
この2択にゆだねられていると思われます。
格闘ゲームを作ることは難しいかもしれませんが、SNKのように一度は、パチスロメーカーになりながらも、現在は純粋に格闘ゲームを作り続ける会社に戻ったように
バーチャもスタッフの熱量、1つのアイデアで新作が発表される可能性はあります…
私は生きている間にバーチャ6が見てみたいですね…そのためには、3を遊んだほうがいいかもしれませんが
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