以前、クリアレビューしたファークライ6について、ストーリーもなかなか面白かったので、本作のボスであり、象徴でもあるアントン・カスティロについて語る記事になります。ファークライをクリアした方は、ご覧いただけると嬉しいです。
ちなみに、このブログはクリア、エンディング後の内容を含むため、ネタバレ注意です。
このブログでは、ゲームのストーリーやキャラクターについて語る記事をいくつか書いています。よろしければ、他の記事もお読みください。純粋なファークライのゲーム性や、クリア後レビューについては、下記のリンクから読むことができます。
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アントン・カスティロはいかにして生まれたのか? 67年のゲリラ革命と父の死 ヤーラへの復讐
舞台となるヤーラでは67年にゲリラ革命がおこるが、経済制裁によって貧困化が進み、その後、大統領になったアントン・カスティロの登場によって、ヤーラが大きく変わります。
アントンは、徹底的に軍を強化し、反乱分子を排除、そしてヤーラが他国と肩を並べるための起爆剤として、ヴィヴィロというヤーラのタバコに特殊な肥料を混ぜた、がん治療薬の完成を宣言しています。
アントンは、父親が国のトップでしたが、ゲリラ革命によって、アントンもともに幽閉され、拷問により父は絶命します。これがアントンの人格形成に多大な影響を及ぼします。
アントンは、父を失ったことで、疑り深く、自分以外を信じない性格です。
アントンのアイデンティティは、権力への激しい執着とヤーラへの復讐です。
革命によって父親を奪われたため、ゲリラや反政府組織は断じて許しません。さらに、父親を否定し、自分の生活を奪ったヤーラ人に対しても、激しい憎悪を隠しきれていません。
主観ですが、アントンにあるのは愛国心ではなく、ヤーラのトップにたち、ヤーラを蹂躙することで、ヤーラという国や国民に対しての復讐を行っていたのではないかと考えています。
アントン・カスティロが築こうとした新生ヤーラは、どのようなものだったのか?
それは今までの共産主義や、独裁国家と質の変わらないものだったと考えています。
アントンは、ヤーラ人とヤーラの資源だけで、他国と戦える国、自国と統一しようとしたのですが、グローバリズムかつ多様性が常識となっている現代においては、すでに廃れた政治思想といえます。
ヴィヴィロを大量生産するために、タバコ園に力を入れ、そのために多くの難民や一般市民を誘拐して、強制労働させてきました。
また、反乱分子に対しては、数多くの人体実験や、つるし上げによる処刑といった、まさに独裁的な手腕をふるっていました。
軍の徹底的な強化と、人権蹂躙は、ヤーラの国力を著しく弱めています。その証拠として、アントンが生活する市街地周辺や、国外のジャーナリストに公開するヴィヴィロなどは、先進国に負けない設備ですが、その周辺は田畑ばかりで、全く開発が進んでいません。
アントンはなぜがん治療薬のヴィヴィロにこだわったのか?
ファークライ6のストーリーでも重要な要素となっているヴィヴィロ。
前述の通り、ヤーラのタバコに特殊な肥料を施して作られたガン治療薬といわれています。常識では発がん性があるなんてこともいわれるタバコから、がん治療薬?といったうさん臭さが漂います。
物語と進めると、タバコに混ぜている肥料が有毒で、発がん性があるということが、ヴィヴィロの開発担当者から告げられます。
ムービーでも、タバコに混ぜ込んだ赤い肥料を大量に吸って、倒れている労働者が映されています。アントンが下した人体実験や、死体処理の中には、ヴィヴィロの闇を隠すために行ったという解釈もできます。
ただ、アントンは重度の白血病を患っていたため、がん治療薬を誰よりも望んでいた1人であったことは確かです。
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終盤で、主人公に白血病を打ち明け、アントンは医者によって13年延命させてもらったことを語りますが、ディエゴはヴィヴィロが効かなくなったと、2人の言葉は微妙に異なります。
おそらく、アントンはヴィヴィロによって、白血病は抑えられているとディエゴに伝え続けていますが、裏では大統領特権をいかした最新医療によって、延命したものと考えるのが、妥当です。
アントンは、ヴィヴィロが使い物にならないことを、最初から知っていました。ヴィヴィロは、ヤーラ人を支配するためのツールとして使っていたのです。
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その証拠として、アントンは積極的に、ヴィヴィロをアメリカに、流通させることは、しませんでした。
完全に鎖国性をしいているわけではなく、海外のジャーナリストやリポーターは招致していますし、科学者も集めています。
ヴィヴィロは金儲けに使えるだけでなく、ヤーラの技術力や国力を偽装するために使われたわけです。
アントンにとってディエゴは政治の道具なのか、最愛の息子なのか?
ラストシーンで、主人公と対峙したアントンは、自由選挙で立て直せるほどヤーラはあまくないと徹底抗戦しながら、ディエゴと心中します。
アントンにとってディエゴは、最愛の息子ではなく、自分の権力の後釜であり、保険です。
アントンは子供が好きではありませんが、白血病を宣告されたタイミングで、文化大臣のマリアと子供を作ります。それがディエゴです。
アントンは、大統領になるまでに自分が受けた屈辱、母から学んだ教えをディエゴに伝えます。それだけ見ると、権力者にありがちな、息子に自分の価値観を押し付ける親というイメージです。
最後に、アントンは革命家に追い詰められます。主人公ダニーは、ディエゴに助けられた経験があり、ダニーもディエゴを助けました。
そして、革命が終わってからもディエゴを助けることを約束しますが、アントンは「それは無理だ」とディエゴを撃ち、自分の喉をきって心中しました。
アントンはディエゴを愛していたのか?
これだけ聞くと、ディエゴは政治の道具として、最後まで使われたんだな、ヴィヴィロと変わらないなという見方もできるでしょう。
一方で、アントンは、ディエゴの弱さを見抜いていました。自分のように冷酷になりきれないし、父の死を復讐心として力に変えることもできない。
そして、今回の革命によってアントンは死を免れませんが、ディエゴも処罰は免れないでしょう。ならば、ディエゴをその苦しみから解放するために、命を奪った方がいいという判断を下したのです。
アントンが、権力の塊であるのなら、ディエゴを犠牲にして自分だけ生き延びるような方法をとるか、自分の死を利用して、ディエゴに自分と同じ道(復讐の鬼)をたどらせるような筋書きを描いたと考えています。
ちなみに、ファークライ6クリア後は、残党の政府軍が一定期間で反撃し、それを抑えるというのがクリア後に組み込まれています。ディエゴが生き残っていれば、仇であるダニーに復讐するため、執拗に追いかけていたかも?しれません。
私は、ファークライシリーズ初体験で、3や4のヴィランのほうが、アクが強かった、存在感があったということで、一部ではアントン・カスティロは力不足では?という意見もあります。
ただ、ゲーマーとして様々な海外ゲームを遊んでいる私としては、アントン・カスティロは考察のしがいがある、深みのある人物だと感じました。
- 真実を話そうといいながら、常に裏切る算段をたてている
- 子供を政治の道具にしていると思いきや、実は愛していた?
- 国のための独裁制と思いきや、自分のヤーラに対する復讐が原動力だった?
クリアしてからも、アントン・カスティロについてはいろいろ考えていました・・・仕事中も(笑)
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