今回は、ウィッチャー3をクリア時間35時間で、メインクエストを制覇した感想。すでに2015年に家庭用、PCでリリースされており、携帯できることと、過去のDLCを網羅していることがスイッチのメリットになっています。すでに感想は出し尽くされており、膨大なクリア時間がかかることでも話題を集めてみますが、改めて感想を書いてみようと思います。
一般的にウィッチャー3はメインクエストが50時間、サイドクエスト+寄り道で100時間かかるといわれています。
これを聴いて「うわ~すげ~遊べる~」って興奮する人もいれば、僕のように雑食ゲーマーは「え?こんなにかかるの大変そう」とため息まじりの人もいます。
そして、YOTUBEもブログの感想も熱量やプレイ時間をアピールするものが多いです。
そのため、今回は比較的早解きで、メインストーリーをサクサククリアした人間の感想なら需要があると思い、書いてみました。
メインストーリーのみでも、十分に満足できる作品であるかを重点してレビューします。
ウィッチャー3はメインクエストのみ追っても十分に楽しめる
結論をいうと、ウィッチャー3はメインクエストのみでも、十分に楽しめます。メインクエストの主要キャラのサイドクエストを追っていくだけで、レベルは簡単に上がりますし、後述の要素で武器もストーリーの進行に合わせた強さが出てきます。
(全貌を考察するのも、部分的にだけ理解するのも自由。楽で楽しいと思える方向を選びましょう)
そのため、ウィッチャー3は膨大な作品ながらも、クリアしているプレイヤーが多いですし、マップの表示も含めて、丁寧な進行への導線が引かれています。
現行機のオープンワールドは本当に主要中の主要しか抑えていませんが、感想はいろいろ書いていますので、よろしかったら参考にしてみてください。
今回は、メインクエスト+主要キャラのサイドクエストのみを攻略して35時間でした。正確には35時間~40時間の間です。
スイッチになって一部ではPS4よりもロード時間が40%も短縮されたというメーカーの報告もあります。
正確に測ったわけではありませんが
- 起動時のロードが1分ほど
- コンテニューから前のセーブポイントに戻るまで1分ほど
- 同地区内のファストトラベルは15秒ほど(他の地域に映ると起動時のロードと同等の時間がかかる)
このあたりが目安になります。コンテニューした場合はゲームオーバーになった場所によって10~30秒ほど時間が前後します。
ロード時間は速くなったものの、解像度やテクスチャーの処理はPS4などのハイスペックに劣る面があります。
ファストトラベルは道中にある看板から看板に飛ぶ仕様です。この手の広大なフィールドのある作品ならどこからでもファストトラベルできる仕様にしてほしかったですね。
ウィッチャー3 レベリングと戦闘が面白いので、プレイ時間が長くても飽きずに遊べる
ウィッチャー3はレベリングが面白く、レベルが上がるとアビリティポイントがもらえて、戦闘・印(魔法)・錬金術、単体でも性能の高いアビリティの中からポイントを振り分け、強化するシステムです。
(近年のオープンワールドはRPGのように積極的なレベリングの要素を加えることで、長時間のプレイに耐えうる作品が増えています)
さらにレベルが上がると、敵のドロップアイテムのレベルも上がります。単純に言えば武器がレアリティが高くなり、強いものが手に入ります。
ウィッチャー3の武器は消耗品なので、レベルを上げて、敵を倒して、優秀な武器を交換していくというプレイが可能になります。
さらに、レアリティが高くなるということは金策でも有利になります。多くのプレイヤーが感想に挙げていますが、序盤はお金を100溜めるだけでも大変です・・・商人や鍛冶屋が販売している武器や防具はぼったくり価格なので得策ではないです。
このレベルを上げて、武器のドロップが優秀になるというサイクルさえ理解できれば、ウィッチャー3は寄り道をあまりしなくても、凶悪なモンスターと戦わなくてもゲームを有利に進められます。
しかしながら、チュートリアルがしっかりしているのに、その肝心なゲームの進め方がわかりにくいというのは欠点です。おそらく、説明ではなくプレイヤーに気づきを与えたかったと推測されますが。
話を進めて増える経験値 長いプレイ時間の中で、戦闘ではなく物語を楽しんでほしいという意図
ウィッチャー3のレベル上げに必要な経験は、モンスターやならず者を狩りまくるのではなく、クエストをクリアしたり、進行を進めていくことで得られます。地味ながら、情報を聴くためにお金を払ったときもその何パーセントかが経験値になります。
ボリューミーな作品ではありますが、レベルを上げるだけならメインクエストを追うだけでできるため、クリア時間はメインに集中していればあまりかからないのもポイントです。
これは、ウィッチャーが魔物退治のアクションゲームではなく、中世の世界を楽しみ、その物語を読み進めるゲームであるという意識付けが考えられています。
戦闘をこなすことに経験値が重点化されると、プレイングの旨い人は一方的に強くなっていって、苦手な人はうまくなるまえにリタイアするという不公平が起こります。
一方で、目的地にたどり着く、言われたものを持っていくだけなら多くのプレイヤーが遂行可能です。
一番多い行程は戦闘ではなく、上画像のウィッチャーの感覚をつかって、痕跡や手掛かりを探すという行為ですね。ウィッチャー3はアクションよりも、アドベンチャーの側面が濃いです。
加えて、ウィッチャーでは会話や進め方によって、敵と戦わない選択肢が海外のオープンワールドゲームの中では屈指の割合を誇ります。
多くのオープンワールドゲームはAにつくかBにつくかという二択だったり、結局は話し合っても最後に戦いあうという結末が多いのですが、ウィッチャー3は穏便に終わらせたり、魔法で回避するという選択肢が設けられています。
会話を進めたり、目的地に到達するだけで中盤はレベルが2~3上がったりもします。逆に激しい戦闘を下にも関わらず経験値が100しかもらえないということも多いです。
ウィッチャー3はメインもサイドも物語の作りこみがしっかりしていますが、「スカイリム」のようにメインもサイドも完全に独立したストーリーが存在している・・・というよりは、メインストーリーで出会ったキャラによる関連ストーリーが深く掘り下げられるという側面が強いです。
ストーリーはしっかりしており、ロードオブザリングのような耽美な中世ファンタジーに比べると、森の貴婦人たちのようなどぎついグラフィックを皮切りに、いたるところに処刑された首つり、焼死体がならんでいる光景。
(ストーリーに今後にかかわる分岐が非常に多く、選択肢によってその後の展開が大きく変化するため、一人として同じような感想にならないのも魅力。小説とは違うインタラクティブなゲームならではの魅力です)
そして、レッドデッドリデンプション2のように現代とは違う「きたなさ」「みずぼらしさ」までも再現されたグラフィックが印象に残ります。
ただ、ストーリー自体は驚きの仕掛けがあるわけでもなく、人間と非人間(エルフやドワーフ)の差別や権力争い、そして人間同士による国の戦争などが背景にあり、複雑ではありますが、特別ではないストーリーです。
中世ファンタジーには一定のファンと需要はあり、2019年になってもここまで密度の濃い作品はそうそう現れないでしょう。
ボリュームとクリア時間に悩む日々
レッドデッドリデンプション2でも熱弁しましたが、PS4のオープンワールドゲームはさらに物語性が高まったなと感じさてくれました。
ただ一方で、クリア時間には少なくとも30時間以上かかるボリューミーな作品が増えてしまい、一つの作品を猛烈にプレイし続けることができる一方で、様々な可能性を持ったオープンワールド作品が出にくくなった・・・という側面もあります。
実際に最近のゲームは、クリア時間の感想を見てから買うことが圧倒的に多くなりました。
現在でも小粒なインディーズの箱庭が流行っていますが、もう少しGTA3の時代に戻って、手軽でサクサクと進み、新しいシステムや斬新さに特化したオープンワールドが登場してくれることをゲームファンとしては期待したいところです。