ノーモアヒーローズNO MORE HEROES 感想・攻略・レビュー 英雄たちの楽園からレッドゾーンまで 描写の歴史 オープンワールドはなぜ空虚なのか? アクション面の攻略について

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2020年の10月に、マーベラスから発売、グラスホッパーが開発し、ゲームクリエイター須田剛一氏が作り出した、WiiのノーモアヒーローズNO MORE HEROES2作品が、HDリマスターで1980円という価格でダウンロードできるようになったので、2021年に発売される最新作の3の前にプレイしてみました。
今回は、2007年に発売された1作目のノーモアヒーローズのレビュー、評価になります。14年前の作品になるので、ストーリーのエンディングまでのネタバレ、攻略などを容赦なくつぎ込んでいきます。

 


このブログでは、switchのゲーム作品のレビューを行っています。よろしければ口コミ、評判の参考として、ご利用ください。

 

 

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ノーモアヒーローズ ストーリー考察と評価 なぜサンタデストロイに警察はいないのか?

 

 

ノーモアヒーローズのストーリーは非常にシンプルです。

 

トラヴィス・タッチダウンという萌えキャラが好きなオタクで、プロレス好きで、女に飢えている男が、バーで出会った美女、シルヴィアにそそのかされ、殺された両親の仇にあわせてもらうことを条件に、殺し屋ランキング1位を目指して、殺し屋たちと戦います。

 

(映画好きの須田剛一氏らしく、カットシーンはいちいちかっこいいです)

 

 

 

ノーモアヒーローズ1作目は、サンタデストロイという町中をバイクで、自由に駆け回りながら、各施設を巡って、バイトして、暗殺者ミッションをこなして、お金を稼ぎます。お金をつかって衣服を変えたり、武器を強化したり、ビデオを購入したりすることはできますが、基本は暗殺者ランキング1位を目指すための一本道のストーリーです。

 

退廃的なサンタデストロイ なぜこの町は空虚なオープンワールドになっているのか?

 

 

ノーモアヒーローズの舞台となるサンタデストロイは、警察もまったくおらず、住民たちも車が往来しているというのに、道路の真ん中を平然と歩いていたりします。

 

トラヴィスは両親が殺されて、血の海になった現場を見たというトラウマがあるため、グロテスク耐性を持ち合わせているという説明もできますが、それにしても人の死が当たり前となりすぎている環境です。

 

 

戦争や殺しがビジネスとして、当たり前のようにはびこっているのか?といわれると、そういうわけではなく、トラヴィスは殺し屋稼業の一方で、ココナッツ拾い、ごみ拾い、落書きの清掃、サソリ駆除といった慈善事業にも似た活動を行っています。

 

 

 

本来このような活動は、警察などが請け負うことですが、前述のとおり、サンタデストロイに警察はいません。トラヴィスがどれだけ危険な運転をしたところで、GTAのように取り締まるものがいません。

 

ストーリーでは暗殺者の死体はUAA(全米殺し屋協会)が掃除しています。

 

全米殺し屋協会 UAAが法のバランスを保つという考え

 

ストーリー後半で、トラヴィスが納め続けた挑戦料金は、すべてシルヴィアに横領されたことが発覚。しかしながら、UAAがどのような協会で、誰が裏で糸をひいているのか?謎のままです。

 

 

 

私の妄想ですが、UAAというのは、警察というシステムが維持できなくなったことの代用で、UAAが世間でいうサイコパス(快楽殺人者)や、裏社会の重鎮を集めて、仕事を依頼したり、資金供給することで、パワーバランスを整えて、無秩序な状況を回避しているのではないか?と考えています。

 

 

 

そうやって、説明不足な部分を妄想するのも楽しいですし、普通に開発費がかけられなかったから、空虚な街とか、最後の関係者が兄弟だったとか、当時の韓流ドラマを引用した流れとか、楽しむだけでもありなストーリーです。

 

 

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ノーモアヒーローズ アクション評価・レビュー

 

 

ノーモアヒーローズ1作目のアクションは2007年という時代を考慮しても、かなり未熟な点が多いでが、難易度マイルド(ノーマル)であっても歯ごたえがあり、達成感の得られるものになっています。

 

ノーモアヒーローズはダメージを効率よく与えるビームカタナの攻撃と、敵を気絶させてプロレス技に持ち込む素手攻撃に分かれており、それぞれに上段と下段の概念があります。

 

上段はダメージが少ないですが、攻撃スピードが速く、下段は逆になっています。

 

相手の隙が大きければ下段攻撃を叩き込み、ボス戦などヒットアンドウェイが必要なら上段攻撃を与えるという戦法が有効です。

 

さらに、ジャストガードやぎりぎりのタイミングでかわすことによって、相手に大ダメージを与えることができます。

 

 

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ノーモアヒーローズ リモコン操作という新しいQTE しかし要求されるタイミングが多すぎる

 

 

 

ボタン操作もなかなかの忙しさですが、つばぜり合いではリモコンを回し、相手の体力を0にするととどめを刺すために指定された方向にリモコンを振る必要があります。

 

(壊れやすいのですが、新品も高くて買いづらい・・・)

 

Wiiで発売された当初は、すべての操作をリモコンにゆだねるのではなく、必要なアクションはボタン操作で、とどめや回避の時だけリモコンという明確な役割分担が評価されました。

 

スイッチでも直感的なリモコン操作が可能なのですが、要求される場面が多かったり、リモコンの感度が悪ければ、回避が失敗して大ダメージを受けるなど、中盤以降はストレスでしかなく、ワイヤレスコントローラーで遊ぶことになりました。

 

(連射機能もあるので、ノーモアヒーローズ向けのワイヤレスコントローラーです)

 

 

 

2007年基準で考えても、カメラ位置は悪く、カメラ操作に難儀させられる面も大きいです。ボス戦などでは一撃死の技などもあり、カメラが目まぐるしく動く影響で、回避行動もこちらが回避したい方向と逆側に動いて、ダメージをもらいにいってしまうことも多いです。

 

雑魚的は、攻撃パターンも序盤から終盤までほぼ変わりません。銃をつかってくる敵が少し増えることと、トラヴィスと同じようにビームカタナを使う中ボスが増えるぐらいでしょうか。

 

雑魚的はそれぞれの攻撃行動、AIがまるっきり違って個体差があります。こちらが近づいてもろくに攻撃しない雑魚的もいれば、その場に立ち止まって、ひたすら攻撃をぶんぶん振り回す厄介な雑魚的もいます。

 

攻撃を振り回すAIの雑魚的に囲まれると、手数に圧倒され、あっという間にゲームオーバーになるというちょっと理不尽なつくりにもなっています。

 

 

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ノーモアヒーローズ ボス戦の攻略について ヒットアンドウェイが基本 理不尽な体力差とその先の達成感

 

初代ノーモアヒーローズのクリア時間は11時間程度でした。

 

武器をすべて集めて、本当のエンディングを見るために時間がかかりました。(お金を稼ぐだけですが)

 

ノーモアヒーローズのボス戦は非常に硬派なアクションゲームです。こちらの攻撃は基本ガードされたり、攻撃を受け付けなかったり、後半になれば、カウンターを仕込んでくるボスも出てきます。

 

ボスの攻撃パターンをしっかりと見切って、攻撃の終わり際の隙や、挑発ポーズをとったときなどに、2発叩き込んで、また逃げるを繰り返すことが有効です。

 

ただ、逃げるだけが有効ではなく、遠距離攻撃が厄介なボスなら、ロックオンしながら適度な距離をはかって、間合いを管理することも重要です。

 

ノーモアヒーローズ ボス戦はビームカタナの充電タイミングがとても重要

 

さらに、ボス戦はビームカタナの電力を充電する時間を作ることが非常に重要となります。

 

トラヴィスの武器のビームカタナは攻撃したり、敵の攻撃をガードすると電力が失われ、ゼロになると攻撃できなくなります。そのため、要所で充電することで、攻撃不能を回避します。

 

一方で、充電中は無防備になるため、ボスの行動パターンを把握することがより重要になります。モンスターハンターの刀を研ぐ行為に似たスリルです。

 

ただ、トラヴィスとボスの体力差が激しいため、ボスからは10発ぐらい攻撃を受けたらゲームオーバーですが、こちらは50発ぐらい叩き込まないと倒せません・・・・

 

戦ったボスの8割以上は、3回ぐらいコンテニューをしましたね。ただ、倒した場合は、本当にパターンを見切って、自分なりの攻略法をたてて、倒せたという達成感が得られます。

 

2作目では、爽快感に振り切っているのですが、この硬派な1作目の難易度は賛否両論分かれるところですが、今遊んでも見どころがあります。

 

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ノーモアヒーローズ 描写の歴史や比較 英雄たちの楽園からレッドゾーンまで

 

ノーモアヒーローズは、Wii、PS3,そしてswitchと複数の機種で移植、リメイク、リマスターされてきました。

 

ノーモアヒーローズは、日本のゲーム史の残酷描写の歴史を表現しているといっても過言ではありません。

 

まず1作目のWiiの国内版は、海岸版と全く描写が異なります。ちなみにswitchのHDリマスターは、海外版の描写が準拠となっています。

 


Wiiの国内版は、敵を斬ったり、ボスにとどめを刺すと、真っ黒に消し炭となります。一方で、海外版では、出血量が激しく、明確に首、手足が欠損する描写が挿入されています。個性的なボスもトラヴィスに切られることに、明確な死体として描写されます。

 

当時、須田剛一氏は、ファミ通WAVEなどで、本当に描写したいのは海外版だが、規制された枠のなかで、表現する面白さもあるという旨の発言をされていました。

 

カリギュラ効果で、ニコニコ動画などでは、海外版の描写の再生数が高くなり、ボスの死に際を編集して集めた動画が人気になるほどに注目されていました。

 

 

 

後にPS3に移植され、英雄たちの楽園では、日本語吹き替えとグラフィックの強化がされました。そしてZ指定を受けて発売されたレッドゾーンでは、海外版の描写準拠となりました。

 

 

 

レーティングのCEROZ指定も指定された当初は、CMでの宣伝もできず、ゲームショップでわざわざ区分されているわりには、メーカーが自主規制することで、区分した意味がないと批判されていました。

 

現在では、ゲームはCMなどの宣伝よりは、YOUTUBEやネットメディアを活用することが主流になっているため、Z指定であっても、面白ければ、闇雲なグロテスクではなく意味があれば、クリエイターが表現したい描写が再現されるようになりました。

 

ノーモアヒーローも闇雲に人を殺すことを目的とした作品ではないのです。

 

 

 

 

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ノーモアヒーローズ総評 クリエイターの個性と世界観がゲームに反映されたおもちゃ箱

 

続編となるノーモアヒーローズ2では、須田氏がよりアクションゲームであることを意識した作りになっていますが、1作目では、アクションを強調する一方で、ストーリーの演出や、オープンワールド作り、世界観設定、ミニゲームの数々の方にキャパシティを割くことが増えた結果、やや硬派なアクションゲームになったという印象です。

 

 

ノーモアヒーローズは、2007年では珍しい国産のオープンワールドゲームです。蓋をあけてみると龍が如くのように箱庭の強い作品でしたが、空虚な街だからこそ、プレイヤー側の想像力が刺激される一面もありました。

 

 

(ゲームの系統は若干異なりますが、最新作のストライクアゲインはPS4はパッケージでDLC全部入り。switchもダウンロードにて販売中です)

 

ノーモアヒーローズは、須田剛一作品の外連味や、パロディ精神がつぎ込まれたおもちゃ箱的な位置づけで、2作目以降もその要素が強化されていきますが、1作目から須田剛一氏の個性が爆発した作品になっています。

 

PS4以降、AAAタイトルが増え、インディーズ作品を遊ばなければ、個性的な作品に巡り合いづらい世の中になっていますが、ノーモアヒーローズは、クリエイターが自分の世界観や個性をゲームを通して、発信しようという意気込みが強く感じられる作品で、2021年に遊んでも、その個性を感じ取ることができます。