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九条の大罪 第3巻 書評 微ネタバレあり 家族の距離、死者の心境、強者の道理

九条の大罪、第3巻のあらすじや登場人物をまとめつつ、すべてネタバレしない程度にお伝えします。最後には、筆者の考えもまとめています

このブログは、裁判員経験者の筆者が、金融や法廷ドラマについて語っています。九条の大罪についても、全巻レビューしていく予定です。

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九条の大罪 第3巻 家族の距離11話~

これまでのあらすじ

介護施設を経営しながら、家守という富豪に、無理やり遺書をかかせて大金を稼ごうとしていた菅原。

家守の娘に遺産の全額回収の依頼を受けた九条は、菅原と親交があり、元師匠の山城と直接対決を申し込む。

菅原の職員が、家守に行った虐待動画が流出し、ニュースになってしまう。

犯人は、壬生のスパイとして送り込まれていた久我。久我は介護施設の職員で、菅原から信頼されていましたが、今回のリークによって、真っ先に疑われ、暴行を受けてしまいます。

短絡的な菅原にお灸をすえる山城。施設ぐるみの虐待が明るいに慣れ、介護保険法による行政処分で、指定取り消しになり、介護事業は不可能になります。

壬生と関係のあった九条は(1巻参考)、久我から施設情報を得ていた壬生の情報をつかって、マスコミに流すことで、菅原と山城を追い込むことに成功します。

観念した山城は、九条の事務所に赴き、遺産の全額払い戻しで手打ちを要求。九条は条件として、山城の弁護士バッジを外すように要求します。立場はすでに九条のほうが、圧倒的に上です。

九条は、金持ちや貧乏人問わず、着手金33万一律にしており、保釈の謝礼も受け取らない主義をもっています。

菅原はクラブ内で、壬生の後輩を暴行した動画も流れてしまったため、菅原が巨大介護施設にしようと画策して購入した巨大施設を、そっくりそのまま壬生が奪い取ることになりました。

そして最後は・・・・

 

家族の距離 感想と考察

家族ってかけがえのない存在だと思いますが、介護の状況がひどくなった場合、私が父や母にこれまでと同じ感情で接することができるか、不安になる話でした。

介護の悲惨さと現場のえぐさというのものは、真鍋先生ならではの目をそむけたくなるけど、見つめなければと思わされる絵力が機能していました。

法廷ドラマとしては、用意周到に穴をふせいだ山城により、九条は途中まで、示談の道しかないと考えていました。

蛇の道は蛇ということで、菅原と結託していた山城に対抗して、九条は壬生の情報によって、マスコミに菅原の介護会社の実態をリークすることで、間接的な勝利をおさめました。

九条は心の底から、依頼者の利益のために動いていたと思われましたが、もう1つの目的として、山城に裏社会とかかわり続けることをやめてほしかったという目的があったと思います。

しかし、山城の最後はえがかれていません。山城は裏社会との関係が継続していることは間違いないでしょうし、弁護士によって豪遊したツケもいずれまわってくるかもしれません。

もしかしたら、変わり果てた山城の姿が、九条の前にあらわれるかも・・・

 

死者の心境 あらすじと登場人物 まとめ

植田という中年男性が、自宅の階段をつかって、自〇したことから物語は始まります。

植田は、金融屋から金を借りるも、抵当権をつけられて首が回らず、壬生が物件をかいとって貸していたのですが、家賃を滞納したので、立ち退かせた結果といいます。

イソ弁の烏丸は、自〇した旧友の有馬を思い出していました。

有馬は、有名法律事務所に所属しており、高級ホテルを依頼人から手配してもらったと烏丸に嘘をついていました。

東大法学部1位の成績の烏丸は、同性愛者の有馬に告白された過去をもっているが、有馬とは政治や経済についての話し合いが好きで、親交は続けていました。

有馬は、妻と離婚調停中で、孤立していた法律事務所からも退職。様々な孤独を抱えていましたが、烏丸に打ち明けることなく、この世を去りました。

壬生は植田の家の取り壊し前に、再度烏丸を連れてきました。烏丸が「ここの住人はどんな人でした?」と問いかけると・・・・

ここで、植田の自〇について、別の側面と事実が判明します。その真実とは・・・

 

死者の心境 感想・振り返り

ウシジマくん同様に、九条の大罪も10話以上の長話のあとは、小話を挿入するスタイルのようです。

ウシジマくんのころは、軽い債権の回収だったり、カウカウファイナンスの社員の休日にスポットをあてていましたが、九条の大罪は、小話といっても、メインに引けを取らない暗くて、ディープな話でした。

九条の大罪って、私から見ると「アンチ法廷ドラマ」って印象がするんです。

どういうことかというと、世にあふれている法廷ドラマというのは法廷をきっかけに、人を助けたり、人生を好転させたりするってものが多いです。

一方で、九条の大罪は1巻の九条のセリフが示すように、法律は人の権利は守るけど、人の命までは守れないわけです。

人の命を守るためにはどうするか?これはもう自助努力しかないんです。その努力を放棄すれば、法律によって自由や無罪を勝ち取ろうという努力にまで発展しません。

このメッセージは、ウシジマくんにも通じるものがあります。

死者の心境では、なぜ烏丸の同級生と植田が死を選んだのか?死を選ばざるを得なかったのかと考えると、ヒューマンドラマとして、「九条の大罪」がより深い物語として、味わえます。

 

九条の大罪 強者の道理 あらすじと登場人物 まとめ

伏見組若頭、京極清志。彼は、壬生の上にあたるヤクザです。若頭は組長(トップ)に次ぐ、ナンバー2のようなポジション。

京極は壬生のもとに訪れようとしたところ、佐久間というひったくり犯にカバンを盗まれそうになります。

京極のボディガードが佐久間を取り押さえますが、佐久間がその際にけがを負ったとして、被害届を提出。

共謀犯として、京極は取り押さえられることになります。現役のヤクザとして逮捕したがっていた、警察としては渡りに船だったことでしょう。

京極は電話を貸せと担当弁護士になった九条に指示しますが、弁護士法に抵触するので、断ります。

次に伝言をたのむと「伝言役ならほかの弁護士に頼んでください。金と力があっても法律の前で、あなたは弱者だ」と。九条は断固として拒否します。

佐久間は壬生の配下だったようで、すぐに被害届を取り下げ、京極は即釈放されます。

しかし、京極はなじみの町で、わざわざヤクザの自分を襲ってくる人間がいることを不信に思います・・・疑うべきは、佐久間の親分である壬生・・・

そして、京極と壬生の出会いが描かれます。

 

九条の大罪 強者の道理 感想と考察

これは、結構なネタバレになりますが、犬好きの人にとってはたまらなくつらい話ですね・・・・

この話はとくに難解な内容はなく、壬生の上司の京極が、九条に出会うというのが、分岐点になります。

黒幕といえる壬生は、九条と京極を引き合わせることが目的だったと考えられます。

佐久間のひったくりの取り押さえも、カメラによって正当防衛は明白です。

壬生の狙いとしては、暴力による復讐ではなく、ヤクザとしての社会的な制裁として、法律で京極に復讐するのではないか?と考えられます。

九条に前もって、京極がどんな人物であるか接見させる必要性があったこと。ただし、京極が九条をひどく気に入っているので、逆に九条が京極の弁護士になるかもしれません。

半グレの壬生とはわけが違い、ヤクザの京極の弁護士として、正式に依頼をうけると、九条も言動に関して、綱渡りな状況を強いられることになります。

つなぎの話ではあるものの、のちの展開についてスリリングな期待を寄せてしまいます。

 

 

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