サイバーコネクトツーが開発したPS3,PS4専用ゲームの、ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブンがセールで、4000円で購入できたので、レビューしていきます。すでに6年前の作品ですが、現在もソフトは8000円ほどで取引されているプレミアゲーになっています。大きな理由は需要と供給のバランスです。
キャラゲーとして悪くなく、クソゲーの烙印を押された前作のASB(オールスターバトル)より改善点も多いのに、なぜ不人気だったのか?あらためてゲームを販売する難しさを考えさせる一作だったので、ゲーム温故知新の話題としては、ぜひとも取り上げるべき作品です。
このブログでは、最近発売されたキャラゲーなども積極的にレビューしております。YOUTUBEやブログでゲームレビューを行っているので、よろしければ閲覧してください。
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ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブンが全く売れず、中古で高い値段になった理由
ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブンは、2021年現在でも中古市場で高値で取引されているゲームソフトになります。
理由はいくつかありますが、最たる要因は、前作のジョジョオールスターバトル(以下ジョジョASB)でユーザーの信頼が落ちたからです。
2013年に発売されたジョジョASBは1部から最新の8部ジョジョリオンまでの主要キャラが集まり、2D格闘ゲームで遊べるという話題性で、PVが公開されるたびに「神ゲー間違いなし」と多くのジョジョファン並びに、ゲームファンに期待されました。
ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル(ASB)がゲーム業界、ジョジョファンに与えた影響と問題点
蓋をあけてみると
- もっさりとした操作性と、バグがいくつかあり、キャラランクも激しい残念なバランス
- ストーリーモードが紙芝居で短時間で飽きる
- キャラのコスチュームなどを取得するために、課金制のスタミナゲームが搭載(しかも発売前まで告知されていなかった)
- DLCでキャラクターを増やしていった
などがあげられます。簡潔に言えば、フルプライスソフトにもかかわらず、満足度は低かったのです。そのため、ASB発売後は中古市場が暴落し、発売間もないのに2~3000円で投げ売りされる状況を私も目にしました。
後にアップデートでゲームバランスを調整し、キャラクターのDLCも現在の格闘ゲームでは当たり前の光景です。(発売後に新しくキャラを製作するのではなく、あらかじめ存在するキャラをアンロック形式で課金させる方法は、批判の対象となりますが)
圧倒的なまでにボリューム不足だったからといわざるを得ません。2013年時点で、キャラクターゲームとして、ストーリーが貧弱だったのが、痛かったのです。
しかも、ジョジョASBは初週売り上げで42万本近い売り上げをたたき出したのです。ネガティブ情報は、他の作品と比較にならないレベルで、拡散されました。現在も炎上ゲーとして、後世に語り継がれています。
ただ、身内で遊ぶ分には、面白い作品でした。グラフィックや、豪華声優陣を起用した、夢の共演という点では、バンダイナムコ×サイバーコネクトツーの処女作としては、素晴らしいクオリティだったと思います。
ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン ASBの影響以外の売れなかった理由について
話は変わって、ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブンです。
売上は、ASBに比べてどこまで落ちたか・・・アイズオブヘブンは、PS3とPS4のいわゆる縦マルチで2015年に発売されたのですが、2つあわせて3万ほどの売上です。
続編といえる作品が前作の10分の1というのは、前代未聞かもしれません。
ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブンは、前作の反省を生かして、PVをさらに丁寧にし、体験版も2度にわたって配信されました。
実際は疑心暗鬼になっているユーザーの心を砕くことはできませんでした。
売上が10分の1まで落ち込んだ理由として
- PS3とPS4の縦マルチだったこと
- 前作から発売スパンが短かったこと
- ゲームシステムが一目でわかりにくかったこと
- 前作の不評があまりにも尾を引いたこと
縦マルチの宿命として、発売されてグラフィックやロード時間の比較などで検討できるまで、買わないという層は一定数います。
PS5からは、一部のPS4ソフトを無料でアップグレードするような作品もでましたが、まだPS4の時代は、縦マルチでPS3を遊んだ後に、PS4の同作品を遊びたければ、ソフトをまた購入する必要があるのです。
その心理的ハードルで、アイズオブヘブンの初動は見送られた可能性が高いです。
ユーザーからすれば、ASBからアイズオブヘブンまでのリリース期間があまりにも短すぎた
次に、一見して、ジョジョASBからアイズオブヘブンまで2年間の開きがあるように見えるのですが、ジョジョASBは発売後もDLCコンテンツが提供されつづけました。そのため、発売のスパンはユーザーからすれば、1年ぐらいにしか感じられません。
そして、ジョジョASBのDLCも含めたキャラがほぼ一斉に使えるのが、アイズオブヘブンの売りですが、ジョジョASBでDLCを購入した人は、お得感よりも、損した感情の方が強まります。
(キャラが多いから、ファンに喜ばれ、売り上げが伸びるというほど、単純ではないからゲームというのは難しいな感じさせられます)
最後にジョジョASBは2D格闘ゲームの形式だったので、PVや画面をみれば、何が起こっているかわかりやすい内容でした。
一方で、アイズオブヘブンは、広いフィールドを2on2バトルで戦うシステムです。ガンダムVSシリーズに似ているのですが、初見の人がみれば、何が起こっているのかわかりにくいバトル画面で、とっつきにくいのです。
(目まぐるしく視点が変わることや、荒木先生特有の濃い絵柄が再現されているため、状況がわかりにくいというデメリットもあります)
実際に遊んでみれば、ジョジョASBのようなコマンド入力は要求されず、ワンボタンで派手な必殺技やスキルが繰り出せるのですが、画面を見た瞬間の印象は、ASBよりもわかりづらいのです。
ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブン ストーリーモード 評価・感想
ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブンは、荒木飛呂彦先生の監修によるオリジナルストーリーが楽しめます。
各部の枠を超えて、世代を超えて、復活したDIOをジョジョの主役たちが戦っていくというストーリーです。
各部で死亡してしまった仲間たち、敵たちと再び出会う、ファンとしては感動的なIFストーリーも味わえます。
私は、ジョジョを1部から7部のスティールボールランまで、読破しましたが、非常に楽しめましたね。各部のキャラクターの印象を崩さない程度に楽しむことができました。ただ、物語の性質上、空条承太郎にウェイトが寄りすぎていると思いましたが。
ストーリーは12章まであり、寄り道をしなければ8時間ぐらいでクリアできます。
8割以上は、バトルするだけなのですが、ハーヴェストを追いかけたり、ダービーとイカサマポーカーバトルしたり、大量のゾンビと戦ったりというストーリーモード独自の遊びもあります。
さらに、バトルをクリアして、集めたポイントでキャラクターのレベルをあげて、ポイントを消費して、能力をあげることもできます。
ただ、フリーバトルでもともと使える技が、ストーリーモードでは最初からロックされている場合があります。これは、初めて触るキャラの最小限の技だけで戦って、ゲームのシステムを覚えてほしいという狙いですが、終盤は各キャラのアビリティを解放するのが、面倒になります。
そのため、結局は決まったキャラでしか、遊ばなくなります。実際ストーリーモードでは、いろんなシュチュエーションでバトルできるのですが、原作で主人公と味方だったキャラしか使えません。
せっかくのお祭りゲーム特有のキャラクターの多さが全く生かし切れていません。
ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブン 欠点 なぜトレーニングモードがないのか? フリーバトルだけでは遊べない
私にとって最もがっかりしたのが、ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブンでは、トレーニングモードがないという点です。CPUととにかく連戦するモードさえもありません。
ストーリーモード以外に、遊べるモードといえばオンラインでの対戦と、フリーバトルです。フリーバトルは、オプションで時間変更ぐらいしかできません。(オフライン対戦できないキャラゲーというのは、かなり致命的かと)
購入してから気づいたのですが、オフラインの2人対戦すらできません。ガンダムVSシリーズなら分割画面になるのですが、アイズオブヘブンではそのノウハウが活かされていません。
(癖のある性能ばかりのキャラが集まっていたり、前述のようにカメラや演出が目まぐるしく切り替わるので、フリーバトルを何回も繰り返さないとキャラの特性を掴むことがです)
(ジョジョのBOXつき文庫本はクオリティが高くて、おすすめですね)
そのため、新しいキャラを使う場合は、動いているCPUをかいくぐりながら、技を繰り出して、把握する必要があります。幸いなことに公式からキャラPVで特性を教えてくれるのですが、なぜトレーニングモードを搭載できなかったのか、謎で仕方ないです。
そもそものつくりもSEが爽快な音になっていないため、敵に攻撃が当たったかどうかが判別しづらいです。
ナルティメットヒーローにはない魅力もたくさんあるのに、もったいない点がかなり浮き彫りになっているなと感じました。
サイバーコネクトツーは、ジョジョの奇妙な冒険アイズオブヘブンを開発してから、カカロットというドラゴンボールのオープンワールドゲームを作ったり、社会現象になっている、鬼滅の刃を発売しようとしています。
それでも私はサイバーコネクトツーにジョジョの奇妙な冒険の新作をつくってほしいと思うわけ
ゲームバランスや一部の演出に難があったとしても、キャラゲーの命である作品ごとのグラフィックの質や、原作再現度の高さ、そして声優起用のこだわりなど、今までのキャラゲーを知っていると、まだまだサイバーコネクトツーは、質の高いキャラゲーを量産している会社といえます。
システムを大幅に変えて、複数のキャラを出して、体験版を複数リリースするなど、かなり努力されましたが、アイズオブヘブンの売り上げは、ふるいませんでした。
私の憶測ですが、アイズオブヘブンの開発は非常に厳しいものがあったと想像されます。
ストーリーモードの監修に多忙な荒木飛呂彦先生に依頼することや、膨大なセリフ量を声優に依頼すること。
さらにサイバーコネクトツーは、ナルティメットストームなど、他の開発ソフトと並行していたはずなので、アイズオブヘブンに割ける人員は限られていたのではないでしょうか?
トレーニングモードや2P対戦はもしかしたら、アップデートで後付けできた可能性はありますが、ASBの批判から、後にアップデートするという選択も取りづらかったと思われます。販売された本数を考えても、労力に見合いませんから。
【TGS2015】『ジョジョEoH』開発者インタビュー!荒木先生監修のストーリーを搭載し、課金要素はなし。バトルは策士が勝利する
(インタビューからも、かなり開発状況は多忙なものだできます)
これを受けて、バンダイナムコとサイバーコネクトツーから、ジョジョの新作ゲームが再び登場する可能性は、きわめて低いでしょう。
ただ、ジョジョファンとしては、次のジョジョゲーが出るとすれば、またサイバーコネクトツーさんに開発してほしいですね。PS5の発売されるジョジョの新作という世界線がめちゃくちゃ見たいです・・・
カカロット お前がナンバーワンだといえるか評価・感想 ロードが長いバトルが単調 |面白い? クソゲー? キャラゲーの未来 サイバーコネクトツー
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