ゴーストオブツシマ ストーリーレビュー ネタバレあり エンディングの意味と境井仁の行動 オープンワールドのストーリー最高傑作のひとつ

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今回は、Ghost of Tsushima(ゴーストオブツシマ)クリア後、エンディングを見て、サブシナリオもサブキャラのサブシナリオをほぼ、クリアしたうえでのレビューになります。
ゲームプレイについては、やや凡作なイメージですが、ストーリーは非常に素晴らしく感じたので、なぜ、ゴースト・オブ・ツシマのストーリーの評価が高いかをまとめました。
ちなみに、本作のネタバレを含みますので、ご注意願います。

ゲームシステムなどは、第一印象レビューで、取り上げているので、そちらをご覧ください。


私は、ブログでゲームのストーリーについてのレビューをいくつか取り上げています。よろしければ、閲覧していただけるとありがたいです。また、ブログよりも短時間でまとめられたYOUTUBEでのゲームレビュー動画をあげています。

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ゴーストオブツシマ メインストーリー評価 オープンワールドのメインストーリーはシンプルで没入感の高いものであるべき

ゴーストオブツシマのメインシナリオは、対馬に侵攻した蒙古(モンゴル軍)を対馬から守るというシンプルなストーリーです。

このストーリーは一貫しており、主人公の境井仁と対峙するコトゥン・ハーンは目的のために手段を選ばず、残忍で、狡猾です。

 

ストーリームービーでも蒙古の残忍な行為を目の当たりにするのですが、道中美しい四季の風景に不釣り合いな、対馬の民たちの死体が残酷な姿で、横たわっています。

昨今のオープンワールドは、資料を多く用意したり、ストーリーを意図的に複雑にしようとしています。

私はこの流れに疑問を持っています。


そもそもオープンワールドは、プレイヤーのペースで自由にゲームを進行できるのが、一番のメリットですが、メインのストーリーが複雑すぎると、寄り道した後にメインを進めようという気にならなくなります。

 

 

特にゴーストオブツシマのように、メインストーリーの進行によりアイテムや、攻撃手段が増えるメインストーリー重視のオープンワールドであるならば、メインストーリーは明快で感情移入のしやすいつくりにすべきで、本作はその点をしっかりと踏襲しています。

 

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侍をテーマにした作品でありながら、秩序と無秩序の合間で苦悩する境井仁たち

(最近の作品の中では、Z指定の描写をいかんなく発揮しているといえます)

主人公の境井は、伯父である志村によって、侍の道を重んじる誉を大切にするように育てられました。

しかしながら、正々堂々と侍として戦おうとしても、闇討ちや人質など卑劣な手を使う蒙古には成すすべがなく、仁も蒙古と同じように闇討ちや、毒を使った侍に外れた行為で対抗します。


プレイヤーは、蒙古の行為を目の当たりにし、手段を選ばず蒙古を屠っていく仁の姿をみて、操作することで

  • 「仁の行為は問題がない」
  • 「この状況で侍や誉れにこだわる志村の考えはおかしい」

と考えるように誘導されています。

日本人であっても、義や法律、そして思考がそもそも違う時代なので、仁の現代的な生き方に共感を覚えるかもしれません。

しかし、このゲームの素晴らしい点は、仁が行った行為をすべて称賛するわけではないのです。

 

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手段を選ばない境井仁に対して、疑問を投げかける毒殺

仁は物語中盤で、トリカブトを使った毒で、敵の一団を壊滅させます。

志村が犠牲を回避できない、敵陣への正面突破を押し切ろうとしたことが発端です。

一団を壊滅させたものの、コトゥン・ハーンが逃げ、逆に蒙古が毒を使って、領民たちを殺めるようになり、本土へ毒を持ち込むという作戦を立てます。

 

 

その場の判断では、志村の全軍突撃は、多くの民の命を犠牲にしていたかもしれませんし、蒙古に返り討ちにあって、全滅していた可能性も高かったでしょう。

一方で、仁の行動によって、蒙古は毒殺を覚えてしまったのです。

境井仁と志村は、毒殺をきっかけに袂を分かつことになります。

 

 

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オープンワールド×侍によって生まれる境井仁の行動の必然性

境井仁は、目の前の領民を分け隔てなく助けようとします。侍にしては珍しく、下人の要求も同じ目線に立って助けようとします。

しかし、現実の私たちが操作する境井仁は、自分が遊びたいと思うミッションをプレイし、面倒であれば、困っている領民の助けを無視して、他の土地にファストトラベルすることだってできます。

 

 

境井仁は物語中盤で、父親の甲冑を身にまとい、コトゥン・ハーンと戦おうとしますが、父親の甲冑のイベント後に、他の装備に簡単に切り替えることもできますし、個人的にほかの装備の方が強いと感じて、ほとんど境井家の甲冑を身にまとうことはありませんでした。

 

 

オープンワールドという自由度に対して、規律の厳しい侍が動き回るには、境井仁が冥人(くろうど)になる必然性があったと考えると、ストーリーとゲームプレイの親和性は非常に練られていると感心しました。

 

 

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境井仁はなぜ、侍としての誉れを捨てたのか?  父の死によるトラウマの影響

境井仁は、父親を戦で殺されています。仇は志村によって討たれています。

父が死に際に放ったのは、侍として正面から相手と戦うのではなく、地を這って「助けてくれ」と息子に懇願する姿でした。

この出来事は、境井仁にとって大きなトラウマであると同時に、志村がどれだけ侍の誉れを叩き込んでも、最後までぬぐえなかった深層部分でもあります。

ゴーストオブツシマは、残虐性の高い作品ですが、根底のテーマには、命の尊さや命を守るという点にあります。

命の扱いに関して、境井は協力する仲間ともたびたび対峙します。

僧兵の典雄に対しては、歴史ある寺を守るよりもこれからを作る僧を助けるべきだと強く主張します。

 

 

女盗賊ゆなと弟のたかの人さらいに関しては、徹底的に残虐に仕打ちを行います

家族を失い敵討ちに我を失う安達政子に対しては、仇との関係者であっても対話することの重要性を説きます

 

武士である父であっても命を惜しみ、助かろうとする姿を見て、境井仁は侍としての誉れや規律よりも、命を優先すべきだと考えたのでしょう。

 

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ネタバレ 境井仁が最後に取るべき行動はどちらだったのか?

ストーリーの最後に、本土の命令によって境井仁の命を狙う志村と戦います。

志村に勝利したのち

「誉れある最期を遂げたい」と志村に依頼されたうえで、志村を生かすか殺すか、プレイヤーが選択することになります。

  • 生かした場合、境井は「誉れをなくしても、わが父だけは斬れません」とその場をあとにします。
  • 志村を殺す場合「その名を語り継ぎましょう、猛き武者、聡き長、我が父・・・」と涙ながらに、小太刀で、志村の腹を突きます。

 

仁が幕府に追われるという結末が変わらないので、まさに生き様を選ぶラストになっている

ネットでも、評価が分かれていたのですが、秀逸なコメントをとりあげると

志村の命を生かした場合、誉れより命を選んだ、冥人としての仁として終わり、志村を殺した場合、命よりも誉れを優先する生き方を選んだ(志村を尊重した)

つまり、どっちもありといえばありです。

私は迷うことなく、命を優先する仁の生きざまを見てきたので、生かす選択肢にしました。

 

 

ただ、生かした場合でも、仁と志村が再会したら、命をかけて戦うことになるでしょうし、コトゥン・ハーンを討った仁に対しても、無慈悲に討伐命令を出す本土なので、失敗した志村の今後を考えると、なにしかしらの刑罰を受けるような気がします。

逆に殺した場合、生かした場合と違って、面をつけることなく素顔で正面から志村を刺すのですが、だからといって今更、侍として生きることは難しいはずです。

 

 

最終的に境井は罪人として日陰で生きていかねばならないのですが、志村という唯一無二の相手にどんな形であれ、認められたという救いが、どちらのエンディングにもあるのではと感じました。

普通なら、侍として正面から戦うか、冥人として、手段を選ばないか、それをプレイヤーに選ばせたうえで、最後の結末が変わるという流れでもよかったはずです。

 

Sucker Punchのインファマスシリーズは、悪の道か善の道か選べますからね。

それを選ばせなかったうえで、最後にあえて選択をさせたというのは、現実や運命を変えることは難しいけど、生き様を決めることはできる、というメッセージ性だと思いました。

 

以上が、ゴーストオブツシマのネタバレを含みましたが、ストーリーレビューになります。非常に素晴らしいストーリーだったと感じています。シンプルながらも奥が深く、設定を複雑にするのではなく、キャラクターの心情心理に寄り添った作品で、どのキャラにも感情移入できるポイントや、逆に否定したくなるポイントがあって、深みのある作品でした。

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