九条の大罪 1巻 ネタバレあり書評 片足の値段・弱者の一分 法律は人の権利は守れるが、命は守れない

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闇金ウシジマくんの作者、真鍋昌平先生による最新作「九条の大罪」を4巻まで読んだので、1巻ずつレビューしたいと思います。
どのような話なのか、社会的なメッセージがあるのかを含めて、書きます。

 

このブログは、30代の金融、株、貯金、節約についてまとめています。過去に金融に関する漫画「ナニワ金融道」をまとめているので、よろしければ、お読みください。
また、裁判員としての感想などを語った記事もあります。

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九条の大罪 第1審 片足の値段

 

(youtubeのウシジマくん公式から、九条の大罪1話が、ボイスコミックとして無料でみることができます。おもしろいと感じた方は、漫画も購入しましょう)

物語は、運転中、酒を飲んで、スマホゲーに熱中する若者が、親子連れを引いてしまったシーンからスタートします。

加害者森田は、知り合いの自動車整備会社社長の壬生憲剛の紹介により、九条間人(くじょうたいざ)を紹介されます。

九条は、居候弁護士(略してイソベン)の烏丸真司(からすましんじ)とともに、森田から事情を聴きます。

相手が亡くなっていた場合、状況次第で求刑10年の危険運転致死か、執行猶予がつく過失運転致死になります。

重罪を逃れたい森田は、相手の生存を願っていますが、九条がばっさりと

「被害者は死んでいたほうがいい」と断言します。

被害者の供述がなければ、客観的証拠で立証できずに、裁判に勝てるからです。

九条は、森田に自供後の取り調べに関して、どのように振る舞うか、逐一アドバイスします。

  • 証拠の宝であるスマホを九条に預けることで、落としたと供述すること
  • 酒を抜くためにサウナなどを活用すること(時間は遅れても弁護士と一緒に出頭すれば自主は成立するらしい)
  • 被疑者拘留期間は20日間。この20日間にどのようにふるまうのかが、九条の大罪の一つのテーマになっています。
  • 余計なことは何もしゃべらないこと

交通事故の結果は、父子だったようで、父がなくなり、息子が片足を切断。

治療をうける息子の前で、発狂する母に対して、留置所で、爆睡する森田の対比が印象的でした。

 

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片足の値段 結末と感想

判決について、優秀な九条がついた森田と、保険会社にいいくるめられ、弁護士をつけなかった被害者がどうなったか・・・想像に難くないでしょう。

世間では、弁護士費用を考えて、いかに裁判を安く済ませるかと考える人はいるかもしれませんが、慰謝料請求などを考えた場合、成功報酬を引いたとしても、弁護士を雇わなければならない局面はあるでしょう。

 

九条は、「思想信条がないのが弁護士」「道徳上許しがたいことでも、依頼者を擁護するのが、弁護士の使命」をモットーに弁護士をやっている。

 

弁護士としては、依頼人がだれであってもベストを尽くすことは正しいですが、世間から見れば、九条は悪人を助け、片棒を担いだ悪徳弁護士です。

 

しかしながら、九条は仕事を選ばないだけで、本心は被害者側の弁護をやりたかったのでは?と思しき表情も見せます。

 

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九条の離婚に対する考え

九条はテントで生活しており、敏腕弁護士でありながら、質素な生活をしているようにみえるのですが

その真実は、元妻と離婚し、全財産を元妻に渡し、子供の養育費も払っているからということ。

2年ほど、裁判で争い互いの心身を削りあうよりも、お金をまるごと相手に渡して、やり直したほうが合理的だという九条の考え

実際まわりでもそのような話を聞いたことがあります。結婚という契約は、社会的に救われる場合もありますが、大きな枷にもなるということ。

 

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九条の大罪 第2審 弱者の一分

曽我部聡太は、悪友の金本卓に脅され、金本の身代わりになって、強盗致死の罪を受け、現在も薬の運び屋として動かされています。

刑務所にはいってからも、曽我部は激しいいじめを受け続けて、軽度の知的障害を患っています。

金本はさらに凶悪な犯罪に手を広げ、また曽我部を身代わりにしようと、画策しています。

しかし、烏丸が金本と離れるようにいっても、曽我部は金本から離れようとしません。金本がいることによって、他の不良たちに絡まれなくなるからです。

ウシジマくん同様、真鍋先生らしい、住宅街を背景に、登場人物がそれまでの人生を語って、絶望や希望をにおわせるモノローグ(独り言)が展開されます。

烏丸は、曽我部をなんとか助けられないかと、NPO法人のソーシャルワーク(出所後の仕事のサポートなど)をやっている薬師前に相談します。

薬の売買によって、曽我部と金本がつかまります。罪をかぶろうとする曽我部と、黙秘を続ける金本。

曽我部を助けて、金本を訴えるべきだという薬師寺と、曽我部は懲役を食らったほうがいいという、なぜか金本を擁護するような言動をみせる九条。結末はいかに

 

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弱者の一分の結末と感想

この弱者の一分は、私が九条の大罪で最も好きなセリフ

「法律は人の権利を守る。だが、命までは守れない」が登場します。

 

九条は、半グレや暴力団などの付き合いはありますが、法律の名のもとに弁護はするけど、手伝いをするわけではないというスタンスは徹底しているわけです。

そして、その言葉を印象付けるように、法律で守られたとしても、外に出てしまえば、私たちは自分の身は自分で守らなければならないのです。

 

4巻も同様のテーマが語られるのですが、被害者や悪人に利用されている人間に対して、どうしても軽んじてみてしまう傾向、自分のほうが立場が上であると錯覚することがあります。

 

曽我部も気の毒で、かわいそうな人間であり、守られたほうがいいという読者の先入観をうまく利用しています。

そこは九条が「曽我部は道理がわかっている」という評価が伏線になっています。

 

また、1話の読者が九条に抱いている印象を利用して、九条が起こす行動は、道徳的に問題があるに違いないと疑わせているリードの仕方も、見事でした。

 

いかにも半ぐれで危険な壬生となぜ九条が付き合い続けているのか?このあたりはいろいろ伏線がありそうです。

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九条の大罪 1巻のまとめ 闇金ウシジマくんとの比較と違い

九条の大罪は、ウシジマくんとどのように違うのか。まず九条は弁護士で事務所を構えており、一見すれば道徳や、法律にのっとって仕事をしています。

うしじまのように、違法な金利で貸しているから、悪知恵の働く若者に利用されたり、警察に追われるという駆け引きはありません。

ウシジマの「〇〇くんシリーズ」のように、ウシジマはあくまで金を貸すという役割だけで、借金している登場人物が主役であるという描き方ではなく、九条の大罪はあらかじめ、九条の生活や家族について情報は公開されています。

確かに、裏社会に利用される人間が登場しますが、あくまで、九条が目立つような描かれ方をしています。

社会の底辺、暴力や違法ななかで生きていく人間が、どのような思考なのか、どのような考えで生きているのか?

 

九条の大罪はウシジマくんに比べると、白よりのグレーといった塩梅で描いています。

また、九条の大罪は、闇社会で使えそうな(そんな機会ないことを願いますが)、法律の知識が得られる漫画と思われていますが、正確ではありません。

根っこにあるのは、うしじまくん譲りの重厚な人間ドラマです。

 

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