プラチナゲームズから、デビルメイクライ、ベヨネッタの生みの親の神谷英樹氏が去った。そして、NINJAGAIDENの生みの親の板垣伴信氏が58歳の若さで、この世を去った。
神谷氏はフィールドを変えて、またゲームを製作されるかもしれないが、アクションゲームに多大な影響を与えた2人のゲームクリエイターの環境が変化し
アクションゲームを愛してきた私たちは今後どうなるか不安になった…
しかしそれは完全な杞憂だった。
チームニンジャとプラチナゲームズがタッグを組み、主にプラチナゲームズ主導で製作されたNINAJAGAIDEN4(以下ニンジャガ4)はとんでもない作品だった。
ちなみに筆者は
NINAJAGAIDENΣ(PS3)、NINAJAGAIDENドラゴンソード(DS)、NINAJAGAIDENΣ2(PS3)、NINAJAGAIDEN2BLACK(PS5)、NINJAGAIDEN3RE(PS3)
と基本的にリュウ・ハヤブサ主人公のNINAJAGAIDENは1週以上は遊んでいる。余談だが、忍者龍剣伝も途中セーブを駆使したが、クリアしている。
今回はお布施の気持ちも込めて、ダウンロード版のデラックスパックを買った。
脱SEKIROとプラチナゲームズの総決算 NINJAGAIDEN4、攻撃によるカウンターの確立
ここ近年のアクションゲームは、ソウルライクとSEKIROをリスクペクトした作品であふれかえっているように思えた。
特にSEKIROが世に出した弾きと体幹ゲージの削りあいの攻防は、アクションゲームの教科書に載るぐらい偉大なシステムだった。
ニンジャガ4は、SEKIROのようなシステムも内包しつつ、プラチナゲームズがここ10年で世に送り出したアクションゲームの総決算、集大成といっていい作品になっている。
ベヨネッタ(1~3)、ワンダフル101、ニーアオートマタ、メタルギアライジング、アストラルチェイン
どれもそれぞれが、個性的な作品であり、個性的なシステムを持ち合わせていたが、ノウハウをすべて集めて、極限まで煮詰めたのがニンジャガ4だ。
具体的にどこが脱ソウルライクなのか
従来のソウルライクなどはタイミングよくパリィボタン、ガードボタン、回避などをするつまり相手の出方を分析して、受け身な内容になっている。
SEKIROの場合は、攻撃して相手のガードを固めつつ、相手から攻撃された場合にジャンプ、弾き、突き回避などを行う。
一方で、ニンジャガは敵の通常攻撃は回避、または弾きなどを使えるが、敵にやられる前にいかに欠損させて滅却させるという完全な攻めゲー。
さらに大型の敵とボスの場合は、こっちが攻撃しながら、敵の強攻撃の出始めに鵺の型というより強い攻撃を当てるとひるませることができる。
つまりうまい人は、SEKIRO以上に攻撃を継続させて楽しいと感じられる。
あまりうまくなかったとしてもとりあえず攻撃は繰り出しているので、相手から大ダメージを受けるが、こちらもゴリ押すことはできる。
いままでのソウルライクな作品は、基本的に受け身、敵の攻撃を見極めたことを賞賛されてきたが
ニンジャガ4は、とにかくしっかり攻めることを賞賛され、逆にネガティブな立ち回りはゲージも大きくは増えないから、弱い戦法ではないし、受け身でも十分戦えるけど、ポジティブな方がより賞賛されるという仕組み。
アクションゲームの本質は待ち続けて、タイミングよくボタンを押すことかもしれない。
しかし、ガシガシとボタンを押して、キャラクターがかっこよく画面上でアクションを起こしてなぎ倒していく。これがアクションゲームの今も昔も面白さの本質ではないだろうか?
あなたが、デビルメイクライ、ゴッドオブウォーなどの激しいアクションゲームが好きであるならば、迷わず買いだ。
以下、ここからはゲームシステムの解説と、ストーリーなどのネタバレも含む。
NINJAGAIDEN4の欠点ついて最初に振り返る
素晴らしいゲームだが、欠点のないゲームはないので、まず欠点だけさらっとあげていく。
あと、基本的に初心者モードも実装はされているが、アクションゲームに慣れているゲーマー向きの作品になる。
ロード時間が長い
PS5でプレイしても、ロード時間はPS4レベルに長い。容量が少ないからかもしれないが、10GB増えてもいいので、アップデートで対応してほしい。繰り返して遊ぶ作品なのでストレスは減るに越したことはない。
1週のクリア時間は短く、使いまわしたステージ、ボスが一部あり
1週のクリア時間は、人によって変わるが筆者はアクションゲームに慣れているので、8時間ぐらいでクリアした。
最初のボスは大いにてこずったが、後は回復アイテムを総動員すればノーマルも問題なくクリアできた。
途中で、主人公のヤクモから従来の主人公のリュウ・ハヤブサに切り替わる。プレイスタイルは変わるものの、同じステージやボスを使いまわして遊ぶことになるので、ミッションは19ぐらいあるが実質15ぐらいあると考えたほうがいい。
クリア後はステージを自由に選んでやりこんでいけるし、1回あたりのプレイ時間が短いのは利点かもしれないが、とりあえず1周するまでがゲームと考える人にとってはマイナスポイントだと思う。
プラチナゲームズならではの評価システム
プラチナゲームズ関連のレビューでよく指摘されているが、評価システムがニンジャガ4にもがっつりついている。
回復アイテムなどを複数しようとすると基本的にあまりいいランクは取れない。
筆者も評価がCだと「下手だ」とゲームから言われているようで、あまり好きなシステムではない。
NINJAGAIDEN4がなぜアクションゲーム最高傑作なのか
アクションゲームとしてなぜ素晴らしいかをまとめる。

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(ストーリーはまぁそこまで複雑ではないものの、ありえない見た目のキャラが、ありえない展開に巻き込まれる…)
まず、ニンジャガ4は最高傑作といわれたニンジャガ2の精神を受け継ぎ、滅却ゲーとして進化している。
複雑だが、ニンジャガ4の基本的なアクションシステムについて解説する
絶技
NINJAGAIDENの伝統のシステム。いわゆる溜め攻撃。溜め攻撃中は移動と攻撃中は無敵で、連撃を敵に浴びせる。大ダメージとともに後述する「欠損」につながりやすい。
ジャンプを着地するときに溜めると即座に溜めモーションに入る。
ガードボタンを押し続けると、エッセンスは普通に取得できないので、溜め絶技に使用するためのエッセンスをあえてとらないという選択肢がある。
周囲のエッセンス(敵を倒して出る赤い球)を吸収することで、即座に溜めることができる。溜めは2段階あり、当然2段階目の方がダメージが大きい。
欠損→滅却
攻撃を与えていくと敵の四肢が切断される。これが欠損。欠損した相手に近づいて強攻撃を押すと滅却が発動して、トドメを刺す。
本作は基本的に欠損から滅却を目指す。残酷だが個々の武器モーションがあまりにもかっこいい。
どんな敵も滅却すれば倒せる。
滅却を狙うため、欠損させるために範囲攻撃を連発するとか、1体の敵に集中することも大切。
さらに滅却は「乱殺状態」に入るためのゲージをためることもできる。
2では、敵との位置関係がずれると強攻撃が暴発して、ピンチになるという駆け引きがあった。4は大雑把な間合いでも滅却が発動しやすくなったり、コンボの途中で強攻撃を押したら自動的に滅却が入る。とにかく快感なつくりになった。
鵺(ぬえ)の型・閃華
ヤクモは鵺の型、リュウは閃華という攻撃方法がある。
対応したボタンを押しながら対応したゲージ(乱殺ゲージとは別)を使ってより強い攻撃を放つ。

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(攻撃範囲が極端に広がったり、ダメージが上がったり、基本的に性能は上がるのだが、攻撃方法にやや癖があるのが特徴)
ゲージを消費するので、鵺の型の弱攻撃でも通常の強攻撃より強かったりする。
武器によって、ボタン押しっぱなしや、タイミングよく押したボタンを離すことにより、より強力なコンボルートへつながったり、後述する血殺が発動する。
重要な要素として、ガードを固めているまたは光って強い攻撃を出そうとしている敵にあてることで、「崩撃」が発動する。いわゆるカウンターやパリィ状態。敵は崩れ落ちて、隙ができる。
ボス戦は基本通常攻撃で攻撃を継続しながら、ボスが強い攻撃をはなってきたら、鵺の型に変えて、ダウンさせて攻撃を継続させる。
ボスのパターンを熟知できれば、SEKIROのように苦戦したボスも簡単に倒せるようになってしまう。
乱殺状態 乱血殺
いわゆるデビルトリガーなどの強化モード。しかし強化されるのは攻撃力であり、攻撃を受けると普通にのけぞるし、ダメージも受ける。

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(敵を一撃で倒すというかなり極端なシステムに見えるが、敵の攻撃力も高く、簡単にゲージはためられないので、これはこれで抑圧と解放というアクションのツボがおさえられている)
乱殺状態中に鵺の型で特殊な攻撃を行うと血殺が発動し、敵を一撃で倒す。
さらに発動して、発動ボタンをもう1回押すと、乱血殺を発動し、武器によって範囲攻撃を発動して、敵を一撃で倒す。
効率よく敵を倒さないとあまりゲージが増えないこと(時間によって減少)するので、いかに雑魚敵を上記のシステムで華麗に倒しながら、手ごわい中型、大型の敵に血殺を叩き込めるかによって、本作の難易度は大きく変わる。
私がゲームレビューで、ゲームのシステムについてウィキペディアのように詳しく解説することは稀で、それだけニンジャガ4のシステムはそれぞれが、存在理由があり、嚙み合っていたからだといえる。
今までの作品は
初代ニンジャガ
丁寧に複数戦でも1対1をつくっていって、イズナ落とししてからの着地絶技が重要
ニンジャガ2
絶技がかなり強くなったが、欠損→滅却という新システムを意識するため、手数の多さ、攻撃範囲の広い武器が重要に
ニンジャガ3RE
断骨という独自システムがとにかく重要に。従来のシステムもあるが、断骨が連鎖すると4~5人の敵を一気に葬れるので便利すぎるシステムに。しかしディフェンシブな戦いになる。
そして、ニンジャガ4は鵺の型という新システムを誇張したいところだが、あえてそれをせず、既存のニンジャガシステムと融和させる形をとった。
ボス戦以外で鵺の型を使わなくても問題なく進める
しかしながら、鵺の型の特性を知るとものすごい快適にゲームを進めることができる。
鵺の型はコンボに組み込むことで、コンボダメージを上げるし、武器の中には押しっぱなしでタイミングよく話すことでさらに大ダメージ、欠損のチャンスとなる
そして、鵺の型を繰り出すためのゲージは、かなり早くたまる。つまり製作者側から「失敗を恐れず雑に使ってみても強いよ」と暗に示されている。
武器もそうだが、ニンジャガ4はチュートリアルが丁寧なのだが、「こうしたらゲームが楽しめる、強く使えるかも」とプレイヤーがあたかも自分で気づいたかのようにサポートする導線が引かれている。
NINJAGAIDEN4 道中の面白さ 単調なようで単調ではない
ニンジャガはどのシリーズも道中の敵との戦闘が面白い。

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(雨がやまない近未来が舞台になっている)
他のアクションゲームに比べて、謎解き要素はかなりそぎ落とされている。
そして、今回のニンジャガ4は自分でサブクエストのルートなどを発見する必要はあるが、メインのクエストはミッション性で、次にどこへ行くべきかは示唆されている。謎解きは1ミリもなかった。
「ではずっと戦闘ばかりなのか?」
というわけではなく、レールに乗ったり、サーフィンしたり、飛んだりするダイナミックな移動アクションがもうけられている。

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人によってはこの移動の割合が多すぎて、蛇足という意見もある。
確かに移動の量はあるが、戦闘→移動→戦闘となることで、戦闘ばかりのマンネリは薄まっている。
また移動も、壁走りなどのレスポンスは非常にいいし、シリーズ独特のリュウハヤブサの挙動の癖なども今回はない。
それでも戦闘が多い作品だから、マンネリしそうなのはわかる。
しかし戦闘が非常に面白いからマンネリもあまりなかった。
敵の種類が特別多い作品ではないが、どの敵にも複数パターンの攻撃を持ち、飽きさせない。それは過去のニンジャガでも同じ。
一番の素晴らしさは基本4種類の武器の役割の明確さだ。
ゲームを進めると4種類の武器が手に入るが、どれも明確な強さと弱さを持っている。
名前が複雑なので、単にどんな武器があるかザックリ解説する(→の先は鵺の型での変形フォーム)
双剣→大剣
主人公ヤクモの基本的な武器。出がはやく、シリーズ伝統のイズナ落としも使える。どちらかというと1対1で効率よく敵を倒すために使える。
鵺の型になると単発効果力になり、技によっては多くの敵を巻き込みながら、一気に欠損に持っていくことができる。
これだけ使っていれば強いというほどの強さではないが、やはり基本武器なので使っていて、シンプルで使うほどに味わいが増し、楽しくなる。
槍→ドリル
単体特化の武器。この武器の強みは初段がかなり踏み込んでリーチがあるので、敵との距離感がつかみづらい時は強い
鵺の型はドリルとなって、より単体特化した形になるが振り回すこともできるので、複数戦でも戦える。血殺は長押しするだけで発動するので、序盤は便利になる。
弱い武器ではないが、他の武器に比べると強みが少ない。
棍→ハンマー
ヤクモの基本武器の中で唯一、対集団戦に特化した棍をまず振り回す。
多段攻撃になるので、雑魚的相手なら欠損を誘発しやすい。
中型以上のボスになると、一定ダメージを与えないとなかなか欠損しない。
鵺の型のハンマーは、範囲もカバーできて威力も高いが、威力を出す場合は攻撃を出すまでにボタンを長押しして、「キュイン」とひかったら話したら、追加攻撃で大ダメージを与える。これが決まったときの気持ちよさが異常。
ボタンを離すタイミングは集中したらできなくもないが、敵に囲まれると失敗しやすい。何度もチャレンジして、無意識でもできるように心がけたい。
暗器 遠距離攻撃 近接攻撃
複数の忍具を用いて、敵を投げつけまわったり、近接攻撃もできる。
両方を兼ねているから強そうに思えるが、この武器の本質は強力な遠距離攻撃が安定して出せることであり、近距離は範囲、攻撃力ともに中途半端な印象を受ける。
鵺の型は、遠距離、近距離攻撃をそれぞれパワーアップさせるものになっている。こちらもハンマーと同様に攻撃ボタンを押し続けて、タイミングよく話してダメージを上げる。
ゲーム中盤に手に入る武器になるが、ボスとのカウンターなどの駆け引きが苦手であれば、この武器をつかって遠くから攻撃しまくることもありとなる。
しかし遠距離攻撃を続けることで単調になるわけでなく、ニンジャガ4は雑魚的でさえ、一気に距離を詰めて攻撃することもあるし、カメラから外れている敵も容赦なく攻撃するので、遠距離でチクチク攻撃するよりも、一気に間合いを詰めて殲滅したほうが効率が良いことに気づく。
以上のように4つの武器すべてに個性があり、どの武器を1つだけつかってもクリアできるように作られているし、逆にコンボ中に武器を変更して、自分なりのコンボルートを開拓する楽しさを見出せる…まだ私はその境地に至っていないが。
NINJAGAIDEN4 ボス戦はシリーズで最高に面白い

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(あと1~3に比べて、プラチナゲームズのデザイナーなどが加わった影響なのか、ボスのデザインは格段によくなっている)
最後にボス戦だが、このボス戦はダントツでシリーズで1番面白い。
ボスは基本的に体力バー2本分の2形態用意されており、体力バーを1本削りきると、最終形態となって攻撃パターンが変わったり、より強力な攻撃をする。
ハイリスクウルトラリターンという宣伝の通り、ボスの攻撃パターンを読みながら、攻撃を続けて強攻撃してきたら、鵺の型でカウンターを狙って攻め継続するのが楽しい。面白すぎる。
過去のニンジャガのボスは基本的にヒットアンドウェイだったり、せこせこと逃げながら絶技を狙うというものだったが、ニンジャガ4は、タイマン特有の駆け引きが楽しめる。
特に終盤は人型のAIがしっかりしたボスが相手になるため、ひりついた展開とスピーディーな展開がずっと継続されて、本当に面白かった。
一方でリュウ・ハヤブサでボスと戦う場合は、オールドアクションな展開になる。ヤクモのように気力ゲージをカウンターにあてることもあるが、忍術のダメージがかなり高いので、忍術で体力を3割ぐらいごっそりと削るという戦い方も可能。
以上が、ニンジャガ4のレビューになる。
間違いなくプラチナゲームズの中で最高傑作であり集大成。NINAJAGAIDENシリーズの中でも最高傑作といって過言ではない。
プレイヤーにとっての選択肢の幅広さがどれも楽しさに直結しており、どのシステムも理解することで強くなっていく。
当然、シリーズ経験者であれば、シリーズで活かした技術も活用できるし、未経験者でさえも1つの行動ばかりしても戦えるように設計されている。
コーエーテクモの平山正和氏、プラチナゲームズ側でディレクター、プロデューサーを両方兼任された中尾裕治氏は「NINAJAGAIDEN5」が開発されるなら、絶対にコアメンバーとしてかかわってほしい。
そして、中尾氏には完全新作をプラチナゲームズで作ってほしい、私が今後最も注目するディレクターの1人になったことは間違いない。

