AI: ソムニウム ファイル クリア後ネタバレ控えのレビュー 令和の傑作ミステリーアドベンチャー 逆転裁判、ダンガンロンパのあの面白さが現代に…

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アクションゲームもRPGも最近あまり没入できないなと思い昔はまっていたアドベンチャーゲームで近年の名作を遊ぶことに

名前は「AI: ソムニウム ファイル」

サウンドノベルシリーズやダンガンロンパを世に生み出したスパイクチュンソフトが手掛ける新しいアドベンチャーゲームIP

(寝食を忘れて没頭するほどの作品)

ライターは、EVER17や極限脱出といった名作アドベンチャー、ミステリーを手掛けた打越鋼太郎氏。キャラクターイラストは、ファイアーエムブレム覚醒のコザキユースケ氏という、豪華なラインナップ

 

Z指定というゴア表現の強さにより、万人向けの作品とは決して言えないが、非常に素晴らしい作品だった

 

今回は、ストーリーのネタバレは控えるが、このようなゲーム性、このような見せ方をするということで、ネタバレに触れる可能性があるので、気になる方は不定期にセールなどもされるようなので、購入してほしい。

 

あと別に、ネタバレ全開で犯人について考察する記事も書く予定

 

 

 

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AI: ソムニウム ファイル アドベンチャーゲームとしての面白さ

ソムニウムファイルのストーリーは、物語冒頭のある廃墟となった遊園地のメリーゴーランドの上でしばりつけになった女性の死体からスタートする。

女性の死体は明らかに異様な状況となっており、左眼球がくりぬかれた状態となっていた。

 

この片目がない死体、神話で登場するサイクロプスになぞらえて、サイクロ事件を、主人公の伊達鍵(だてかなめ)と彼の片目に埋め込まれたアイボールことアイボゥと捜査を進めていく。

ゲームの進行は、アドベンチャーパートとソムニウムスキャンパートに分かれる。

アドベンチャーパートでは、一般的なポイント&クリックとキャラクターの会話で進行していく。

 

キャラクターの会話は複数存在する場合、十字キーの左、上、右にそれぞれ話題が振り当てられる。

オプションで、文字は一字ずつ表示だけでなく、未読であってもいきなりすべて画面上に表示してくれるなど、時短につながる。

ソムニウムスキャンパートは本作のアイデンティティである

 

対象者の夢に潜入(シンク)して、滞在時間6分(360秒)の間に対象者のメンタルロックを解いていき、潜在意識に潜入して事件の謎を集めていく。

メンタルロックを解くためには、対象者が過去に行った行動を推理して再現したり、ソムニウム世界特有の関連性を見つけ出す(遊園地のメリーゴーランドが異常に回転しており、それをとめるために連動しているパンダの乗り物を止める)

 

ソムニウム世界の特定のオブジェに干渉していくのだが、それを調べるのか、実際に行動を起こすかどうかで、消費する時間が変わる。起こしたアクションによって、メンタルロックが開放されることもあれば、次のアクションの時間消費を防ぐアイテムが手に入ったりする。

 

ソムニウムパートは、3Dアドベンチャーの謎解きのような感覚ではあるが、実際にキャラを動かしたり、フル3Dの夢特有の動きを楽しんだりすることができる。

 

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AI: ソムニウム ファイル ソムニウムパートの問題点について

ソムニウム世界での探索が、本作の他のADVとの違いともいえるが、やってみると総当たりの謎解きゲームになってしまう。

 

(ヒントはわずかながらでるが、結局はでたとこ勝負になってしまいがち)

序盤はその斬新さにひかれていったが、法則性がアクションを選択しないとほぼわからないし、初見で突破するのは困難であり、中盤以降はリトライが当たり前となってしまった。

リトライした後は会話を早回しにすることができるが、それでもプレイヤーの機転や推理で突破できるような要素が乏しく、マンネリに感じられた。

 

後半は攻略サイトをみながらクリアしていったのだが、正直ラストのソムニウムパートは自力でクリアするのが、困難だと思えるレベルだと思う。攻略サイトをみても、結構ぎりぎりなぐらいなので。

(個人的に名作といえるソムニウムパートもある)

評価点としては、ただ謎解きするだけでなく、どの順番で調べていくかによって、アクションの時間消費を抑えられたりすることができ、パズルゲーム的な快感がある。

 

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AI: ソムニウム ファイル 微ネタバレ 分岐が無駄にならないストーリー構成

いくつか不満点はあるものの、ソムニウムファイルのストーリーは非常に素晴らしく、終盤はぶっ通しで5時間ぐらい遊んでしまったのではないだろうか。

ソムニウムファイルは、ソムニウムパートでとった行動によって、ストーリーが分岐していき、分岐するということは当然トゥルーエンド、バッドエンドに分かれている。

しかし、バッドエンドの中には単に謎が解けなかっただけで、あるキャラクターは幸せな結末を迎えるし、犯人を追い詰めたエンディングであっても最悪の結末を迎えることもある。

 

AIと愛がタイトルにかけあわさっているように、恋愛や家族愛といったそれぞれの愛がテーマになっている。特に家族の形というのが本作のメインテーマになっているので、それを考えながらプレイするとかなり味わい深いものに感じられるだろう。

 

無駄なエンディングはほぼなく、犯人は結局何をしたかったのか?消息不明だったキャラクターはどうなったのか?などがわかる

 

また軽いネタバレになるが、あるシナリオで一定のところまで進むとロックがかかり、他のエンディングを見ないと進めない構造になっている。

(筆者の人生の中で最高傑作のADV。ストーリーが考えさせられるという以前にもう話が面白い。ゲームと読み物の連動性が素晴らしい)

 

428のKEEPOUTのような設定だ。ほかのシナリオを進めないとみることができないということで、「先に進めたい」という欲求が刺激される。

 

 

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AI: ソムニウム ファイル ミステリーとしての評価

ミステリーとしてみたソムニウムファイルの総評。

 

個人的に1話完結で事件→解決→事件という「逆転裁判」や「ダンガンロンパ」のほうが好きで、ソムニウムファイルは一連の連続猟奇殺人の犯人を追っていくというもので、EVEバーストエラーに近いものになっている。

 

つまりすべての真相が明らかになるのは、後半に集約されていくというものになっている。

後半になると「あぁ真犯人はそんなところにいたのか」「あの描写はああだったのか」ということが、ほぼ紐解かれていき、これが驚きと快感両方味わえるつくりになっている。

 

なぜ犯人が猟奇事件を起こすことになったのかという点は、ソムニウムファイル特有のあるアイテムが関連している。

ミステリーにおいて、現実にそくした、現実でも起こりそうなトリックでないと認めないという人にとって本作は厳しいが

作品の中で整合性がとれているものであればなんでもOK、フィクションとしてまとまっていればいいと考える人にとってはこれ以上になく評価できるものになっている。

 

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AI: ソムニウム ファイル 批判点 ご都合主義と主人公の性格、過剰なパロディについて

ソムニウムファイルはプレイした人から絶賛されているが、主人公サイドがどれだけ銃弾をあびてもあたらないとか

非現実的なほど驚異的な戦闘力を持っている子供がいるとか

ああ・・・これはフィクションだなと幻滅させられる要素がいくつかある。

 

あと、シリアスな場面であっても、主人公が性的な話題、描写にのっかることに懐疑的な人もいた。

ネタバレしないように語るが、主人公と真犯人は実はコインの裏表であり、その2人の決定的な違いが、「何に興奮、喜びを覚えるのか?」

 

確かに主人公も法的に問題があるんだが、そこが主人公と真犯人の人間性の違いというところだろうか。

だから、誇張しているとはいえ、描写としては必要かなと思われる。

 

あと、パロディ描写がかなり多いという点だが、これがなかったらゴア描写も含め、かなりきつい作品になるので、中和されているというか…

あと、打越氏がどのような作品が好きなのかがわかる。スパイクチュンソフトだから、「街」へのリスペクトがすごく感じられたり

 

あと、敵をかく乱するために使用した行為が「なんかメタルギアソリッドぽいな」と思ったら、その次の描写で小島をクリックすると「あそこに小島監督が隠れているかもしれない」とニヤリとする場面も…

(MGS3のリメイクがはやく遊びたい…)

はい、ここまでみて、ちょっと遊んでみたいなと思った人は、PS4でもswitchでも出ているので、いまが遊ぶチャンスです。

ADVって会社都合、描写や声優さんの問題などで、リメイク、移植されないこともあるんで。

EVER17遊びたいですけど、PS2だけですからね…

気になったときに遊ぶのがADVですし、、多くのアドベンチャーは現代の技術や言語などをベースに話しますから、出たときが旬。ソムニウムファイルも1作目は2019年ですから5年前なんですよね・・・