ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶ あらすじと犯人
アメリカへの赴任を命じられる前の内海薫の話。シーズン1とシーズン2の間におきた話。
内海は、道端ですれ違った車いすにのった老婆に違和感を感じ、その老婆の手がぐったりと倒れる姿を確認して、職務質問する。
老婆は老衰で死亡したとされ、車いすをひいていた介護士・上念(ユースケ・サンタマリア)は長野県で老婆の娘の殺しの疑いで、指名手配されており、東京に逃げていた。
上念は金属バットで娘を殴って殺したと、すらすらと自供する。
上念には恐喝の前科があった。
上念の身柄を長野県の御坂署に引き渡すが、その道中上念は「これは冤罪だ」とコンビニで叫んだり、長野県の取り調べで、自白を強要されたことを伝える。
上念の供述と現場の状況が全く違うことで、内海は御坂署からも警視庁からも白い目で見られることになる
警視庁のメンツのために、御坂に残った内海は、当摩(とうま)という若手の刑事とタッグを組む
上念は介護士の前にゲーム会社の作家として活躍、迷宮の鎖というサスペンスミステリーを手掛けていた。
上念は内海を呼び出し、また供述をひっくり返す。非番だったが、担当した老婆の体調が心配になり自宅に行くと、すでに娘が死んでおり、警察を呼ぼうとしたら後ろから殴打されたらしい。
岩見家には謎があり、亡くなった娘の父は、記者をやっていたが、謎の自殺。娘の今回、上念に殺されたとされている。
御坂署には、女性の署長に対する脅迫ととれるメールがマスコミに送り付けられてきた、当摩がIPアドレスを調べて、犯人が10人以上いることを突き止めていた。
これは上念がつとめている介護センターで同時に行っているPC修理を依頼した人々であり、修理の際に上念が怪文書を同時に送っていたのだ。
被害者・岩見千夏子の父は、猿渡事件という9年前の事件が誤認逮捕ではないかと疑っていた。
猿渡被告は無実を訴えたまま、獄中死している。担当刑事は、御坂警察署長の高崎
高崎への罪を告発するようなメールがあったことを内海に伝えていた甲本という記者も謎の自殺を遂げる。
真犯人は高崎とその部下であり、誤認逮捕を告発するような動きを見せたものを不審死に追い込んでいた。なかなか凶悪な事件である。
ドラマでは、警視総監がすべて明るみにしたが、現実なら闇に葬られていそうだ。
すべて解決したかに見えたが、内海には疑問があった
なぜ、上念はあえて嘘をついて逮捕されたのか?それは上念が好きだったゲーム作家の道へカムバックするための策だったのだ。
そもそも誤認逮捕に関しては、恐喝で逮捕した警察組織そのものへの復讐も考えていたが、マスコミは警察から報道するなという圧力を受けて消えてしまう。
自分が悲劇の主人公になるために、けなげな介護士を演じて、担当していた老人を東京に連れ出し、その老人が死ぬまでホテルに宿泊。東京で捕まれば、東京の証言と長野の証言を思い切り変えることができる。
上念は犯行のすべてを知っていた、介護先に認知症で出歩かないために監視カメラを設置していたからだ。タイムカプセルのように数年後に介護施設にディスクを送ることによって、自分の無実を完全に晴らすことができる。
これは上念のいうように、正しかったとしても内海の想像の範疇を超えない。そこで内海は、上念の本性を暴くように彼のゲームをけなした。上念は怒りに身を任せ、内海を襲い逮捕される。
ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶ 感想
内海薫というドラマのオリジナルキャラでかつ完全なオリジナルドラマということで、ユンゲルどうようにコテコテの刑事ドラマといったところ。
出演しているキャストは、もしかしたら劇場版よりも豪華かもしれない。
重要人物にユースケ・サンタマリアというのは、明らかに「踊る大捜査線」からのキャスティングなんだろうなと感じる。
内海が主役ということで、警察組織における女性の立ち位置とか、警察組織のメンツといったこれまた踊る大捜査線っぽいアプローチをしている。
途中までは、確かに自分のキャリアのために人を殺めたりする人はいるかもしれないが、やや人を殺しすぎだなと非現実的に感じられたのだが、上念がトリックをしかけた理由が、あまりにも突出したプライドや自尊心だったというのは、なんとも歴代ガリレオの犯人らしいアプローチで個人的に好き。
もし今の時代なら、恐喝の前科があったとしても、個人でゲームシナリオは作れるだろうし、同人でまた復帰できそうな気はする。
この愚弄ぶというタイトルは、2人の死者を間接的に生み出しながらも、自分のゲーム業界復帰のために利用する上念をさしたもの。
スペシャルゲストで、弓削(品川祐)や湯川も登場する。弓削は内海を励ますために、一回も逮捕したことはないみたいなことを伝えていたが、ユンゲルの時の活躍は何だったのか…