主演いとうあさこ・・・この単語だけでも強烈。でも女優やったらうまそうな芸人さんですからね。
今回は映画レビュー、「鈴木さん」という映画。
タイトルというよりこの七三分けで化粧した「カミサマ」といわれる男性の肖像画が非常に印象深い映画。
このタイトルの「鈴木さん」というのは、重要な登場人物の1人につけられているのですが、それだけでなく、歪な世界に見えるけど、タイトルを名字の多い鈴木にすることによって、現実の日本でも起こりうることですよという警鐘を鳴らしているんでしょうね。
ただ、扱っている題材がかなり政治的で、おそらく監督や制作人はリベラル的な考えをもっているので、もうゴリゴリの保守で、戦前の日本はすべてにおいて正しかったという人は、見ないほうがいいと思います。
ちなみに筆者は、学生時代はどちらかというとリベラルで、いまは中道。
というのも自民にしても民主にしてもスパイ防止法のない日本ですから、中国かアメリカどっちかに傾倒しており、さらにいえばいまの石破総理は、拝米、拝中というたまげた政権なので、ちょっとね…
ちなみに公開から3年たっており、アマゾンのプライムビデオでも見られるので、最初からネタバレ全開です。
逆にアマプラ見て「この映画何だったんだ?」という疑問に対して、あくまで私個人の感想ですがお伝えすることができるので、視聴後にみることを推奨です。
「鈴木さん」のネタバレ考察 本作のメッセージ性 強烈なルールによって狂暴化する集団心理
鈴木さんの世界観は、カミサマという現人神がいたけど20年前に失踪。
主人公のよしこが住む町では
- 45歳以上の未婚者は市民権をはく奪
- 市民権はく奪を逃れるためには軍に入隊する必要がある
- 市民は全員手首に個人番号で管理されている。番号が入っていない人間は工作員や他国からの不法入国者の可能性がある
これが、この映画を説明するうえでの重要なルールになります。
上映時間が90分なので「どの国と具体的に戦っているんだ?」「カミサマが健在だった時はどんな感じだったんだ?」っていうような前提条件はあまり説明されず
いきなり、よしこの視点でディストピアな世界が描かれるってような流れになります。
ちなみに、この独身の市民権がはく奪というのは、国民の投票によって公平に決められたといいます。
しかし、劇中では「わたしそんな投票しらないわよ」と声を荒げる市民もいました。
これは、おそらく日本が間接選挙であるということの皮肉なのでしょう。
アメリカの大統領選挙のようなシステムを日本は持っていません。だからこそ共和党をもぶっ壊すようなドナルド・トランプのような大統領は日本だとかなり生まれにくいです。
保守として、日本を自立させるといいながら、結局米国に追従しちゃった
とか
消費税は増税しませんとかいいながら、結局財務省のプライマリーバランスにひっぱられて増税しちゃった
とか
今回の参議院も自民・公明は過半数割れしたけど、依然として石破総理であり、関税交渉でとんでもない米国への投資が判明して、「自民党にいれたやつが払えよ」みたいな発言が動画のコメントで散見されます。
ルールを決めた側も最初は、ガチガチの保守で「出産などで人口貢献しない奴は軍にいれよう」みたいなことで決めたんでしょうね。
でもそれが結果的に、家庭を持たない人間に対する激しい差別、蔑称につながりました。
あと、徴兵も捻じ曲げられて、おそらく冒頭でいとうあさこ扮するよしこと同年代で、軍にいった女性が死んだのは、戦争ではなく訓練中に亡くなった可能性もあるのに
「工作員がやったに違いない、怪しい奴はひっとらえろ」という町の歪な警備強化につながっていると
ポマードつけた七三分けの若者も丁寧語使ってせまれば、動画とって晒上げてもいいみたいな世界観になってしまっていると
そして、よしこの同僚だった若い女性がいるのですが。
その女性の彼氏が、七三分け若者軍団に所属しているのしっていて、嫌悪感もっているけど、やってた鈴木さんに不信感抱いて、通報して、彼氏にも相談した結果、七三分け軍団がグループホームに押し寄せてカオスになると。
つまり、ルールが強すぎて、国民1人1人の判断力が相当弱まっているわけです。
そして、最後はよしこを助けに行くためカミサマとしてよみがえった鈴木さんでしたが、誰も信じてもらえず、ショットガンを足に撃たれましたと。
強制力のルールの変更1つで、人は獣にも仏にも過激に変化するっていう危険性を描いた作品だなと感じました。
「鈴木さん」の個人的な疑問 内閣府とカミサマの関係性
「鈴木さん」にはカミサマを管理?追っている内閣府という存在がある。
眼鏡をかけてスキンヘッドの上司と、若手の部下。
スキンヘッドの上司はおそらくカミサマが蒸発する前からカミサマのことを知っている。
この国のルール、例えば若者が七三にしてポマードつかうことも疑問だったが、部下は全肯定しているし、若者が動画を介してホームレスをリンチしていることを「教育上よい」とさえいっている。
あからさまに、この若手の部下は「鈴木さん」における過激が極まった最悪な人物として描写している。
クライマックスで、鈴木さんがカミサマに戻ったあと、上司は鈴木さんの住んでいた場所で、よしことの婚姻届けを目にして、カミサマはもう解放してやろう、彼も人間だと部下に言う。
しかし部下はかたくなに「カミサマはカミサマです」といい、いきなり次の場面で、上司は部下に〇されてしまった。
おそらくですが、鈴木さんは教養はあるが、逃亡するだけの体力やずる賢さがあるわけではなかったので、内閣府の中にも鈴木さんの逃亡を助けてやろうという幇助する勢力があったんだろうなと思います。
ただ、カミサマが消えてから長期経過して、見たこともないカミサマを異常に崇拝する若者が生まれてしまって、危険因子になってしまったと。
あとクライマックスにカミサマはカミサマと認識されず撃たれてしまったのですが、本来誰が見てもカミサマとわかるための印や番号ぐらいはうっておけよと突っ込みましたが
おそらく、それもルールを決めた側は「番号がないのはカミサマだ」というものすごい性善説を元に組んだんだなと。
20年前はあの化粧の仕方、手の上げかた、「私はこの国のカミサマです」という宣誓方法がカミサマをカミサマとして証明する方法だったけど、誰も理解できずに偽物だと疑われて撃たれたと。
「鈴木さん」のラストについて 住民たちは「消えた」のか「消された」のか
鈴木さんのラストは、工作員の疑いをかけられていた鈴木さんを守ったことで、捕まったよしこが、鈴木さんのカミサマとしての権力?によって解放。
他の鑑賞者の感想などで、ドローンを用いて、住民に麻酔をかけて鈴木さんの記憶を飛ばしたらしいです。
そのため記憶が残っているのはよしこだけだと。
明確に記憶がないと思われるのは、グループホームのすみこで、すみこはよしこの母親だと思い込んで入所しているため、彼女の「誰それ?」という鈴木さんへの反応も忘却されたものか不明。
ぱっと住民がいなくなっており、カミサマ信望者の内閣府の若者がカミサマを回収して、またカミサマとして働いてもらおうとおもっているのであれば、カミサマを撃った、襲撃しようとした住民たちを「記憶だけなくしてそのままにする」ってことを選択するでしょうか?
カミサマの性格からして「全滅させろ」とは言わないとは思いますが、逆に「ショットガンを撃った男性を助けてほしい」といっても聞き入れられるほどの権力があるとも思えないです。
内閣府の上司も冗談か本気かわかりませんが、カミサマが崩御されたから、この村は焼き払うというのは、内閣府の方針だったのか…
だとしたらカミサマへの反逆も焼き払いの条件に合致しますよね。

