ウォーキングデッドといえば、ゾンビが蔓延する世界を舞台とした海外ドラマで、海外ドラマがある程度飽和した時代に、新しい海外ドラマファンを獲得したことで有名な作品です。残念ながら僕は1話もみていないのでディープなことは、語れませんけど。
そんなウォーキングデッドはアドベンチャーゲームとして家庭用ゲーム機では発売されていたのですが、なんとゲームセンターのガンシューティングとしてちゃんと専用の筐体が設置されています。正式になんていうかわかりませんけど、立ってプレイでするのではなく仕切りがあって座って遊ぶタイプです。ちゃんと2プレイできます。
本作の開発はアメリカのロウスリルズという会社によって手掛けられています。アメリカはFPSの本場ですがガンシューティングやガンコンなどは日本に比べると合理化を優先するお国柄なのか後進的な状態らしいです。
早速プレイしてみました。ちなみにタイムクライシス、HODなどを触った経験はあります。
まずウォーキングデッドは拳銃じゃなくて台座に固定されたクロスボウガンを動かして遊びます。結構な重量感と後述の躍動感のあるリロードアクションの影響でまぁまぁ疲れます。
ボウガンは打つときに引鉄をひきます。リロードする場合は横の持ち手を手前にぐっと引きます。これが臨場感があって楽しいです。重さも軽すぎず、重すぎずでちゃんと手ごたえがあるので、ガンシューティングの肝である撃つ→リロード→撃つの行程が楽しいです。
撃った時に赤いLEDが点灯するのもいいですね。
100円を投入するとストーリーを通しでプレイするか、4つあるチャプターを個別に選択してプレイするかを選べます。最近のガンシューティングも最初からステージを選択できるようになっていますがこれがすごい便利ですよね。「このステージだけ練習したい」「面白いけど疲れるからいつも同じところでリタイアしてしまう」。これがかなりあります。
あとプレイ時間も1チャプターあたり6~10分程度で通しでプレイしていも30分程度です。コンテニュー時にクレジット投入時間が30秒もあるのは嬉しい。
ゲームの主なルールはウォーカーというゾンビを蹴散らす・・・・ただそれだけです。他のガンシューティングと明確に違う点は、「ヘッドショットでなければ倒せない」。これだけ聞くとハードルが高そうですが、標準は大きめで、ボウガンの弾数も8と多め。ウォーカーものろのろと動きます。慣れてくると標準をパパっと切り替えて、的確にヘッドショットをして、あたかも自分がガンシューティングがうまくなったように錯覚させてくれます。
ヘッドショットが成功したときに敵が緑に光るというのもわかりやすいですね。ガンシューティングって敵が密集していると誰を倒しているか不明瞭な点が多々あります。さらに多数を爆発できるガスタンクなどが真っ赤に表示されるため打ち漏らすことはありません。
他に生存者を助けるという小ミッションもあります。ウォーカーにおわれている生存者を助けるとライフが少し上昇し、逆に助けられないとライフペナルティを受けます。終盤はこれでかなりゲームオーバーにさせられます。
ただ、それは難易度が平準化されているという裏返しであり、ウォーカー以外の敵が出ません。
操作キャラが変わるというドラマティックな演出は多いのですが、ウォーカーの挙動や攻撃方法が爪でひっかくだけという敵モーションの単調さはゲーム性を淡泊にしています。
車とか飛行物といったガンシューティングの定番だった敵がでません。あくまで後半はいきなりウォーカーが目の前に飛び出たというハプニング性でプレイヤーの体力を削っていきます。あとボス戦がないというのもガンシューティングとしては致命的ですね。やたら堅いボスを倒して大爆発ドカーンがガンシューティングのカタルシスの肝なのに。
人によって好き嫌いが分かれるところですがスロー演出がとにかく多いです。個人的にくどいなと感じるところもありました。ジョン・ウーのように銃弾の軌跡までスローになるということはないですが、スロー中にウォーカーの頭に何本もボウガンの矢がささるのはなかなかに爽快。
演出が巧みでFPSの本場だけあって、一人称を活かした絵作りはなかなかのものです。ただグラフィックはPS3レベルでもう少し高画質を期待してしまいます。
ボスがない、敵はウォーカーだけ。ただプレイ時間は短く、好きなチャプターから選べて最初に遊ぶべきガンシューティングとしてはかなりお勧めできます。初心者向け、体感ゲーム機向けにチューニングした結果、失われたゲーム性はいくつかあります。
スコア要素などもありますが、気軽に体感ゲームを1000円ぐらいで遊ぶというニーズに適しており、こういう作品がゲームセンターにあると待ち時間などを有効に使えますね。最近のゲーセンゲームは本当にお金を時間を膨大に使いますから・・・・・・