京都の人間で良いお肉屋といえば、弘や、三嶋亭があがる。
三嶋亭は歴史と伝統があり、中のお座敷でお肉を食べる高級な時間を送ることもできるし、お肉を直接販売されており、家庭で味わうこともできる。
近年、正月は家族でそろっておせちではなく、お肉、すき焼きという家庭も増えた結果、年末年始は三嶋亭本店に長蛇の列ができる。
私も人生で何回か三嶋亭で買ってもらった肉をそのまますき焼きや焼き肉でいただいたことがあった。
そこで1つの疑問が「店舗で調理されたものはどんな味なんだろう」
お肉は変わらないはず、でも店舗の割り下とかどんなんだろうと思ったら、気になっていつの間にか入店していた。
本店ではなく、仲居さんが直接座敷で調理するという体験はしてみたかったが、とりあえずどんなものか見てみたかった。(気になる人は動画などで調理の様子が挙げられてる)
三嶋亭 京回廊店の店内の雰囲気について


2026年2月時点の値段はこのような感じ。これも数年すれば「あのときものすごく安かったね」って語り継がれそう。
店内に入ると、落ち着いた雰囲気なのは想像通りだが、客層は4~50代の夫婦、友人の日本人ばかり。
飲食店に入って、インバウンドが全くいないというのはタイムスリップしたようで逆に新鮮。
確かにお値段はそれなりなのだが、インバウンド心理からすれば2~3000円の日本人が普段食べるものが気になるとか、いくなら一気に2~3万の本店とか両極端な選択肢を取ると思う。
三嶋亭 すき焼き膳 お肉もすごいがそれ以上に○○も○○も○○もすごかった

せっかくなので特選すき焼き膳を頼んだ。7000円ぐらい。もっと時間をかけてくるかなと思ったら、ものの5分で到着したので驚いた。
内容は
ご飯、すき焼き膳、卵、味噌汁、漬物になっている。

肉のさしは美しく、ものすごく熱々ではなかったが、各素材が割り下にしっかりと溶け込んでいる。
すき焼きというより、高級な煮つけという印象が強い。
それはそれで、家庭で再現するのは難しいなと思った。
一口頬張ると、まずは割り下の強烈な甘み、しかしくどくなく一瞬でほろほろと甘さが消えており、その後に肉本来のどっしりとした甘さと脂を存分に堪能できる。
なるほど、割り下が肉の甘さを邪魔するのではなく、引き立てているというのはこのことだなと。
家庭でつくると、割り下が勝ちすぎるか、負けて焼肉と変わらない味になってしまうのだが、さすが店の黄金比は伊達じゃない。
これだけで食べに来た価値はあるといえる。

この日、最も驚いたのは糸こんにゃくだ。ここまで弾力がありかみごたえのある糸こんにゃくは人生で初めて。
もちろんスーパーで特価でおいている糸こんにゃくとは比べ物にならず、高級な糸こんにゃくってこんなにすごいのかとカルチャーショックを受けた。
野菜はかぶ、レンコンなどおそらく京野菜か日本全国の新鮮な野菜がしっかり使われている。こちらも割り下がしっかりしみ込んでいるが、割り下に負けない甘さを持っており満足感が強い。
正直、この割り下と野菜、卵だけで1500円ぐらいで定食として出されていたら、定期的に通っていたと思う。
そして、味噌汁。これもただの味噌かなって思ったら、魚のダシだろうか、ものすごく深みのあるダシが感じられており、このままラーメンをいれてもおいしいと思った。
最後に割り下を飲もうと思ったが、さすがに大人げないと感じ、かなり卵が残っていたので、卵を飲み込んだ。のどごしもよく、卵黄のコクが直接感じられる。
ということで、いずれ本店にも行ってみたいが、支店だけでも十分に三嶋亭の魅力が伝わった。
割り下の黄金比に唸ってしまったが、肉だけでなく野菜や味噌汁にも決して手を抜かない。
素材のうまさ、調味料の配合などは長年、グルメにうるさい京都人や観光客を満足させてきた老舗のプライドを感じさせる。

