Clair Obscur: Expedition 33、エクスペディション33をクリアしたので、ストーリー考察を行おうと思う。
ストーリー考察なので、ネタバレ全開であることと、私個人の考察だけでなく、他のネットでも考察が盛んにおこなわれているので、そこからの受け売りも存在するので、ご容赦願いたい。
また、筆者独自のややぶっ飛んだ妄想・憶測もあるので、あまり信じすぎないようにお願いしたい。
Expedition 33(エクスペディション)のネタバレとざっくりと解説
エクスペディションがどのようなストーリーなのか?
物語の中心となるのは、父母、長男、娘2人の5人家族のある画家、デサンドル一家の話。

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- 父 ルノワール
- 母 アリーン
- 長女 クレア
- 次女(末っ子)アリシア(マエル)
- 長男 ヴェルソ
ペインターという能力を備えており、クロマという魔力を使うことで、絵画の中に独自の世界を作ることができる。
世界の中には魔物やドラゴンや、人間を共存させることができるし、その人間の生き死にを決める能力も持っている。
強力な力を持つ一家ゆえに、外部との衝突もあったようで、エクスペディションの現実世界では、文章を現実にする作家派もあったそう。いわゆる「アラン・ウェイク」か。
根本的な原因は不明だが、ある日、デサンドル一家の屋敷が放火され、その際にアリシアをかばった形で、ヴェルソは命を失う。アリシアも火事によって顔の半分が焼きただれ、片目と声を失う重傷を負う。
ヴェルソの消失は一家を断絶させ、ヴェルソが幼少期に描いた絵を使って、ルミエールという架空の町をアリーンは作り出す。
アリーンは自分だけが絵の中に入って、他の4人の家族の偽物を作る。アリーンは、創造主のペイントレスとして君臨する。
画の中にとらわれていて、現実世界を生きることができない、消耗してしまうアリーンを取り戻すために、ルノワールも絵の世界に入るが、アリーンの妨害により幽閉される。その中でもルノワールもペイントレスとしての力を使って、一定の年数を生きた画の世界の人物たちを「消滅」させる。

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(1年に1度、既定の年齢に到達した住人は容赦なく消滅させられる)
これが、アクト1「ギュスターヴ」の話であり、ペイントレスが消滅の原因であり、遠征隊はペイントレスの心臓をとることで、消滅を免れると考えていたが全くの誤解だったことが判明する。
アリシアも母を助けるために画の世界に入るが、入った直後のアリーンの力に取り込まれ、記憶を失い「マエル」という名前で転生することになる。16年間、幽閉されていたことになる。
要するにこのルミエールの世界は
架空の画の世界で、ヴェルソ含め家族と永遠に生き続けたいアリーン
と
現実を生きるために、アリーンを連れ戻したいルノワール
の対立になっている。
アクト2のヴェルソで、ペイントレスと偽のルノワールを打倒するが、キュレーターとなってプレイヤーを支援していたキュレーターが本物のルノワールであることが判明。
力を取り戻したヴェルソは画の世界を壊そうとし、記憶を取り戻したマリエは、ペイントレスの力をつかって、これを阻止する。
マエルも母親の帰還を願っていたが、好きだった兄との再会と、声も容姿も取り戻した自分を捨てきれず、マリーンと同様に画の世界の存続を願うようになる。
ヴェルソは最初から偽りの家族へ懐疑的で、ルノワールとペイントレスの野望を阻止する程度の考えだったが、物語の真相を突き止め、幼少期の自分がひたすらルミエールの世界を描かせ続けられていたことを苦しみ、この描き続ける苦しみから解放するために、内側から画の世界を崩壊させようとする。
Expedition 33(エクスペディション) アリーンの精神世界と偽家族について
エクスペディションはほぼすべての時間を、アリーンの創造した世界で過ごすことになる。
唯一、アリーンやルノワールの干渉を受けないのは、もともとヴェルソが幼少期に描いていた、エスキスやモノコぐらいだ。
アリーンは探検隊も含めて、創造主であるが、彼らの感情、思考までもコントロールすることができてない。魔力が足りなかったことや、世界をつくるためには様々な感情を持った人物を置いたほうがいいという合理的な理由だったのかもしれない。
また、ヴェルソはもともと絵描きではなく音楽家になりたいという側面があり、絵描きとして従順に母に付き従うヴェルソはもはやヴェルソではなく、反抗的でどこか破滅的なヴェルソはオリジナルの性格を尊重されて作られたと考えられる。

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(偽のルノワールはマリーン寄りであるが、本物も家族想いであることは変わらない)
唯一、例外としてルノワールは自分の行動を見たうえで、家族(偽)を守る大黒柱として頼れる存在として改編している。元のルノワールがアリーンと真っ向から対立していることから改編することは想像できる。
彼女の動機から、アリーンがヴェルソに対して異常な愛情を注いでいたということはわかる。
一方で、クレアとアリシアはどうだろうか?
おそらく、唯一の息子だからという側面もあるだろうが、ペインターとしての能力も、幼少期からずば抜けたヴェルソに対して、クレアとアリシアは断片的であり、ペイントレスとして世界そのものを構築できるアリーンとヴェルソに対して
クレア、アリシア、ルノワールは世界に干渉することぐらいしかできない。そのものを変える能力はない。
そのため、息子にほれ込んでいたのは、1人息子だけでなく、「才能」も溺愛したのではないかと。そして、母と子供の共同作業で作った世界が、アリーンにとっては愛おしく感じてしまうことは無理もない話だ。
クレアは、おそらく放任で育てられた形跡があり、1人で責任感をもって取り仕切るように感じられるが、家族から深い愛情を受けていたかはやや疑問。
アリシアは、末っ子だから幼少期は愛されていたと思うが、火事で彼女の行動によってかばったヴェルソが死んだため、アリーンはアリシアを間接的に憎んでいる。
偽の家族も、ヴェルソとルノワールは現実世界以上の能力を持っているが、アリシアに至っては、火事の後の姿をそのまま登場させている。ヴェルソの罪を背負えと言わんばかりのかなり残酷な仕打ちに見える。
エンディング分岐とアリシアの人生について
本作は2種類のエンディングが存在する。
ヴェルソが自分の幼少期を壊し、画の世界を終わらせる「愛のある人生」
次に、マエルがヴェルソを倒し、画の世界の住人として生き続ける「絵を描く人生」

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(家族を取り戻そうとするマリーンの行動が逆に家族を失う行動になっているという皮肉)
私はマエル(アリシア)が不憫で仕方なかったので、後者を選んでしまったが、おそらく前者が正史なのかなと思う。アリシアが隠した絵も結局見つかっていて、家族のだれかが画の世界を終わらせるだろうし。
マエルは、画の世界の住人をほぼ生き返らせ、再びヴェルソを作って、ヴェルソの念願の演奏会を見守るのだが、自分の身体の一部が壊れてしまうというデメリットと、それが結局偽りの人生でしかないという幕切れが、非常に切ない。

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単純にフィクションや妄想におぼれてはいけないということを、ゲームを使って伝えているようなmoonみたいなメッセージにも見えるが
人は時として、フィクションや妄想におぼれていないと生きていけないという現実を見せつけるようなアプローチにも見える。
ペインターとして異形の能力を持つ デサンドル一家の謎について
デサンドル一家はペインターという異形の能力を持っている。邪な考えを持つ人間が扱えば、邪魔な人間を永遠に画の世界に閉じ込めておくことが可能になるし、精神を崩壊させることもできる。

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1900年という時代を考えると、普通の画家として大成をおさめ、屋敷を構えるぐらいに富を築いたとも考えられるが、おそらく、彼らの能力を利用しようとした時の権力者から提供されたという見方が自然だと思う。
また、ペインター同様にライターズという派閥も存在していた。なぜ2つの派閥が争っていたかというと、おそらく時の政権から認められるため、金銭的な援助や名誉のため?という見方もできる。
しかし、ライターズの情報に関しては、クレアが探っているだけで本当に存在するのか不明だ。
またライターズというのはそもそもエクスペディション33の製作陣のことを指し、デサンドル一家もフィクションの人物であるが、フィクションの壁を打ち破ろうとしている?という考えもできる。
エクスペディション33というゲームがなければ、ヴェルソは火事で死ぬこともない。まるでバタフライエフェクト
一説には、ライターズにそそのかされてアリシアが火事の原因となったといわれている。
しかし、アリシアだけでなく、クレアもヴェルソも屋敷を燃やす動機はあったんじゃないかと思う。
クレアは一般人より美貌と才能を持っているが、現実のクレアはあまり幸せそうに見えない。おそらく彼女がデサンドル家という特異な一家に生まれて、人並の幸せを捨てなければならないと早期から気づいていたからだろう。
ヴェルソも音楽家になりたい理由は、音楽が好きだったこともあるが、大衆への承認欲求という隠れた気持ちがあったのではないだろうか。
すでに魔女狩りの時代ではないが、あまりにも特殊な力を持つデサンドル一家はその能力ゆえに、人里離れた屋敷で住むしかなく、人目を避けて能力を使うしかなかったという考察もできる。

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またペインターそのものが、マリーンだけの一子相伝ではなく、ルノワールも持ち合わせていたことから、作中の世界で希少だがペインターを持ち合わせた人はいたんだろうなと推測できる。
そのあたりの話も続編があれば、作ってほしいなと思ったりする。

