スクウェア・エニックスが2022年に発売した、新本格ミステリーアドベンチャー「春ゆきてレトロチカ」をクリアした。
アドベンチャーゲームは好きだが、起動して1週間足らずでクリアしてしまったので、それなりにのめりこんでいたし、睡眠時間も犠牲にした。
ゲーム性に関して言いたいこともあるが、ミステリーに関してはよくできていたと思うし、キャストも地上波のドラマやCMで活躍されている人が多く起用されており、皆さんの演技力が素晴らしく、最後まで目が離せなかった。
真犯人のネタバレなどは極力控えるが、全体のあらすじ的な解説をするので、情報をシャットダウンされるのであれば、ブラウザバック推奨。
春ゆきてレトロチカ ゲーム性レビュー 仮説のミスリードと問題点
本作は問題編→推理編→解決編の3部構成になっている。
問題編では動画をみながら、事件が発生するまでの流れを見る。
推理編では全体の流れを振り返りながら、謎と手がかりを組み合わせて、「仮説」を生み出していく。
解決編ではあつめた仮説をつかって、真犯人を突き止め、殺人事件の全貌を暴く。
推理編で浮かび上がる仮説はすべて正しいわけではなく、ミスリードも複数存在している。
ある程度の流れはわかったとしても、犯人が完全にわかったとか、トリックの全貌もすべて分かったというものはなかった。
ミステリー初心者であっても親切に導線をひいてくれるのは良かった。
一方で、解決編で1つでもミスってしまったら、ゲームオーバーで推理編に戻されて、余計に時間を消費するので、解決編でこまかくセーブデータを作らなければならないのは不親切に感じた。
また、トリックが分かったとしても仮説をひらかないと選択肢が生まれないので、初回プレイは仮説をすべて解放するというのが、作業に感じられた。
ネタバレ注意 春ゆきてレトロチカ シナリオ考察 演出とミスリードのうまさ
ここからはネタバレ注意、真犯人の情報もうっすら出てしまう。
春ゆきてレトロチカは、すべて実写で映像で進行していくのだが、舞台のように1人の役者が複数の配役をこなすというマルチロールも採用している。
時代が変われば、配役や性格もかわるため、同じ役者だからといって同一人物ではない…というミスリード、叙述トリックのようなものが仕込まれており、なぜ違和感に気づかなかったのだろうと深く後悔させられた。
いわゆる「やられた~」というやつだ。
実は一番本筋から縁遠い事件が真犯人迫っていた事件だったりする。
動画が長すぎて、流し見した人が気づけないようなそんなトリックが用意されている。
また真犯人は「あることができない」という弱点があえて示されており、それは結構わかりやすく、リアルタイムでプレイしていても「なんかおかしくない?」と気づくものだった。
ただ、なぜ○○に弱いのか?という理由付けがシナリオにのっかっていれば、もっと没入感はあったかなと思う。
さらに、赤椿という現場に赤い椿、死者を弔うものとして、あえておいているがこの目的が最後まで分からなかった。
ちなみに、筆者は不老になりたいと1ミリも思ったことがない。
シナリオに関しては、「トキジク」というのが、1つのテーマになっており、このトキジクを食べたらノーリスクで「不老」になる。不老にはなるが、不死にはならないというのがポイントだ。
そして、このトキジクを管理しているのが、四十間という旧家になる。
ということで、シナリオは80点以上の良質な2時間ドラマをみれたという読後感だった。
ただ、ゲームとしてはプレイヤーに○○させる「ヘビーレイン」とか、○○をゆがませる「ソムニウムファイル ニルヴァーナイニシアチヴ」のほうが個人的な衝撃は大きかった。
ゲーム性とドラマ性が一体になっているという快感はあまりない。
しかし、ここまで有名なキャスト、クリエイターを集めて、作品にしたスクエニは賞賛したいし、続編があるなら、今度はフルプライスでしっかり買う。
