ペルソナ5 クリア後感想 計算されつくされたターン制RPGの歯ごたえ 懐かしきFF456時代を思い出す

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充実したゲームライフをありがとう。おかげで休日全くお金を使わずに過ごせました(ガス代、電気代は除く)

ペルソナ5はかなり巻きでクリアしたが70時間近い膨大なプレイ時間と密度の濃いRPG体験ができた。

以前は初見レビューとしてパレス(メインダンジョン)の2つ目までをクリアした。それまでは奇抜な権力者の深層心理世界を体験するという不気味な好奇心を刺激するような内容だったが、3つ目のパレスからラストにいたるまで、その禍々しさが薄れていってSFC時代に発売されたFF、ドラクエの黄金期を彷彿とさせる超王道RPGをじっくり遊んだという印象だった。

ペルソナ5 第一印象 JRPG最高峰はどう楽しませてくれたか?

ターン制、フラグによる基本一本道のシナリオ、怒涛のアニメーションムービー、俳優ではなく声優を積極起用とJRPGの古き良き要素を回収して、今風の活かしたサウンドとグラフィックで装飾した一作という解釈をしている。

一番のモチベーションは同僚がプレイして積極的に勧めていたからというところもあるが、コマンド式の戦闘に最後まで飽きることなくプレイできたからだと思う。

期待していたのはアドベンチャーパートだったが、人脈が増え、コーポレーションで戦闘に役立つスキルを持っているキャラは誰かを検索するとあとはその対象のキャラに出会いまくればいいし、後半になれば時間がたつと大量のメールが届いてそこから選ぶので意外と自由度は少ない。延々と人物ごとのサブイベントをこなしながら、戦闘に有利なアビリティを取得していく。コーポレーションの相手によってはダンジョン攻略の難易度が様変わりする人物もいるのでそれを考えるのも面白い。

ストーリーや世界観も最初は深層心理に入り込んで心のオタカラを盗んで現実世界をかえるという刺激的な内容ではあるが、後半以降は「あぁこれ見たことある」という展開のオンパレードでよく言えば王道。仲間が増えるとテキスト量が爆発的に増え、ラインでの会話も頻繁に起こるので一週目でもスキップ機能があるのが非常に有難かった。5段階評価するなら3というところか。

戦闘は女神転生4のプレスターンと異なり、反射や吸収でこちらのターンにまわることはなく、後半になると弱点属性を持たない敵が必ず1パレスに1体は仕込まれている。
ペルソナ5の戦闘は非常にスピーディーで相手の布陣とこちらのスキルによるが終盤にはいってもほぼ1ターンで勝負が決まる。そのため弱点属性を持たず1ターンで倒しきれない敵はそれだけで脅威。
さらにほかの敵と一緒に出ることで全員転倒させての交渉も難しい。
弱点を持たない敵は
・状態異常にかける
・クリティカル率の高いスキルを何度もぶつける
・スキルで能力を上げたり、相手の使うスキルを把握して耐性のあるペルソナを選択する
・素直に逃げる
ペルソナ5で一つの壁にぶつかることで初めていくつもの選択肢が浮かぶ上がるように作られている。最初は弱点をついて転倒させて一斉攻撃をすればすべて倒せるだけのワンパターンな流れだが、ここからいろいろな壁が現れる。

他に、一斉攻撃をかけても普通に耐える敵も登場する。そういう場合は会話交渉で仲間にする、金をもらう、品物をもらうことで撤退させるという手段が有効であることを理解する。3体あらわれて1体だけを交渉するのだが、撤退させてもその1体分の経験値は得られる。ここで今まで通り一斉攻撃をかけると敵にたえられて返しのターンで窮地に陥ることになる。

ボス戦は序盤こそキャラの言われたとおりに行動するイベントのような位置づけだが、終盤になると積極的に能力アップをはかったり、逆にプレイヤーの能力を全体的に下げてくる。
まぁこういう駆け引きのドラゴンクエスト5のブオーンで予習済みだ(スカラ、スクルトによる攻撃力、防御力の下げ合い)。
一番お世話になったスキルは相手の上昇をすべてリセットするスキルになるとは思わなかった。

相手の体力もさることながら終盤ではこちらが一方的に使用した状態異常を相手も使用してくる。しかもパーティー全体に及ぶ強力なスキルを。1ターン目で睡眠や混乱を叩き込まれ、状態異常を回復できるメンバーも異常にかかるとよくて半壊、悪くて主人公がやられる。
主人公がやられた時点でゲームオーバーで最後のセーブポイントまで飛ばされる古風なつくりだが、直前で簡単に復活できるようなら緊張感は皆無だし、戦闘に対してここまで関心は抱けなかったので、最近のRPGが倒された直前まで戻れて経験値とお金は失わないという時間が無駄にならないシステムが必ずしても正しいとは限らないかもしれない。

スキルが膨大に存在するが、覚えられる容量は限られているし、ペルソナ合成も攻撃的な編成ばかりにすると弱点属性が偏ってしまったり、補助スキルがなくて困る場面が生まれる。
優れたRPGというのは、知らなくても攻略できるが、知っているとより簡単に効率的に攻略できる要素や選択肢が無数にあって、プレイヤーが自分から気づいたと思わせてくれるものだと感じる。

スピーディーといえば5つ目のパレスが登場するあたりでそれまで経験値の獲得が平均500が平均800~1000へと跳ね上がり、レベルもあっという間に上がる。レベルが上がるとスキルが増え、ペルソナの合体もいろいろできるようになる。少し粘れば同じフロアの敵に圧倒的優位なポジションにつけるが、飛ばし気味に進む、経験値稼ぎ嫌いなプレイでもスキルの選択さえしっかりすればすぐに適正レベルまで稼げる仕組み。さすがにボスは素の能力が試されるので、戦闘を避け続けるのは限界があるが。

シナリオ面はゲームが進むと定型化されていき、やや飽きもあったが戦闘は進めば進むほど刺激的に、プレイヤーができること、敵が妨害することが増えて駆け引きも向上する。

ターン制バトルは優れたデザイナーが設計すると計画通りにしっかりプレイヤーを楽しませることができるという。一つの戦闘に起承転結のドラマがしっかり盛り込まれている。



(現在中古で200円で買える超大作HDRPG。これも20時間ぐらいまでプレイしたが、ターン制RPGはボス戦が面白い。一連の流れに起承転結や絶対にプレイヤーが窮地に陥るようなつくりも設計できるからだ)

殺伐とした世界なのにボスの動きは殺し合いというより時にコミカルな掛け合いがあったり、形態変化が何度も仕込まれていたり、後半は怒涛のボスラッシュが続いたり、いつものお約束なラスト展開、熱いセリフの応酬と本当にFF456時代がPS4によみがえったよという感動があふれ出た。

RPGは普段そこまでプレイしないが、ペルソナ5はまさに現代のターン制RPGの最高峰に位置する作品の一つであることは疑いようがない。

余談 PSVITAのリモートプレイ

今回、後半以降の攻略に拍車がかかったのはVITAのリモートプレイ活用が大きい。
ワンボタンですぐにプレイ中のPS4を検索して、PS4の映像がVITAにもうつされる。さすがに無線でつながっている関係上、通信状態の悪さが映像の乱れやフレームレートの低下、ラグにつながる。グラフィックはモニターをそのままVITAに映した程度で大きな劣化は見られなかった。
 
アクションゲームならラグは死活問題だが、ターン制のペルソナ5ならほぼモニターと同レベルの快適さでプレイできる。さらにR2L2などは背面タッチで代用しているが、そこまでそれらのボタンを酷使する作品でもない。
不便を感じるとすればダンジョン探索中に敵シンボルの背後をとりにくいところか。ラグでいきなりキャラがとんで背後とられてパーティー半壊は何度かある。携帯でプレイできる代償といえば致し方なしか。
逆にアドベンチャーパートや操作しないポイントが多い作品でもあるので、そういう時は携帯機でプレイして少しでも先まで進んで戦闘時は大画面で堪能というTPOでプレイするのも今風のプレイだ。

あぁ、ここまで快適にできるならペルソナ4Gも遊んでみたいな・・・・でももうすぐあの超大作の最新作が出るのでそれをプレイしなければ……