ネットフリックスで、ボクシング世紀の一線、カネロ・アルバレスVSテレンス・クロフォード(スーパーミドル級)を見ることになった。
両者ともに4階級制覇、カネロはキャリアで67戦戦い63勝。敗北したのは、メイウェザーと、ライトヘビーのディミトリー・ビボルだけ。
クロフォードは、41戦無敗という圧倒的な戦績を残している。
ともにPFP1位を経験しており、まさに2025年最大のマッチといわれている。日本で言えば井上VS中谷が近いが、両者の実績を考えるとそれ以上。
近年で言えばメイウェザーVSパッキャオに近い。ただどちらも本当の全盛期は過ぎているのがやや残念だが。
下馬評は、当初はカネロの方が有利といわれていた。
理由としては、クロフォードの方が2階級上げなければならず、スーパーミドルで身体をならしたわけではなく、いきなりカネロと戦うのはあまりにもきつい。
カネロも過去にライトヘビーにあげて、ビボルと戦っていたが階級によるリーチの差であったり、パンチ力に苦戦していた。
また年齢もクロフォードが37歳、カネロが35歳とともに円熟期になっているがカネロの方が2歳若く、ボクシングにおけるこの年齢差はかなりのアドバンテージと思われる。
しかし、フェイスオフなど最近になって、バキバキの肉体に仕上がっているクロフォードを見て、「あれ?もしかしていけるんじゃね?」と予想する人が増える。
恥ずかしながらクロフォードの試合はハイライトでしか見たことがなく、カネロはGGGの3戦目を見たことがある。
周りが言うように、カネロはあらゆるコンビネーションのパンチを持っており、ボクシングがうまい。判定勝利のために咆哮しながら、左右の強烈なフックコンビネーションを叩き込むのが得意だ。
そして圧倒的な防御力とタフさを持っている。
正規の一戦はネットフリックスで配信された。
UNEXTのサッカーや、RIZINのPPVのように個別に購入する必要はなく、ネットフリックスのスタンダードプランに入れば、一緒に見みることができる。
ただ、始まればホーム画面にデカデカと表示されるというものではなく、手動で検索してみることになったので、人によっては見逃した人ももしかしたらいるかも?
人口が少ないから仕方ないとはいえ、日本語音声、字幕ともに対応していなかった。
音声もフランスやスペインに変えることはできるのだが、英語のままだった。たぶんライブ配信だからだろうか?
テレンス・クロフォードVSカネロアルバレス 個人的なジャッジと試合展開
放映開始は10時だったが、実際にファイトが始まったのは14時ごろだった。
個人的にジャッジをつけてみた。
クロフォード カネロ
ラウンド1
10 9
かなり動きのない最初のラウンド。なんと1分半ぐらいまでカネロはまったくパンチを出さず距離を測るぐらい。クリーンヒットらしいものはなく、カネロはクロフォードの脇腹を狙いつつ、ガードから強打を浴びせようとした
クロフォードも強打をあてるが、クリーンヒットはなく、手数で若干クロフォードか?というところ。
ラウンド2
10 9
ラウンド1と変わって手数は多め。クロフォードはジャブを打つも、カネロにはあまり効いておらず距離をつめてフックでダメージを与えにかかる。
ラウンド1同様にフックがクロフォードの腹部にあたる。これがのちにどうなるのか?
クロフォードはカネロに左右のフックコンビネーションさせないように、フックをうけたらすかさず反撃することで、カネロの追撃を止める。
逆にクロフォードはラウンド1同様に顔面へのストレート、フック、ストレートなどのコンビネーションをしかしながら、ボディに散らせたりして、カネロのガードポイントを揺さぶる。
ラウンド3
9 10
カネロの強打の印象が強かったので、このラウンドはカネロか。
クロフォードは徹底してアウトボクシングで、カネロを周回する。この2ラウンドでパンチの強さはカネロにあると感じたのか、最初からこの戦法は決まっていたのか。
クロフォードはカネロの攻撃を受けるのではなく、避けることに集中するが、しびれを切らして、カネロがジャブを散らしながら突進していく。
グローブの位置を細かく動かすことで、攻撃、防御を散らしていきお互い狙いどころをぼかしていく。
高度な心理戦が見えた3ラウンドだった。
ラウンド4
10 9
リングの上で笑いながら、挑発なのか余裕なのか、印象的なクロフォード。
徹底的にビボルVSカネロを研究し、腕のリーチをいかしながら、うまいボクシングで立ち回るクロフォード。そして、序盤からラッシュをかけて、狙いどころを困惑させる。
カネロはクロフォードのラッシュの圧を想像以上に警戒しており、単発が続く。
それをあざ笑うかのように、上下思い通りにジャブを繰り出しながら、カネロの十八番のフックを使うクロフォード。おそらく思った以上に思い通りに試合をコントロール出来てクロフォードはご満悦なのだろう。
このままだとカネロはポイントで負けそう。
ラウンド5
10 9
これも判定が難しいが、手数で若干クロフォードに
クロフォードは強打した次のラウンドは、ジャブを散らすことによって距離をあけている。
カネロは直前のラウンドで、アグレッシブかつカウンターを忠実に行うクロフォードの姿が焼き付いており、ジャブを受けても打ち返したり、距離をつめることがあまりできていない。
結果的に強引な飛込からのストレートを狙うことになる。それを狙ってカウンターするのではなく、すかしたり、あえて距離を詰めても何もしなかったりすることによって、カネロからみたクロフォードの狙いはますますわかりづらくなり、ボクシングも消極的になる。結果カネロの印象は悪くなっている。
ラウンド6
10 9
クロフォードは試合を通して、右腕をだらんと下げて、フリッカージャブ的に打つ。
フリッカージャブなので、カネロから見れば、クロフォードの距離感やパンチのタイミングは見えづらい。
それだけではなく、クロフォードの肘が腹部についているので、カネロの右フック、右ボディが封じられている。
そうなれば顔面ががら空きになるが、クロフォードの超人的な反応速度、ジャブによってカネロの距離を大きくあけているので、カネロの大振りなモーションはクロフォードから見たらよけやすい。
近づけられたら、ガードを徹底して固めている。このままだとクロフォードがポイントで大勝しそう。
ラウンド7
9 10
このラウンドは、クロフォードが的確にジャブをカネロにあてていたが、カネロがコーナーに追い込みながらフックをしっかりあてるなど、カネロのポジティブさが出たラウンドになっている。
しかし、依然としてクロフォードのガードが固すぎて、攻めあぐねている印象は受ける。
ラウンド8
10 9
全く動きのなかったラウンド。手数で若干クロフォードが多かったぐらい
ラウンド9
10 9
ラウンド8と打って変わって、激しいインファイトが展開。途中もみあいのなかでカネロの頭部がクロフォードの目に当たってタイム。
インファイトになってもカネロに負けないクロフォード。クロフォードのフックが視界外から飛んでくるが、そんなことにかまっていては、このままポイント負けが決定しそうなカネロ。
ラウンド10
10 9
カネロもっと攻撃してくれ、もっと楽しませてくれ。
あまりにも消極的すぎる。クロフォードがうますぎるのか?
クロフォードが好きなようにガードの上からたたいて、苦し紛れのフックも空を切る。
もう勝負は決まったか?
ラウンド11
10 9
この8,10,11ラウンドはどっちがとっているかわからない。
クロフォードはおそらくポイント勝ちを確信しており、近づかれたらもはやガードではなくクリンチをすればいいと考えている戦法。
しかし、ジャブは切らさずに距離はあけている。
ラウンド12
10 9
最後はカネロもノーガードで意地をみせたか
筆者個人の採点
クロフォード 118 カネロ 110
審判
116 112
115 113
ということで、私がクロフォードに肩入れ気味ではあったが、ポイントでもクロフォードはかなりリードしていた?といえる。
テレンス・クロフォードVSカネロ・アルバレス 試合感想
フィジカルやパワー一辺倒ではなく、互いにボクシングIDの頂点にも君臨する2人の試合で、詰め将棋のような攻防がいたるところであった試合だった。
しかし、クロフォードが予想以上にガードが固く、最後までカネロはクロフォードの牙城を崩すことができなかった。
クロフォードも明確なクリーンヒットをカネロにあてたシーンは2,3回程度だったが、明確に効いたパンチはなかったかもしれない。
クロフォードはビボル戦をかなり研究し、アウトボクシングをしながら、腕のリーチを活かして、カネロの攻撃をほぼ封殺した。
攻めと守りのバランスは非常に素晴らしく、インファイトになってカネロのターンと思われたところもうまく逃げた。
一方で、カネロは攻めと守りのメリハリがありすぎたことで、常に動き続けるクロフォードをうまくとらえることができなかった。
お互いが百戦錬磨であったため、カネロは試合後半からもう先が見えていたのか?と思うぐらいに消極的になり、その時間もジャブで攻め続けたクロフォードが、最後までリードを守ったという試合だった。
