Return of the Obra Dinnオブラディン号の帰還 少ないヒントから己で考察するアドベンチャー |感想 評価 レビュー 

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自粛期間で、AAAタイトルが延期になっているので、気になっていたインディーズゲームを遊んでみました。今回は本格派ミステリーアドベンチャーのReturn of the Obra Dinnオブラディン号の帰還(以下オブラディン号の帰還)を遊んでみました。非常に硬派な作品で、遭難した船と行方不明の60人の乗客員の顛末(てんまつ)を時間を巻き戻せるアイテムを使って、解き明かすという目的の作品です。フルプライスでもおかしくないクオリティです。考察しがいのあるストーリーや、感想を交えて評価していきたいと思います。

なお、今回は攻略サイトを完全に頼り切るというプレイで、謎解きは、あまりせずクリアしました。このゲームを完全に楽しむ方法ではありませんが、そのうえでのレビューということでご了承ください。


このブログでは、アドベンチャーゲームについても多くレビューしています。よろしければ参考にしてください。またYOUTUBEでも動画配信していますので、チャンネル登録していただけると嬉しいです。

 

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オブラディン号の帰還 あらすじとプレイ内容の解説

オブラディン号の帰還は、PVの時点から魅力的に感じていました。モノクロと3Dの融合した、レトロながらも斬新さを感じる雰囲気。

船上は、環境音が大きめに聞こえるのですが、過去に戻るとうっとりするように美しいBGMが流れます。

グラフィックも背景すべてに力をいれるのではなく、あっさりと見せるところは見せて、プレイヤーに注目してほしいところは、白黒なのに強調させるようなデザインになっています。

 

亡骸を調べることで、過去にワープすることができ、亡骸の主が死んだ瞬間の音声や状況が再現されています。

亡骸を調べることで、次の別の亡骸に案内されたり、オブラディン号で何が起こったかをバラバラの時系列ながら、解き明かしていくことができます。

オブラディン号の帰還では、その状況からプレイヤーは、亡骸の人物が一体何者で、どのような死をたどったかを推理しなければなりません。

しかも、オブラディン号の全体の流れをすべて見終わっても、人物の特定は5分の1しか達成できていないので、すべてを見終わってからが本番になります。


人物の特定は、乗員名簿から、人物、名前を選択します。船長や医者といったわかりやすい身分や、行動を起こす自分は特定しやすいですが、鐘楼員(しょうろういん)など人数が多かったり、中国人であっても3人固まっていて、誰が誰であるか特定が難しい場合もあります。

詰まないように、人物と安否が合致した人数が3人に到達すると、正解していることを伝えてくれます。そのため、総当たりもできなくはないですが、人物や安否の選択肢が膨大なので、現実的な選択肢ではありません。

 

オブラディン号の帰還 謎解きの難易度が高い理由 不満と不自由を乗り越える達成感

謎解きアドベンチャーとしてオブラディン号の帰還を考えると、非常に難易度は高いです。

音声は重要で、翻訳は非常に丁寧なローカライズながらも、日本人なので「誰が何をしゃべっているのか」がわかりにくいです。考察サイトなどでは、誰がしゃべっているかを特定しているサイトもありますので、それがわかれば各人物の行動心理が読み解けます。

 

また、白黒のデザインは、プレイヤーに最低限の情報だけを与えることで、推理の想像力を膨らませるという効果もありますが、中には死因が全く分からないものもあり、とっつきにくさは否めませんでした。

また、現場検証は最初こそ楽しくもあり、スリリングでもありますが、それが容赦なく続ていきます。


ゲームというフィクションとはいえ、人の死ぬシーンを連続で見るのは、精神的にきつく、欠損描写も多いです。これがカラー作品なら間違いなくZ指定というレベルです。

 

また現場検証は、すべて見終わった後も直接亡骸の元まで歩いて調べないといけません。この移動時間が多いため、オブラディン号の帰還の平均クリア時間は10時間~12時間といわれています。メニューから自由に現場検証へスキップできれば、本作の評価は全く変わったものになったと思います。

 

オブラディン号の帰還は究極の謎解きアドベンチャーゲーム ヒントを補完する想像力の刺激

謎解きアドベンチャーゲームといえば、最近の作品を例に挙げると、逆転裁判やダンガンロンパなど、ヒントをくれる相棒がいたり、画面内で際立ったポイントをチェックすると解説を見ることができて、プレイヤーが把握しやすいような手助けをしてくれる作品が多いです。

プレイヤーの推理も基本は3~5択ぐらいで、クローズな質問を次々と答えることで、あたかも自分の頭がよくなったかのような心地よい錯覚ができます。

 

一方で、オブラディン号の帰還は、現場検証中に主人公の考えなんて全く表示されませんし、アクセスできるポイントもあまりなく、目の前にうつった光景から、人物と安否について推理しなければなりません。

これは、今まで自分が歩んできた人生経験や知識を動員しなければ解けないように作られているのです。

 

 

まるで高尚な絵画のように、1つずつの場面で「何を思った?」「何を感じた?」と挑戦状をたたきつけられるような、刺激的な作品になっています。

それだけに、オブラディン号の帰還は、かなり人を選ぶ作品です。また物語をすべて終えて、人物と安否の特定を達成したとしても、オブラディン号に起こった悲劇は、断片的な情報しか得られず、その行間を埋める行為は、プレイヤーの想像に任されています。

 

 

話の流れだけでなく、人種間の差別意識の違いなど、細かい点でも見逃せない要素が多いです。

 

「我こそはアドベンチャーゲームを愛するゲーマーだ」と自負されるプレイヤーがいたならば、間違いなくオブラディン号の帰還は、プレイすべき作品であるといえるでしょう。