『都市伝説開発センター』は、ドット絵とホラーADVが融合した名作として、発売当初から「記憶をリセットして遊びたいゲーム」として話題になった作品です。
本記事では、黒幕の正体や伏線回収の仕掛けをネタバレ込みで徹底考察しつつ、ゲームとしての魅力や不満点も正直にレビューします。
この記事は、完全にプレイ済み、クリア済みの人を想定した、ネタバレありの感想考察です。
最終更新日 2025年10月
ゲーム概要と作品の魅力──ドット絵×ホラーADVの独特な世界観 ゲーム的には不満点も残る
ゲームクリア時間はPS5メニュー表記で13時間。しかしこれは筆者の寝落ちや、放置してyoutubeを見ていた時間も含む。
つまり、過去に遊んだゲームと比較すると大逆転裁判2やダンガンロンパ3に比べると、途中でつまらないなと思う瞬間が多数あった。
ネタバレにつながりかねないが、ネタバレへの驚きをおおきくするために
- 過去にさかのぼれるログは断片的
- ポーズできない強制ムービーシーンなどがある
- クリアしたチャプターセレクトは1周するまで不可能、さらに個別にセーブデータも作れず、オートセーブで強制進行する
- ゲームオーバーが存在せず、選択肢は何度でも間違えられる
このようにかなり不便、ゲーム性を伴わない要素があり、人によってはADVではなく、完全な述べるゲームにしたほうがいいんじゃないか?って声もある。
SNSで目的地や関連人物を調べるパートでは、どれが、フラグ条件の書き込みかわからないので、総当たりになってしまう。
グラフィックは、ものすごく丁寧にドット絵が動いて気持ちがいいし、声優はいないが(それも伏線の為)キャラクターへの愛着もかなりわく。
さらにBGMは逆転裁判シリーズレベルに素晴らしい。
主題歌も含めて、「これ本当にインディーゲームなの?」ってレベルで本当にBGMが素晴らしすぎる。
あとドット絵だからこそでる、恐怖演出もなかなか怖かった。
『都市伝説開発センター』はおすすめ?プレイすべき人の特徴
上記のように、6章でいままでの話を一気に伏線回収する作品であり、消化不良が全くないというわけではないが、物語上のつじつまはちゃんとあっている。
「とってもすっきりしたわ~」って終わり方ではなく、テーマ性、メッセージ性がかなり強めなので、「うーんどうしたものか」としばらく考え込んでしまうぐらいの内容になっている。
逆に言えば、クリアしてからも2周目で答え合わせをする楽しみもあるし、ネットで公開されている考察記事などを読み漁って、本作の世界観にどっぷり作ることも可能だ。
しかし、アドベンチャーゲームとしては快感が少ない。逆転裁判、ダンガンロンパのようにちょっとした謎解きだけでも、快楽を得られるようなゲーム的な仕組みや楽しさはなく、淡々と進む。
製作者もあえて謎解きな難しさはおさえて、誰もが6話のドンデン返しを楽しんでもらえるような作りを目指したらしい。
6話へ行くためには、ものすごく早く読み進めても8時間ぐらいはかかるので、アニメ2クール分ぐらいをみるぐらいの気持ちでプレイするのがおすすめだ。
ネタバレ ○○○○の正体と目的とからくりについて
さて、とてつもないネタバレだが、まずは、黒幕がどのような構造だったかを説明しておく。
たぶん数か月したら筆者も忘れるぐらいには複雑…かな?
本作の黒幕は
廻屋渉(めぐりやあゆむ)、福来あざみ(ふくらいあざみ)、SAMEJIMA管理人、如月あゆみ
の4人であり、この4人はすべて如月あゆみである。

都市伝説解体センター 黒幕 如月あゆみ
なんと3重人格である。
プレイヤーはゲーム終盤になれば、なんとなく解体センター長の渉が黒幕なんだろうなとタカをくくる、そのくくったタカをあざ笑うかのように、あざみもあゆみが作り出した人格の一部でしたよと。
複雑なのは、この3重人格が独立しているわけではなく、主人格のあゆみが、渉とあざみをコントロールしており、渉とあざみは、あゆみの存在を認知できていない。
幽遊白書の仙水忍ではなく(7重人格でお互いが感知しあっている)、ジョジョの奇妙な冒険第5部のディアボロとドッピオ(ディアボロはドッピオをコントールし、自由に入れ替えができるが、ドッピオは自分がディアボロの別人格であることを知らず、ボスだと思っている)
都市伝説解体センターでも、あざみが、渉に電話しているシーンがあるが、自作自演で、明らかに5部のディアボロとドッピオのシーンのオマージュである。
あざみがなぜ劇中で「念視」(ねんし…登場人物が過去に行った行動をみることができる)できるかも、あゆみがあざみに見せたいものを都合よく見せていただけだったらしい。
正直、ゲームの設定にいちゃもんをつけるのは野暮かもしれないが、如月あゆみのやっていることがあまりにも全知全能すぎるとしか言いようがない。
如月あゆみの目的が、配信で悪者を対峙するところを動画におさめてバズった動画配信者5人組が、間違った相手を標的としてあやまって殺めてしまい、その犯人が兄の如月努だったという事実。
5人の中に警視庁のお偉いさんの息子がいて事件を非解決事件、クローゼット(お蔵入り)にしたことが、あゆみの復讐心をさらに過熱させる。
そして、あらぬ噂によってSNSで自分の兄の如月努が、犯人だと誤認され、警察の捜査も入って家族にも影響の出た兄が自分で命を落とした。
その原因は、ネットの一般人にもあるとういことでネットに対しても大規模なサイバー攻撃を行う。グレートリセット(GR)という名のもとに、スマホで個人情報をすべて流出させた。
ネタバレ なぜ黒幕はまわりくどい方法で計画を実行したのか?
ネットで、如月あゆみの計画の回りくどさを指摘する声があり、彼女は実は別人格を作ることで、その別人格に自分の計画を止めてほしいという裏の意図があったのでは?という意見もある。
一部同意するものの、あどけなさと無知さを利用して、復讐相手の5人に近づいたり、クローゼットにあざみを侵入させることができた。
そして、あざみが「ファイトクラブ」の主人公みたいに、自分の裏人格がすべてを計画していて、それを阻止する…って話ではなく、結局ジャスミンが真相に気づいてからは、あざみの人格をまたコントロールすることに成功している
天才ゆえの遊びとういか、遠回りだったかなと思うところもある。

都市伝説解体センター_20251024182643
(ボーイッシュな見た目というミスリード)
そもそも、166センチという身体で、5人の男女を確保するという離れ業をやてのけている。
ただ、当初の計画は違ったと思う。SNSに踊らされた=無能の警察を頼って、5人を逮捕するなんて信用できないし、一般人にあれだけの憎悪をたぎらせながら、警視庁の高官を辞めさせるだけというのは、あゆみの本心だったのだろうかと。
つまり、SNSの邪気を利用して、5人の社会的地位をゆがめたり、兄と同じように追い込んで命を落とさせようとまで考えていたのかもしれない。
しかし、罪のない人物をあやまって殺し、裏工作で隠してのうのうと金を稼いで生きている5人だから、そうなるわけでもなく、内的な制裁ではなく、外的な制裁を加えなければと、方針転換したかもしれないし、最初からそんなことは考えずにもっとエグいグレーとリセットを考えていたのかもしれない。

都市伝説解体センター 廻屋渉
そもそもイルミナティカードを配布するやり方も、劇中でオカルト研究科の如月努を世間に思い出すように見せつけるようにやった…とも分析できるし
他のサイトでも考察されていたことだが、兄を死に追いやってしまったのは自分かもしれないというあゆみの悔恨も含まれているのかもという分析もある。
ネタバレ 都市伝説解体センター 各章のキャラクター、犯人と真犯人の関連性
基本的に都市伝説解体センターの1~5章は、6章につながるための伏線という立ち位置になっており、端的にいって真相は「こんなものか?」「都市伝説にみたてた人の業」みたいなものになっている。
だが、物語全体を俯瞰すると見えてくるものもある。
第1話
清水栄子

都市伝説解体センター SNS
吐き気を催す邪悪1人目
元々迷惑系動画配信者みたいな立ち位置だったが、彼女が出た時点で5ソサエティの情報がなかったのは、ある意味不思議。100万人超えるぐらいのグループだったら、絶対元グループの名前出るんじゃないかな…?
過去に有名だったグループで人気がなくなったら、メンバーが軽犯罪起こしていたっていうのは確かにある話。
救いようのない人物で、あざみの同級生の美桜がもともとパパ活をやっていたことをしり、かわいい人物だったので、関係者をつかって彼女を追い詰め、困窮させて、自分の仕事に利用して、売〇をさせようとたくらんでいた。
ちなみに、美桜のストーカー役を担った男はゴキブリのいる屋根裏部屋に何の抵抗もなく潜んでいたので、あるいみ狂人。
さらに脅しの道具として、美桜が過去に堕胎していることをしっていたのでそれを示す人形もつくっていたが、それが美桜の逆鱗にふれて、逆にナイフで刺されそうになった。
1話にして一番えぐい悪女であり、有名な逆転裁判3の美柳ちなみよりもゲスいとさえ思う。
しかも、自分がSNSでどれだけ批判にされされても、なんとも思っておらず、自分の家が逆に汚されたとしても、少しショックぐらいの面持ちだ。正直、あゆみなんかをはるかに超えるレベルでサイコパスである。
第2話

都市伝説解体センター_20251018230836
谷原きのこ
5ソサエティのメンバー。一番ひ弱そうでたぶん5ソサエティでも地味役だったかもしれない。
5ソサエティが解散しても、心霊系配信者をやっており、配信で痛い目を受けながらも、配信で得た栄光を忘れられずにいる男になっている。
そのため、配信のやらせも相当多いらしい。
極悪といわれたら、極悪ではなく、無理心中が行われたとされるアパートで降霊術をおこなっているが、実は無理心中で使われたとされる凶器の鏡を降霊術で使用しており、無理心中を行ったが生き残ったヒナタという女性が、鏡を心配して見に来るために、おばけに成りすましていたというのが2章の流れ。
この2章では2つの似たようなアパートで起こった、2つの事件がミスリードという形になっている。
ヒナタは40代の女性で、1人のぐーたらな浮気性の男性のためにすべてを捧げていたが、浮気されて裏切られたので無理心中するが、公式サイトではヒナタは30代になっている。
谷原きのこが取りつかれたのは悪霊ではなく、ネットによって刺激された承認欲求なのかもしれない。
第3話
山田ガスマスク
5ソサエティを抜けてから、WEBライターのような仕事をしている。
劇中ではかなりの洞察力をほこっており、ミステリーアドベンチャーではあざみの上を行く能力を見せていた。
5ソサエティ活動で、あやまって殺した被害者の持ち物をかってにくすねてしまっていたり、5ソサエティが問題を起こした該当事件のツアーであってもたんたんと参加するあたり、この男もかなりのサイコパス要素はあるが、たぶん自分は手を下していないってことで、なんとも思っていなかったのだろう。
木村
廃駅管理会社の社員であり、明確にあゆみ(というかSAMEJIMA管理者)が計画前に接触した人物。あゆみの計画によって、山田をあぶりだせたわけだが
5ソサエティによって無実なのに巻き込まれた兄への復讐を誓い。兄の持ち物を盗んだものが犯人だと考え、その所持者をミステリーツアーをつくっておびきよせた。
残念なことに本当の実行犯がいなかったのだが、彼女がいなければ、あゆみの計画もかなわなかったかもしれないので、貴重な協力者だったのかも。
第4話

都市伝説解体センター_20251021154812
眉崎潤
吐き気を催す邪悪その3
5ソサエティをやめてから、美容系インフルエンサーとして活躍し、悪徳な通販商品を売りつけていた。
彼が手先として使用していた中古業者?の西谷から回収したお茶が、じつはアルコールとの飲み合わせで、死に追い込むほどの幻覚作用をみせるといういわくつきのものだった。
過去にリコール問題も起こしている。
ネットで購入した呪いの箱の真贋鑑定を都市伝説解体センターに依頼する。
本当に呪いの箱であると判明したことに歓喜するぐらいにいっちゃってる性格だが、まさか自分がこきつかっていた配達員による、本当の呪いの箱とは思わなかっただろう。
栄子同様にしっかりと実害を受けている
第5話

都市伝説解体センター_20251024204112
(なかなかの胸糞画像である)
黒沢優弥
5ソサエティのリーダー的存在で、実際に無実の男に手をかけてしまった人物。
父親の権力をつかって、罪から免れた。
犯行のテープをなぜか残していた。これは他の4人をゆするためとされていた。
彼は、ゆすりを常習的に行っていたのか、彼が興したIT会社が急成長を遂げたのも、父親の捜査ファイルを利用していたのでは?と予想。
あざみの念視を自分の計画に利用しようとしていた。
ただ、彼も人望はなく、最近雇った人物がことごとく、SAMEJIMAの信者のジマーであり、自分がゆすりにつかっていた情報をそのままとられてしまう。
ということで、いろいろあげたが、振り返ってみても1話の栄子がぶっちぎりの悪人であり、ある意味救いようがない。ゲームのキャラでここまで悪いキャラはいるのか?ってレベルだ。
都市伝説開発センターの考察 SNSの光と闇について

都市伝説解体センター_20251024204805
本作の開発者インタビューでも言及されているように、都市伝説開発センターは、「SNSの功罪」が1つのテーマになっている。
利用者は匿名でありながら、第三者の情報を自由に開示できてしまう無秩序な世の中。
都市伝説解体センターにおけるSNSは良くも悪くも「万能」すぎる。
ただ、世の中に憎悪をたぎらせていた、あゆみの考えとは裏腹に、如月努の冤罪に対して懐疑的な人はいたわけだし、あざみが無知ながら真相にたどりつけたのも、SNSの情報の影響が大きい。
黒沢の黒いうわさに関しても言及しているSNSが多くみられた。
結局、SNSは包丁や車のようなもので、使用者によっては生活を円滑に進める便利な存在であると同時に、凶器にもなりうるとういうありふれた着地点にはなる。
あゆみが世界一の天才ハッカーであれば、誹謗中傷や住所を公開したりした悪意ある投稿をした相手だけをピンポイントに情報開示するような仕組みを作っていたかもしれない。
ただ、そうやってあゆみを英雄視するのも、製作者側は違うんじゃないかと思い、彼女を極端な思考に陥らせた。
彼女もSNSの被害者でありながら、SNS的な極端な思考、決めつけによって動いてしまっていることを示唆している。
そして、我々もそういう人間であると、このゲームは警告している。

都市伝説解体センター_20251024205225
あざみの純真さ、無垢さを疑うことはあまりしなかった。
最初っから黒幕のあゆみが見せたような上の画像の顔であったら、たぶん我々はあざみは怪しいかもと思ってしまったかもしれない。
見た目が引き起こす決めつけ、誤解になる。
ノベルゲームの叙述トリックとして、姿見えない主人公を使うというのは、小説と同様の手法だが、あえて主人公の姿をみせることで、ミスリードを作りやすく構造は本当に巧みだったと思う。
ただプレイ中1つ違和感があって、あざみは決して頭がよく知的なポジションではないが、劇中で天才とか、秀才といわれている人物は軒並み彼女と同じ大学なのだ…たまたまかもしれないがと思っていた。
あゆみは、5ソサエティをそうそうにつかんでいたのだが、彼らを追い込むことができたのは、SNSを利用したからであり、ジマーを拡大できたのもSNSのおかげ、あざみをコントロールできたのものSNSのおかげであり。
皮肉なことに、あゆみはSNSを道具としても凶器としても使用している。
SNSは人類が扱うためには、早すぎたなんて評価もあるが、生まれてしまった以上は、何が動画でなにが凶器であるかを我々人間が判断しなければならない。

