今回は、ZZガンダムで1話から登場するが、途中かなり欠席し、強化人間として後半舞い戻るが、ドーベンウルフ隊の策略によって非業の死を遂げ、ライバルのジュドーと決着をつけられなかった、マシュマー・セロについて考察していきます。
マシュマー・セロの前半と後半の性格の違いについて
マシュマーセロという男は、最初から信望していたハマーンに、結局は使い捨ての駒として扱われて死んでいった青年として描かれている。
彼は後半に強化人間として強化されており、ニュータイプに似た波動や、ファンネルを撃ち落とす勘の鋭さを見せている。
そして、後半では人格も変化しており、冷酷になっており、好戦的になっている。ただその好戦的な性格が、士官としての冷静さを時に狂わせており、監視役のイリア・パゾムから強化しすぎたと評価されている。
性格だけでなく戦い方も変化している。
ハマーンへの忠誠心は一貫しているものの、決定的に違うのは、前半は騎士道を重んじており、部下に対しても敵に不意打ちや背後からの攻撃はしないように徹底させている。
一方で後半は、自分に従わない部下一派に対して、イリアを使って背後から撃たせ、まるでアーガマにやられたように演出して、取り込んでいる。
なぜマシュマー・セロは強化人間にされたのか?
なぜマシュマーが強化人間にされたか、いくつか仮説を立てることができる。
- 任務への失敗が続き、その責任を取るためマシュマーが志願、あるいはハマーンが命令した
- グレミーのNT部隊の謀反を見越して、キャラ・スーンとともに強化人間としてより強化した
あとは、ダブリンへのコロニー落としをマシュマーに命じるため、道徳の感情を遮断するために強化人間としてメンタルを強化したという考え方もある。
コロニー落としは第1次ネオジオンが下した中で最も悪行の高い行為であり、ハマーンに心酔したマシュマーなら、強化手術なしでやっていた可能性もあるが、自分の美学なども重んじる男のため、その境界でさまよっていたかもしれない。
事実、序盤ではシャングリラコロニー統一のために潜入するが、彼の気の迷いによってジュドーに優勢をとられてしまった。
第1次ネオジオンの強化人間政策について
第1次ネオジオンの強化人間や、クローン強化人間の扱いは、ティターンズの手法をそのまま取り込み、模倣しているやり方になっており、非人道性が高い。
グリプス戦役から1年しか経過していないため、ラカン・ダラカンを除いては、まだ若いマシュマーなどを士官にしたり、責任者として重用するしかなかった。
「ルウム戦役を思い出すぜ」みたいな発言をしている旧ジオン兵もいたことから、グリプス戦役で、あまり実戦経験を詰めていない人間が多く、どうしても強化人間に頼らざるを得なかったという実情があったのだろう。
純粋なニュータイプは本当に稀で、1年戦争時も腕利きのパイロットを多く抱えていたジオン公国だったが、シャア、シャリア・ブルぐらいで、リクルートしたララァとあわせて3人だけ。
マシュマーがジュドーと最後戦っていたらどうなっていたか?
たらればの話になるが、マシュマーがジュドーと戦っていたらどうなるか。
まず、部下のイリアがリゲルグでかなりZZといい戦いをしていたため、マシュマーのザクⅢ改が加わると、かなり有利に戦える。
しかし、ジュドーも地球での砂漠地帯での戦いを経て、パイロット技術が大きく向上している。
物語の都合上、マシュマーが勝利することはないものの
マシュマーもプルツーや、キャラ・スーンのようにジュドーと触れ合うことで、本来の自分や、道徳的な感情について目覚めていったかもしれない。