上沢式FAについて改めて考える 守るべきはルールなのか感情・道義なのか?

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ということで、上沢式FAが世間でもうかなり波乱を巻き起こっており

ブログで取り上げたところであまり読まれることはないだろうと、でもおそらく「空白の1日」以来の野球界のルールについて、野球ファンが考えることになった現象だと思うので、やっぱり考察したいなと。

 

 

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上沢式FAの前に九里式FAについて考える

筆者はオリックスファンなので、九里式FAについても序章として取り上げます。上沢のソフトバンク移籍にかなりかすんでしまいましたが

広島の最多勝投手の経験があり、イニングイーターとしてとても優秀な33歳のベテランがオリックスにFAで加入しました。

 

 

当初、海外FAを宣言して、海外にチャレンジするんだということで、広島ファンは温かく九里を送ろうとしていたのですが、海外にFAせず、国内FAでオリックスと契約したということで、一部反感を持たれています。

上沢式FAと同列にする話ではないですが、こちらもFAの制度上、国内にいこうが海外にいこうが変わらず

 

 

一説によると、広島という球団が宣言残留(FAを宣言して買い手のつかない場合自球団に戻ってもいいというオプションのようなもの)を認めていないという噂があったため、このような手法をとったのではないかと。

 

またオリックスは昨年の西川に続き、2年連続で広島の投打の主軸をFAで獲得するという点もちょっとした反感となっています。

 

過去には横浜の谷繁捕手が、森監督(当時)からスタメンで使われなくなることを考え、メジャー挑戦、その際に中日が辛抱強く待っているという姿勢を取り、給与を考えたうえで中日にFAしたという経緯もあります。

 

九里氏が最初からオリックスを考えて海外FAをしていたのか、それともメジャーしか考えていなかったが、候補がなくてオリックスになったのか

真相はやぶの中ながらも、九里が海外FAしたときから、オリックスは獲得調査しているという報道はされていました。

 

問題点としてルール道理に行っているか?というよりもファンが納得できるような形なのかという点になります。

海外・国内両方の声を聞きたいだったら、FA宣言に入るかもしれませんが、もしかしたらこのような取り上げ方はされなかったかもしれません。

 

 

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上沢式FAの争点について プロ野球におけるルールと感情

報道によると、上沢に対して

日ハム→単年契約の1億5000万

ソフトバンク→4年契約の10億

という報道がされました。長年支え続けてきた甲斐と同じぐらいの金額を上沢に提示したのです。

 

日ハムのこの単年提示は、1年経過したら上沢が正式にFAを取得することを見越しての提示だったことや、上沢の怪我の状況やNPBへ1年のブランクで復活できるのか?という点も込みでの評価かと思われます。

 

マイナーポスティング前の年俸とそこまで大差ないことから、ソフトバンクが破格すぎますが、妥当な提示だと思います。もし2025年日本ハムで活躍して、エースとして優勝に導けば、FAの価値も高まるだけでなく、日本ハムでの交渉も有利になります。

 

逆に上沢の視点に立てば、この2025年で活躍しないと、ソフトバンクの4年10億という提示はおそらく見込めない。NPBで一番活躍した12~13勝ぐらいのキャリアハイを出さないといけない。

 

逆に2025年怪我で投げられない状況などになれば、田中将大のように買い手がなかなかつかない状況になってしまう。

そう考えれば、ソフトバンクへの移籍は妥当なのかもしれません。

 

そして、解説人や選手の中でも「ルール内で行われたことだから仕方ない」という声もあります。しかし決して上沢を擁護している声ではなく、諦めが近いかなというところです。

 

私も当初、先発の補填で欲しいソフトバンクと、契約が欲しい上沢の利害が一致しているし、ルール内で行われたから問題ないだろうと思っていました。

しかし、プロ野球というのはファンが球場に足を運んで入場料を払ったり、ファンクラブに入ったり、ファングッズを買ったりして、その収益も球団の重要な資金源であることが前提であります。(もちろんTVなどの広告宣伝費もあります)

 

今回日本ハムファンに批判が集まるのは当然ながら、ソフトバンクファンの中にも上沢移籍によって困惑している声がyoutubeなどで見られました。

 

もし、ルールや選手の待遇ばかりが最優先にされた場合

いい選手を高いお金でルールの中でかき集めるということの行く末はどうなるのか?

 

「だったらMLBみるのが一番いいんじゃない?」って問題に帰結してしまいます。

現在、大谷翔平効果や、メジャーが見れるサブスクリプションサービスが増えたことによって、我々とMLBの距離はぐっと縮まりました。

また、メジャーリーガーだけでなく日本人の中にも大谷翔平と一緒に野球がしたい、条件の良い球団でプレイしたいという声も大きくなりました。

その起爆剤となるのは、WBCになります。またWBCが近々行われますし、ロス五輪になればメジャー志向が強まる選手が増えていくでしょう。

 

欧州サッカーがある中でJリーグを見ている人は、地域密着型で応援したい選手がいるとか、選手やチームが地域密着のイベントによく参加しているからというファンサービス面もあると思います。

当然、日本球界もファンサービスに尽力されてきたスタッフ、選手の歴史によって築き上げられてきています。

純粋な選手の能力、ホームランの派手さ、投手のピッチングなどで勝負すれば、NPBがMLBに勝てる要素はかなり少なくなってしまいます。

 

民放だって、問題が多い選手が増えてしまった場合は、大谷翔平がうつっているMLBを放映したほうが、数字も取れるしイメージも良いという一石二鳥なわけです。

 

もちろん周囲の声のように、上沢が自分の利益のために移籍を決定したことで、ポスティングをこれから取りたい若手の道を阻んでしまうというリスクもわかりますが

それよりももっと重要な、NPB全体のファンのボリューム層が落ちる可能性すらある

だからこの上沢式FAは、ルール上は全く問題はないが、感情や道義的な問題というのは、決して軽んじられるものではないというのが、私の結論になります。