では、続けて後半へ。最も警戒すべきは、医薬品による訴訟が起こった経緯、原因、結果の違いを認識して、頭の中で整理することです。
一般医薬品の役割 重要度70%
- 軽度な疾病に伴う症状の改善
- 生活習慣病の疾病に伴う症状発見の予防
- 生活の質の改善・工場
- 健康状態の自己検査
- 健康の維持・増進
- その他保健衛生
※ポイントは、1の軽度な疾病に伴う症状の改善。ここを重度としたり、医療用医薬品をにおわせる文言をいれてくることがあります。「誤っているものを選びなさい」でよく出るので、一通りどのような役割かをおさらいしたいところ
※ちなみに軽度でない疾病というのは、インフルエンザ、肺炎や、患部が広範囲に及ぶもの。例えば、部分的に湿疹ができている場合は市販薬のステロイドで対処できますが、患部が広範囲の場合は、受診勧奨が必要になることがあります。
医薬品による副作用などにかかる主な訴訟 重要度100%
サリドマイド訴訟
催眠鎮静剤として販売されたサリドマイドを妊娠した女性が使用したことで、出生時に四肢欠損、耳の障害などの先天異常が発生(副作用として血管新生を妨げる作用もある)
国及び製薬企業を被告として、和解が成立している(和解が成立していないとひっかけてくる可能性あり)
サリドマイドは血液ー胎盤関門(血液が混ざらないような仕組みだが、絶対ではなくまだ未解明が点も多い)を通過して、胎児に移行する。副作用の血管新生の妨げによって、先天異常が引き起こされた。
血管新生を妨げる作用はS体のみ。鎮静作用はR体のみだが、相互に転換するため、R体のサリドマイドを分離していも、催奇形性は避けられない。(血管新生S、鎮静作用R)
国内の販売停止、回収措置は、ドイツ企業から勧告が出たにも関わらず遅れた
(速やかに、回収できたと記載の可能性あり)
↑これは意外とよく出ました
WHO加盟国を中心に
市販後の副作用情報の収集の重要性が認識
各国における副作用情報の収集体制の整備が行われる
スモン訴訟
整腸剤として販売されたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症に罹患
激しい腹痛を伴う下痢を生じ、下半身のしびれや脱力、歩行困難が現れる。麻痺は上半身に広がる場合もあり、視覚障害から失明に至ることもある。
国及び製薬企業を被告として提訴され、全面和解は成立している。
サリドマイド訴訟、スモン訴訟を契機として、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため
医薬品副作用被害救済制度が創設
医薬品を適正に使用したにもかかわらず、副作用により一定程度以上の健康被害が生じた場合に医療費などの給付が行われる。
※医薬品副作用被害救済制度は、記載の通り「サリドマイド訴訟」も契機になっています。そのため設問で、サリドマイドだけが選択肢に入っている場合もあります。双方が関与していることをしっかり覚えます。
サリドマイド、キノホルムは一般用医薬品として販売された製品であります。
一般用医薬品であっても、重篤な副作用や訴訟が起きるリスクがあることを自覚して、販売する必要があります。
HIV訴訟
血友病患者が、HIVが混入した血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染
国及び製薬企業を被告として訴訟、和解が成立
- エイズ治癒研究開発センター及び拠点病院の整備や治癒役の早期提供の取り組みを推進
- 副作用報告に加えて、感染症報告の義務付け
- 医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度
※HIVは経緯が穴埋めで頻出されます。結果的にどのような対策が行われたか、細かいですが他の訴訟に比べて多岐にわたっています。ほかの訴訟の結果(副作用制度、生物由来)が混ざっていることが多いので、しっかり判別したいです。
CJD訴訟
脳科学手術に用いられたヒト乾燥硬膜を介して、クロイツフェルトヤコブ病(CJD)に罹患
(ウシ乾燥硬膜でひっかけてくる)
CJDは
最近でもウイルスでもないたんぱく質の一種であるプリオンが原因されている
プリオンが脳の組織に感染し、認知症に類似した症状があらわれ、死に至る重篤な神経難病。(死に至る可能性あり)
国、輸入販売業者及び製造業者を被告として訴訟、和解が成立
(注意、輸入販売業者、製造業者を対象しています。いままでは国と製薬業者)
厚生労働省は、薬事法改正に伴い
生物由来製品による感染等被害救済制度の創設がされた(生物由来については4章で掘り下げます)
※CJDは単独で1問で正誤問題が出されます。ほぼ9割以上の確率で出ているので、要チェックです。ヒト乾燥硬膜、たんぱく質の一種であるプリオンが原因(ウイルスや細菌の一種と書いてきます)、認知症と死に至る重篤な神経難病、国と輸入業者と製造業者が被告、そして生物由来製品による感染等被害救済制度の創設
1章では、日本語がわかっていれば解ける常識的な問題が多いからこそ、覚えるべきポイントを明確に定めることができます。
申し訳ありませんが2章からになると、覚えやすさは個人差があるので、重要なポイントはずれるかもしれませんが・・・
最も重要なのは
- 医薬品のリスク評価
- プラセボ効果
- 薬害の歴史
この3つをしっかり押さえることで、7割(14点)を確実にし、8割(16点)を安定させることも現実的になってきます。