ネットで、ブームじゃないかと思うぐらい、都市伝説解体センターのクリア報告が相次いでいる。
「トシカイ」という略称でファンから愛されているし、続々とグッズが販売されている。ここまで話題になったADVはここ最近なかったんじゃないかっていうぐらいにすごい勢いだ。
そして、都市伝説解体センターロストを経験している人も多いだろう。
そこで、都市伝説解体センターを遊んだ後に次に楽しめそうな、ADV(アドベンチャーゲーム)を個人的に紹介していく。
かなりADVとしては王道な作品ばかりになっている。
選考基準としては
- ゲームとして面白い
- キャラクターに愛着がわきやすい
- ミステリー要素、謎解き要素がある
- 大どんでん返しが含まれている(重要)
あと、過去に都市伝説解体センターのネタバレ、黒幕への考察についての記事を書いているので、よろしければ見てほしい。
【ネタバレ考察】都市伝説解体センターの黒幕と真相を徹底解説!驚きの結末とは? ゲームプレイ感想と考察
Return of the Obra Dinn リターン オブ ジ オブラ・ディン 高品質のインディーズゲーム 人物を探るという珍しい謎解き
いきなり渋い作品だ。都市伝説解体センターと同様にインディーズ作品で、2000円ぐらいで購入でき、switchにも対応しているためベッドの上でも腰をじっくり据えて遊べる。
あらすじは
オブラディン号という豪華客船が乗客60名ほどのせていたが、戻ってきたら乗客がほぼすべて消えていた。なぜ消えたかを過去の映像と音声を頼りに追求してくれ、というもの。
この作品は、インディーズ作品でありながら、他のADVとは一線を画すシステムとなっており、ストーリーをそのまま読むのではなく、過去の断片的な映像や音声を頼りに、推理していくゲームだ。
だからストーリーをざっと眺めるだけなら、全く時間はかからない。
何を推理していくかというと、オブラディン号の乗客リストと乗客の写真を比較しながら、どのような経緯で死んだかを追求するのだ。
事故死なのか、自〇なのか、他〇なのかなどなど。
簡単に名前を名乗ってくれるキャラもいれば、映像に穴が開くほどみて、考察する必要がある。
白黒の3D映像で表現された独特の世界観と、推理する楽しさがおそらくADVの中でトップクラスに深い…しかし当時の筆者は時間がなくて攻略サイトを見まくってしまったことを後悔している。
本作の世界観にどっぷりつかれる余裕と時間があれば、2000円はあまりにも安く感じると思う。
都市伝説解体センター同様にクリア後も残る疑問はあるため、考察サイトや動画をあさる楽しみもある。
HEAVY RAIN -心の軋むとき 本当に心がきしむレベルの傑作とどんでん返し
一番好きなストーリーでいえば、このヘビーレインとサイレントヒル2かなってぐらいには好き
本作はPSハードで提供されており、同会社はのちにビヨンド、デトロイトビカムヒューマンを製作している。この2作も名作レベルではあるが、ヒューマンドラマとしては及第点で、ドンデン返しも薄い。
ヘビーレインは、自分の子供が誘拐されており、犯人の要求通りの試練、ゲームをクリアできないと子供が〇されてしまうというもの。
子供を助ける親と同時に、死んでしまった子供から犯人を捜索する捜査官、遺族に接触して独自のルートで犯人を追及する私立探偵と、群像劇になっている。
このヘビーレインは本当にドンデン返しもなかなかだし、そのどんでん返しを気づかせないぐらい、劇中に緊張感が走って素晴らしいストーリーになっている。
ボタン操作を多く要求されるのだが、面倒よりも臨場感が勝っている。
逆転検事1&2 都市伝説解体センターと同じようなプレイの流れとシリーズ最大の大ドンデン返し
逆転裁判は名作だ、素晴らしいアドベンチャーゲームだ。それは異論はない。でも初めて触る人は「なにから手を付けたらいいだろう」って迷うと思う。
1作当たり10時間ぐらいの作品で、プレイしだしたらあっという間にクリアしてしまうのだが、シリーズが長寿化すると尻込みすると思う。
一応、おすすめとしては
逆転裁判1~3を遊ぶ
王道の始め方。まずは最初から。初期の作品なので比較的テンポが良い。特に1作目の4話までは、本当にテンポがいい。
推理の組み立てもさることながら、 ストーリー展開の熱さであったり、主人公が弁護士であるという設定をちゃんといかしている。
一番新しい逆転裁判。逆転裁判、検事とは独立したストーリーになっているため、完全新規でも遊べる。
一番新しいため、3Dグラフィックによっていきいきと動くキャラクターと、シャーロックホームズと共同推理する楽しさ。
逆転裁判はBGMに定評があるのだが、大逆転裁判は一番好きだといってもいい。
ストーリーの展開は、逆転裁判の生みの親の巧舟さんが脚本されていることもあり、かなり王道で燃える展開。
そして、今回紹介するのは、スピンオフにあたる逆転検事1&2だ。
「なんでスピンオフやねん」ってつっこみがありそう。
あとスピンオフなので、どうしてもメインの逆転裁判を抑えたほうが楽しめるキャラクター、演出はある。
ただ、本筋のストーリーは、過去のシリーズを遊ぶ必要はない。特に逆転裁判のテーマの1つである「霊媒師」は逆転検事に登場しない。
なぜおすすめするかというと、都市伝説解体センターと類似点が多いからだ。
- キャラクターを実際動かして捜査していく
- キャラクターの頭の中でロジックを組み立てて推理を深めていく
- どんでん返しがすごい
逆転検事2は販売してからかなり評判で、最高傑作だった逆転裁判3にせまる評価の高さを見せていた。
おそらく、全シリーズ通しても最後の黒幕はかなり衝撃的だと思う。深くは言えないが、都市伝説解体センターが好きな人なら、共通点を見出せるはず。
1に登場したキャラがそのまま引き継いで2に登場するので、キャラクターへの親密感をあげたいのなら1から始めてもいいのだが、時間がないのなら2からはじめても事件そのものは刷新されているので、楽しめる。
逆に大逆転裁判は絶対に1から2を順番に遊ばないといけない。
超探偵事件簿レインコード 0章からどんでん返し、世界観そのものが謎
逆転裁判と双璧をなすぐらい、アニメーションを利用したADVで大ヒットして、さまざまなメディアミックスもした「ダンガンロンパ」のスタッフで再構築された作品。
再構築といっているが、続編はなくこの1作で綺麗に終わる。
ダンガンロンパも非常に面白い。3作品遊ぶ価値は本当にある。特に3は賛否両論だが、寝食忘れて遊んだADVなので間違いなく面白い。
どの作品も衝撃的な展開が用意されているし、「え?こんなトリックよくおもいつかれたな~」と感嘆するぐらい構成力がすごい。
ミステリー好きなら遊んで間違いなし。
しかし、時間がない人と最新のADVを遊びたいって人は、レインコードがおすすめ。ただPS5を持っているならレインコードプラスがおすすめ、元はswitchで販売されたが、どうしてもハード性能の違いでロード時間が全く違う。
情報収集や世界観の説明がそれなりに長いので、都市伝説解体センターと同じで、物語の真相に進むまではややまったりとした流れになっている。
逆にダンガンロンパは、最初はキャラ数が多いが、世界観の性質上サバイバルゲームを行うようなものなので、どんどんキャラが減っていて、キャラへの愛着がどんどん湧いていく。危険な作品だ(笑)
レインコードプラスも素晴らしいキャラが多く、ダンガンロンパシリーズも含めて、実力派声優がほぼフルボイスで喋る。ここまで声優の質を高めているのとボイスにこだわっている作品はあまりない。
純粋なボリュームはサブクエストを含めると今まで紹介したゲームの中では1番。
ミステリーの多くは、黒幕=人物に焦点をあてるが、レインコードは名前の通り、ずっと雨が降り続ける歪な都市が舞台となっており、なぜそうなっているのか?という答え合わせがちゃんと行われ、世界観そのものが謎解きのギミックになっている。
どんでん返しもそれなりにあるが、序章にあたる0章から「え?そんな展開やってもいいの?」って思えるようなことをやってくる。何も知らないまま、さらにダンガンロンパのノリを知らない新規プレイヤーが遊ぶとかなり驚くこと間違いない。
428 封鎖された渋谷で 個人的に生涯ベスト級のADV
最後は、実写映像を使ったADV
スパイクチュンソフトの428封鎖された渋谷で
タイトルの通り、渋谷が舞台になっている。
発売時が wiiでしかも2008年であり、スマホアプリでもリリースされていたが、現在は中止されており、遊べるのがPS4ぐらいになっている。できればswitchでも遊べるようにしてほしいが。
ビッグタイトルや話題になったADVはなるべく触るようにしてるが、この428は本当に好きで、2週ちゃんとした。
ドラマを撮影して、その中で最も迫力のある部分を静止画にしてそこにテキストを挿入している。
ADVとしてはシンプルな選択肢を間違えたらゲームオーバーになるというもの。
一見するとFateのようなノベルゲームに近いかもしれないが、ゲームオーバーになることが実は重要な作品で、バッドエンディングも複数用意されており、それを収集するやり込みがある。
メインの5キャラは最初こそ独立した立ち位置になっているが、渋谷で起きた1つの爆破事件をきっかけに、大きな陰謀に巻き込まれていく。
名作ADV「街」スタッフが作っていることもあり、1人のキャラクターが進めない状況になったとき、他のキャラクターの選択肢を変えることで先に進めたり、バッドエンドを回避していく。
そうやって、徐々に5人のバラバラだったキャラクターが収束していく過程が本当に面白いし、熱中していってしまう。
ただ、物語そのもの「どんでん返し」が強いかどうかはちょっと難しい。今まで上げた作品に比べると、どんでん返しそのものを狙って作った作品ではないので。
ただ、発売して20年近く経過するが、今なお筆者が遊んだADVで一番の面白さだと思う。

