胃の薬 重要
制酸薬
胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それにともなう胸やけ、腹部の不快感、吐き気などの症状緩和
炭酸水素ナトリウム(重曹)
アルミニウム、マグネシウム、カルシウム
合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
(アルミニウムとマグネシウムを含む)
中和作用が低下するので、炭酸飲料での服用は適当でない
アルミニウムを含む成分は、透析療法を受けている人は避ける
健胃薬
弱った胃の働きを高める。配合される生薬成分の独特の味や香りを有し、唾液や胃液の分泌を促して胃の働きを活発にする
オウバク、オウレン、センブリ、ゲンチアナ、リュウタン、ケイヒ、ユウタン等
味や香りを遮断されると効果が期待できないので、オブラートなどで包まない。
※何が苦みによるか、香りによるものかを把握する必要もありますが、赤字が一番大切です
消化薬
炭水化物、脂質、たんぱく質等の分解に働く酵素を補う
胃粘膜保護・修復成分
アズレンホルン酸ナトリウム、アルジオキサ、スクラルファート、ゲファルナート、ソファルコン、テプレノン、セトラキサート塩酸塩、トロキシピド、銅クロロフィリンカリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロライド
アルジオキサ、スクラルファートはアルミニウムを含む成分であり、透析を受けている人は使用を避ける。
ソファルコン、テプレノンは肝機能障害を生じることがある
セトラキサートはトラネキサム酸を生じることがある
消泡成分
ジメチルポリシロキサン
泡をはじけさせる
胃液分泌性成分
ロートエキス
胃液の分泌をおさえるため、アセチルコリンの働きを抑える
ピレンゼピン塩酸塩
消化管の運動に影響を与えず、胃液の分泌を抑える。しかし、消化管以外では抗コリン作用のため、抗コリンの副作用はあらわれる
腸の薬
水分の吸収は大半が小腸、大腸では適切な水分量に調節
自律神経系により腸の働きは制御されている。
整腸薬
腸や便通を整える、腹部膨満感、軟便、便秘に用いられる
医薬部外品として販売されるが、人体に対する作用が緩和なものに定められている。下痢・便秘のくりかえしにおける整腸については、医薬品においてのみ認められる。
ビフィズス菌、アシドフィルス菌、ラクトミン、乳酸菌、酪酸菌
生薬、ケツメイシ、ゲンノショウコ、アセンヤク
トリメブチンマレイン酸塩
平滑筋に直接作用。消化管の運動を調整する作用
止瀉薬
ビスマス、タンニン酸アルブミン
収斂作用を主体とする止瀉薬は、細胞性や食中毒につかうとかえって状態を悪化させる。
ビスマスを含む成分は精神神経症状があらわれた報告があり
タンニン酸アルブミンは、牛乳に含まれるたんぱく質(カゼイン)から精製された成分なので、牛乳アレルギーがある人は避ける
ロペラミド塩酸塩
食あたりや水あたりは適用対象でない
15歳未満の小児には適用がない
2~3日の使用にとどめる
腸管の運動を低下させる作用を示し、胃腸鎮痛鎮痙薬との併用を避ける
まれにイレウス様症状を生じる
中枢神経抑制作用もある
腸内殺菌成分
ベルベリン、タンニン酸ベルベリン、アクリノール、木クレオソート
タンニン酸ベルベリンは、タンニン酸(収斂作用)とベルベリン(抗菌作用)の化合物
木クレオソートは、殺菌作用のほか、局所麻酔作用もある
瀉下成分
小腸刺激性
ヒマシ油。3歳未満の乳幼児は避ける
大腸刺激性
センナ、センノシド、ダイオウ、カサントラノール、ビサコジル、ピコスルファートナトリウム
流産・早産を誘発するおそれがある。センナ、センノシドは妊婦又は妊婦しているとおもわれる女性は避ける
ダイオウを含む漢方処方製剤は、母乳を与える女性は避ける
ビサコジル、ピコスルファートナトリウム
大腸のうち結腸や直腸の麺幕を刺激。結腸での水分の吸収を抑えて、糞便のかさを増大させる動きもある
ピコスルファートは大腸に生息する腸内細菌によって分解されて、刺激する
腸溶性製剤の場合、制酸成分を含む胃腸薬の服用や、牛乳の摂取を避ける
ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)
糞便中の水分量を増してやわらかくする
マルツエキス
麦芽糖が腸内細菌によって生じるガスによって便通を促す
乳幼児の便秘に用いられる
水分不足に起因する便秘に効果なし