前作、ソムニウムファイルをクリアして、即座に続編であるニルヴァーナ イニシアチブをクリアした。
クリア時間は16時間ほど。しかし前作よりもボリュームはあるといっていい。今回は最初からかなりスキップ機能を活用して、謎解きもわからなければ、スキップ機能を使っていたからだ。
AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ 前作との違い
前作から世界観を共有した内容になっている。前作の知識やネタバレを知らなくても、楽しめるものの
- 「前作のあのキャラがこんな立ち位置に」
- 「前作で使って、どんでん返しを今作ではそんな風に」
という前作をプレイしたからこそ受けるギャップなどもあるため、月並みな言い方になるが、前作をクリアして損はない。
時間のない人は、前作のネタバレ記事や動画をみるのもいいかもしれないが、あの後半になって様々な伏線が紐解かれていく快感は、20時間近く遊んだプレイヤーの特権だといえるだろう。
発売から5年近く経過しているため、本ブログでもネタバレ感想は記載しているものの、極力ネタバレなしで楽しんでいただきたい。
(1作目のメイド喫茶で働いていたキャラクターも登場する)
前作との大きな違いだが、難易度調整できるようになり、QTEやソムニウムパートをライトに楽しめるようになった。
物語の流れは、ある連続怪奇殺人を追うという点では前作と共通しているものの、前作は殺人事件のミステリーや、犯人の心理状況まで読むというコテコテのミステリー小説を読んでいる気分にさせられたが
(6年前と現代それぞれの時間軸で発見された半分に割れた謎の死体から物語はスタートする)
(3D空間を歩きながら、事件の内容を捜査するパートも新しく追加)
ニルヴァーナ イニシアチブは、どちらかというと謎解きに重きを置いている。だからスクリーンショットとメモ帳をフル活用する必要がある。
さらにソムニウムパートも、1作目よりも表現方法、パロディのはっちゃけ方はさらにすごいことになっている。夢を仕組みとしたゲームでは、これ以上の発想はないのでは?と思えるほど
(本編の世界観そっちのけで、1つのゲームとして成立しそうなソムニウムパートもある)
ただ、バラエティが多すぎて、謎解きをやりたいのに、アクションが始まったりとちょっと散らかった感覚はある。
そして、1作目はクリアしたらある程度、謎が解決されて頭がすっきりするのだが
2作目は、ネタがネタなため、おそらくクリアしても疑問点が残り、もう1週したくなる衝動に駆られてしまう。
ニルヴァーナイチニシアチブは発売日から2年程度しかたっていないことと、あまり大きくネタバレする人が少ないので、このブログでも極力ネタバレを控える。
AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ トリック主導のストーリー 微ネタバレ
あまり語りすぎるとネタバレになるのが怖いのだが
1作目が、内側のトリックに対して、2作目は外側のトリックという点で、大掛かりな仕掛けが施されている。
(みずきと龍木の2人の男女の主人公、そして過去と現代の2つの時間軸…)
この構造から、1作目の内容やキャラクターの関係性を信用している人は、2作目の終盤で驚かされるという仕組みがある。
あまり踏み込みすぎてもあれだが、2作目には、かなり大掛かりな叙述トリックが施されている。
アドベンチャーゲームを遊ぶ上で、我々が最も信頼しているもの、まず疑わずに受けれ入れているものが崩壊するとき…
これは、複数のアドベンチャーゲームを手掛け、成功に導いた打越氏だからこそできるトリック、仕掛けだと感じた。
AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブは前作を超えたのか?
個人的な主観になるが、ミステリーとしての面白さ、謎が解けていく快感というのは、1作目の方が、上だったと感じる。
しかし、傑作ミステリーと評価されながら、そのハードルを越えているといっても過言ではない続編を作成したスパイクチュンソフトはさすがだと驚嘆したのも事実。
あとトリックが大がかりであることと、1作目に比べるとキャラクターが多いため、それぞれキャラクターの整理が難しい点と
やや、役割に重視しすぎて人間性や、内面が描写しきれていないキャラがいるように感じられた。
ソムニウムパートも前作ほど、キャラクターの内面やトラウマに向き合うというパターンが多くなく、最後のメンタルロックまでは、ひたすら別ゲーをやることになり、ラストに事件の手がかりが提示されるという流れが多い。
ということで、繰り返しになるが、ダンガンロンパのように前作のトリックを知っているからこそ逆にはまる構造が用意されており、前作ファンは間違いなくやるべき内容になっている。
できれば、また記憶をリセットして遊びたいゲームだ。