学生時代、最も遊んだ格闘ゲームの1つといっていい鉄拳シリーズ。
最初に遊んだ鉄拳は、PS2とほぼローンチだった気がするが、鉄拳タッグトーナメント。そこからほぼすべての鉄拳シリーズ(GBA版も少し触った)はほぼ触りました。
しかし、鉄拳8は、社会人になって、時間とゲームをやりこむメンタルを確保できなくなって実は購入していない。
今回はその鉄拳8のシーズン2がバランス調整において、かなり攻撃寄りになりすぎてしまって、炎上しているということで、考察してみた。
鉄拳8 急激に強くなったといわれているポールとジャック8
シーズン2初期、なんとかなり強くなったキャラとしてジャック8とポール・フェニックスが挙げられています。
ジャックとポールは、ともにもともと火力が高いが直線的な攻撃で、単発火力が高いが、コンボゲーの側面もある鉄拳では、攻め手が単調だったりすると結局火力が出ないという問題がありました。
今回の鉄拳8のシーズン2初期では、ポールとジャックの一部の技の判定がやたら強かったり、ダメージが少ないコンボでもかなり火力が出るようになったり、一部ガード不能的な連携が修正されなかったりしたそうです。
ディフェンシブかオフェンシブか? 鉄拳8の問題
鉄拳8はもともとヒートシステムなどで攻め手が有利なゲームといわれていました。これは個人的にいいことじゃないかなと思います。
ただ、攻め手が有利というのは、攻めのシステムが充実しすぎるからいいというわけではなく、攻めの代表といえるギルティギアであれば、バーストという緊急回避システムがありますし、ストリートファイター6もドライブパリィという要素があります。
問題点としては、コンボ火力があがりすぎたことで2コンボでKOまで持っていける場面もあるといいます。
2コンボというのは2コンボ決めたら勝利という意味なのですが、コンボを決めてダウンさせられて、起き攻めの2択をミスってそのままKOということになります。
火力によりすぎると初心者優遇になりすぎて、ゲーム性も単調になるのですが、一方でディフェンシブによりすぎると絵的に地味になったり、上級者向けのゲームになりすぎて、新規参入しづらいってジレンマもあります。
鉄拳を例にあげると、鉄拳3までは基本コンボや単発火力高めでしたが、鉄拳4からかなりダメージバランスがとられるようになりました。
鉄拳6からのバウンドコンボからコンボゲーとしての側面が強くなり、攻め手が攻める時間が長すぎるという問題も生まれました。
難易度のインフレの最たる例が、鉄拳タッグトーナメント2でゲームとしてのクオリティは相当に高いものの、タッグシステムをフル活用しないとコンボ火力に格差が生まれ、家庭用でオンライン対戦していましたが、初段~2段が精いっぱいでした。
火力と実力差について 格闘ゲームのジレンマ
コンボ火力を高く設定すると、大味になり、初心者は一発逆転も狙える場合がありますが、ゲームとしては単調になります。
その問題の解決を提示したのが、ストリートファイター6になります。
ストリートファイター6のモダンのアシストコンボは、初心者でも簡単な操作で、フルコンボを叩き込める画期的なシステムです。
しかし、これが最強…というわけではなく、代償としてドライブゲージやSAゲージを消費することになります。
裏を返せば、初心者はいままでのストリートファイターで必殺技ゲージのリソース管理が難しい、ゲージがたまっても当たってほしい場面で繰り出せず、結局少し上の腕の人にぼこぼこにされるという問題がありました。
とりあえず、戦いの土俵に立ってもらう。それが大切なのです。
一方で、中級者以上になればいかにゲージを温存、消費するときに使い切るかを考えながらプレイすることが重要になります。
その最たる要素が「ドライブラッシュ」。キャンセルラッシュとも言いますが、通常技をキャンセルして一気にドライブゲージを使って、最後はフィニッシュすることで5~6割以上の火力もたたき出せます。
ギルティギアの最新作のギルティギアストライヴも同様に、ガトリングコンビネーションからの超必殺技は4割ぐらいのダメージを与えられますが、結局は核となるロマンキャンセルをどのように使うかで、ダメージの与え方が異なります。
初心者は爽快感、上級者は駆け引きを求めることによる格闘ゲームの難しさ
筆者が、鉄拳に求めるものは、ポールの崩拳が爽快だったらとにかく遊ぶみたいな感じです。
カウンターヒットで4割ぐらいもっていった鉄拳8までと違って、鉄拳4は3割ぐらいまで減少。
横移動によって簡単にかわされるようになって、ポールにとっての崩拳は主力技というより、相手を意識させる技みたいな位置づけになりました。
格闘ゲームはFPSやDBDと違って、キャラの違いがワンボタンとかボタンを押すタイミングだけで差別化されているわけではなく、鉄拳は1人のキャラに膨大な数の技が用意されており、それぞれ性能が全く異なります。
トレーニングモードにこもって、一通りの技を振ってみて性能を確認するだけで30分。そこから実践に使えそうな技を厳選するためにも時間がかかります。
鉄拳8になって、主力技がワンボタンになるなどの救済措置が生まれました。
格闘ゲームというのは、複雑だからこそやりこみがうまれ、研究が生まれる一方で、その複雑さは初心者参入の障壁になっていることも事実。
ただ、深いやりこみがあるからこそ、プロゲーマーという産業が成り立つというのも間違いない事実なので、鉄拳8はプレイする予定はありませんが、アプデがうまくいって、また複数のユーザーに愛される作品になってほしいと過去にプレイしたファンは思います。