12月20日、スターウォーズ現時点最終章にあたる、ep9「スカイウォーカーの夜明け」が公開されました。新三部作は、すべて劇場で鑑賞しているので、多少の思い入れがありますが、気になる登場人物の行く末と、ストーリーの結末はどうなったのか・・・
今回は、ネタバレ全開になりますが、スターウォーズライトなファンである筆者が、感想と評価をしていきたいと思います。
ちなみに、2019年はいろいろ映画を見に行って感想を書いています。スカイウォーカーの夜明けが2019年の見納めになると思いますが、よろしければ参考にしてみてください。
作品の評価 4DMXとの相性はあまくよくない
スカイウォーカーの夜明けは、最後のジェダイを批評するような形で、JJエイブラムスが「フォースの覚醒」に寄せた映画といわれています。
今回は、3D4DMXで鑑賞しました。3500円しましたが、4Dは戦闘機の動きと椅子の動きが、あまりリンクしていなくて、違和感を感じましたね。
スカイウォーカーの夜明け単体で、評価すると、2時間20分と思えないぐらいテンポが速く、惑星が3~4つぐらい出てきて、ひっきりなしに戦闘が展開されています。
ただ、過去作に比べると銃撃戦が多いという印象で、ライトセーバーが大好きな人は少し期待外れかなと思いますね。
レイ 特別な血筋を受け継ぐことと、捨てること 自由意志のテーマ
レイは「最後のジェダイ」で親に捨てられた子供であって、特別な血筋ではないと暗に示されていましたが、「スカイウォーカーの夜明け」では、皇帝パルパティーンの孫であることが伝えられます。
パルパティーンは、いつ子供をつくったか、そしてパルパティーンの子は、なぜ真人間だったのか・・・いろいろ疑問は残りますが、少し残念でしたね。
レイは、普通の人間として考えると、超人的な運動能力や、フォースを扱えて、特別な血筋のカイロ・レンと同等の力を持っているのですが、ストームトルーパーのフィンだって、最終的にフォースを獲得したと思しき描写があるので、わざわざ特別な血筋として、みせる必要はあったのかな・・・と思いました。
仮にレンが特別な血筋を持っていないなら、カイロ・レンと正反対の立場になっていて、ライトサイドとダークサイドとして釣り合っていたのでは?と感じます。
フォースの覚醒時点では、持たざる者たちが集まるという登場人物がどのような物語を織りなすのかという点に期待できたのですが。
レイ・スカイウォーカーは自由意志なのか、伝統にとらわれているのか?
最終的にレイは、改心したカイロ・レン(ベン・ソロ)とともに、パルパティーンを打倒し、最後は、自分のことを「レイ・スカイウォーカー」と名乗ります。
これは、賛否両論で、スカイウォーカーの意志を継ぐというのは、わかりますが、親だってパルパティーンって名前ですし、親は娘の命を守るために命を犠牲にしたわけですから
「レイよ」「レイ・パルパティーンよ」でよかったのかな・・・と思いました。
ただ、定められた血筋や血縁から抜け出して、自分の選択をするという自由意志が、本作の一つのテーマなので、スカイウォーカーと名乗るのも一つの考えかなと・・・いやスカイウォーカーを名乗ることも伝統に縛られているような・・・
答えがないですよね。
フィン、ポー・ダメロン 女性との友情と恋愛によって成長する登場人物たち
最後のジェダイでは、フィンはレジスタンスから逃げようとしていましたし、ポー・ダメロンは自分の命をなげうつことが美学と思っており、人間的な欠点に強く焦点が当たっていました。
一方で、スカイウォーカーの夜明けは、ともにレジスタンスを率いるリーダーになります。それでは、人間的にすごく成長したかといわれると・・・・ポー・ダメロンは相変わらず行き当たりばったりな性格で、仲間を巻き込むんですよね。
ただ、フィンは同じくファーストオーダーに無理やり編成されて脱兵した女性と意気投合し、ポーは、過去に運び屋だったことが判明し、運び屋仲間の女性との愛を再確認?します。
新三部作は、過去シリーズに比べるとハン・ソロとレイア、アナキンとパドメといった固定されたカップルと違って、いろんな男女関係が垣間見えて、男女の友情や愛情を超えて、強くなるという描写が強調されているように感じましたね。
カイロ・レン(ベン・ソロ)ダース・ベイダーのフォロワーを超えることができたのか?
ハン・ソロとレイアの息子であるカイロ・レン。スカイウォーカーの血筋と、ルークから師事を受けた経験を持ち、作品内では圧倒的なサラブレットになります。
彼は、パルパティーンに出会って、パルパティーンに従事したダース・ベイダーへの憧れが再燃して、マスクを修復します。
ダースベイダーのマスクを修復できなかったのでしょうか・・・
ファーストオーダーの党首になりますが、いまだハン・ソロを殺したことを後悔しており、レイにフォースで交信します。なんと、物理的に遠距離で触れ合うこともできます。
最終的に、改心して、レイとともにパルパティーンを打倒します。
愛するものを救うために戦ったことが、ベイダーと同じ行為をしたとベン・ソロは評されています。
最後、自分のフォースをすべて使って、レイを復活させ、彼女と熱いキスを交わしたところを見ると、カイロは、レイを愛していたのでしょうね。
なんというか、アダム・ドライバーは3作それぞれに違うカイロ・レンとしての強さ、ベン・ソロとしての弱さが表現されて、素晴らしい役者でしたが、結局はダース・ベイダーのフォロワー以上の感情がわかなかったんですよね…
スターウォーズ 最終章はなぜか印象に残らない?
思い出すと、ダイジェストのように駆け抜けた映画でしたね。
初見の鑑賞だと、すべてのシーンを思い出しながら、語ることは難しいかもしれないですね。
今までの9作品の総集編というか、総括するような作品でした。そのため、この映画ならではのアクであったり、個性というのは、あまり感じられず、JJエイブラムスらしい、うまくまとまった映画ではあるのですが、強烈に残るという作品ではなかったですね。
過去作を振り返ると、最終章というのは、どれも今までの2作品の整合性をとる作品という印象が強いため、1作目、2作目に比べるとパンチは弱くなるんですよね。
ただ、シリーズ6作で終了したと思われた、スターウォーズの文化を新しく構築した新作部作に携わったスタッフは、感謝しています。