さて、先にストーリーや敵の考察記事を書いたのですが、次はプレイフィールを述べていこうと思います。
純粋にサイレントヒルfは面白かったのかどうか?という記事になります。
結論から言えば、1週目はプレイ時間の約7時間、先が気になって夢中になって遊んだものの、2周目を遊ぶ気にはなれなかったというところです。
社会人になってもクリアできたゲームは駄作ではなく、一定の面白さのある作品だと評価しています。
ちなみに、戦闘も謎解きも物語重視で遊びました。
サイレントヒルfはサイレントヒルシリーズにおける10年ぶりの完全新作です。サイレントヒル2はリメイクされましたが、完全新作という点で、KONAMIが再びサイレントヒルというIPを発信するという意思表示は好意的に見ています。
サイレントヒルf 恐怖演出 サバイバルホラーとしてどうなのか?
サイレントヒルfはいわゆるサバイバルホラーに位置する作品です。
武器は鉄パイプ、バール、斧などの近距離武器に限定されており、武器を敵に当て続けると耐久力がなくなり、消耗すると壊れます。
また、所持できるアイテムも序盤は8までとかなり窮屈なアイテム管理が求められます。
サバイバルホラーの欠点である
「アイテムが少なくなりアイテムを求めるために探索し続けることで恐怖が薄れる」

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(サバイバルホラーあるあるのアイテムのリソース管理の面倒さはある)
この問題点を、あるエリアでは敵が無限に復活することや、アイテムを探せば手に入れられるけど、逃げたほうが得という点で、戦闘システムは用意されているけど、戦闘しないほうが得というところで、アイテム探索を過剰にしないような配分がされているなと感じました。
BGMも素晴らしく、怖くてyoutubeを聴きながらゲームプレイしてしまったのですが、SIRENのように女性や男性のうめき声のようなものが入っていたり、和楽器を生かしたBGMも多く、和製ホラーらしいアプローチが見られました。

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(赤と花は死を意味するような本作において、恐怖と美しさは表裏一体になっている)
グラフィックも最新のグラフィックスを活かしており、人物のテクスチャや造詣は海外のAAAには劣るものの、背景だったり、田舎の家屋、空気感は素晴らしく、クリーチャーも含めて、「SIREN3が出てたらこうなっていただろうな」って感慨深いものを感じさせる内容になっていました。バケモノの一部も明らかにSIRENを意識したバケモノがいましたから。
また「ひぐらしのなく頃に」で有名な竜騎士07氏の現代人にも通ずるテーマ性のあるストーリーも素晴らしかったと思います。もちろん4周してさらに感慨深いものになると思いますが…
サイレントヒルfの戦闘評価 現代風のスタイリッシュなアクションの中にも、ゲージ管理が重要に
サイレントヒルfの最大の特徴といえる近接武器のみの戦闘。
敵との間合いをしっかり調整したり、攻撃を当てるためにグロテスクな見た目の敵を直視する必要があったりとホラー的な要素と、うまく攻撃がはまったときの爽快感を両立したものになっています。

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雛子は運動神経の良い女性ですが、あくまで人間なので鉄パイプの弱攻撃ですら、雑魚敵の普通の攻撃よりも同じぐらいか、遅い早さになるので、間合い管理などが重要になります。
初期のボタン設定がやや納得がいかず、PSだと□がロックオンで、溜め攻撃が強攻撃のR2ではなく、なぜか弱攻撃のR1対応になっているため、間違って強攻撃が出たことが多数…
また武器耐久値だけでなく、「精神力ゲージ」がかなり大切で、物語重視だとセーブポイント行けば、精神力ゲージは自動で回復するのですが
基本的に本作の敵は通常攻撃でひるむことはなく、攻撃のタイミングで強攻撃をはなつ見切り攻撃か、ボタンを長押しして放つ集中攻撃(溜め攻撃)でひるみます。
自発的にひるませられる集中攻撃は強力だし、ダメージも高いのですが精神力ゲージをかなり消費します。
そして、他のレビュワーも激しく言及していましたが、接近したときのカメラワークが最悪。
KONAMIってアクションゲームにおける壁の透明化の特許を持っているって聞いたことがあるんですけど…
後述しますが、フルプライスで10時間近いボリュームがある作品ですが、武器のカスタマイズや強化がないため、強い武器は序盤から終盤まで強いですし、弱い武器は簡単に耐久値が下がって使いづらいままです。
この武器格差を自分で実験しながら探っていくのは楽しくもありますが、今の時代であれば、ネットですぐ調べてしまいますね。
ここからネタバレ

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また中盤以降になると、別世界の雛子が獣化したような状態になり、右腕が野獣の手になります。耐久値が関係なく、敵の復活を阻止し、デビルトリガーのように一定時間無敵というなかなかぶっ壊れ性能になっています。
ゲームとしてのアクセントはいいのですが、これがずっと続くので、別世界の雛子のパートはホラー色が一気になくなりましたし、ボスも難易度「物語重視」だったら、いかに覚醒状態を続けるかだけの勝負になります。
サイレントヒルf 謎解きについて 物語重視でも結構難しい…
サイレントヒルといえば、謎解きにも難易度設定があって、fにも存在します。
いちばんやさしい物語重視を遊んだのですが、正直「なんでそれがこうなるの?」って私の読解力が未熟なところもあるのですが、攻略サイトを見て、説いても消化不良が残るものもがいくつかありました。
謎解きばかりは、味覚や生理的な好みのようなもので、逆にfの謎解きは本格的で面白かったという声もあるかもしれません。少なくとも筆者はあまり好きではありませんでした。

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序盤のカカシの群れからナビゲートしてくれるカカシをあてる謎解きがあるのですが、あたったとしても、進行方向から少しずれないと次のカカシの群れに行き当たらなかったりします。
個人的になぜサイレントヒルfを周回する気になれなかったのか?
では、なぜ筆者は1週しかクリアしなかったのか?になります。
まず単刀直入に面倒だったから
ムービーのセリフなども変化するのですが、変化するポイントまでスキップしてくれたらいいのにと思いました。
竜騎士07さんを起用しているから、アドベンチャーゲームのアプローチでストーリーを作っていますが、SIRENのように実はクリアだと思ったら、別プレイヤーのあるシナリオで分岐があって、それをクリアすると新しい分岐が生まれる…って方式だったら相性が良かったのに。(SIRENのザッピングって、まさにアドベンチャーっぽいですからね)
マップは親切な部類ですが、意図的に迷路のようになっており、多少暗記が必要だったり、間違ったらペナルティとして敵が出てきたりとストレスがたまりやすいつくりになっています。

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(探索は楽しい面もありますが、目的地を目指すときは×マークが多くて、窮屈)
冒頭の時点で、何度も復活する敵をかいくぐりながら、目的の絵馬を探すというなかなかストレスのかかる謎解きがあります。
霧の町の目的地に到達するまでも何度も進行不能な箇所が多く、それがサバイバルホラーらしいアクセントだといわれたらそれまでですが、周回には不向きだなと思いました。
逆に「バイオハザード7」などは同じぐらいの長さですが、主人公の移動も早いし、慣れればサクサクと敵を倒せるし、謎解きも平易なものが多く2,3週はしましたね。
また、周回することで持っているお守りや、能力値の上限を引き継ぐことは可能ですが、武器を強化するとかモチベーションとなる成長要素があまり多くなく、ざっくりした強化になってしまいます。
世界観は壊れるものの、周回するのであれば敵を倒したら経験値を得られますという方式でもよかったのかな?と思ったり。
バイオハザード4であれば、敵を倒してアイテムや金を稼ぎ続けることが周回のモチベーションになったりするので。
サイレントヒルf 本当に「10年ぶり」に帰ってきたサイレントヒル

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これは評価と皮肉両方入っているのだが、サイレントヒルfは高品質で、まさに2025年品質の作品であることは間違いないのですが
ソウルライクな戦闘システムを除くと、10年前のサイレントヒルの最新作といわれても、違和感のないプレイフィールになってます。
- チェックポイントはあるが、比較的遠目になっているし
- カメラは不自由だし
- マップもやや迷路になっていて単調
- 強制戦闘が多い
サバイバルホラーは、一方通行なゲーム進行だが、その中でも窮屈さをいだいてしまいます。

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しかし、それらの緩慢なプレイフィールを圧倒するぐらいの、舞台のディティールとストーリーの見せ方。
グロテスクではあるが、単調なスプラッターではなく、日常生活でもフラッシュバックするぐらいに浸食してくるぐらい(だからメンタルの弱いときにプレイするのは注意)、描写の説得力は素晴らしい。和風ホラーとしての威厳を保っています。
巷では、本作のプレイ動画だけを見て、ゲームレビューを書いている人がいて、いまは削除されているみたいですが、話題になりました。
ゲームというのは、時間やメンタルに余裕がないとできないコンテンツであり、映画や漫画以上に時間を要求するコンテンツなので、ゲーム雑誌の記者や、ゲームレビュワーのyoutuberがやっていたら問題ですが
一般人がゲームレビューする分にはまぁいいのではないかと。傍観者が何かを言うよりも、ゲーム会社が、プレイ動画を見てレビュー記事を書くのはけしからんって姿勢をとるなら、そうなんだろうなという意見です。
かくいう私も、周回プレイしてすべてのエンディングを回収していないにもかかわらず、レビューや考察記事書いてますからね。
あと、ゲームクリアをしたゲームこそレビューすべきって意見もありますが、クリア時間50時間かかる作品で、20時間ぐらいでもう遊ぶ気力がなくなった…これも1つのレビューだと思います。
「クリアできるまでの面白さを感じられなかった」これは個人の都合ですが、そのゲームを購入したのであれば、レビューする権利はあるんじゃないかなとおもう人間です。
ただ、「クリアした人間のレビューしか信頼しない」って人はいるので、そういう人はクリアを保証しているレビュワーの記事をみればいいかと。
