今回は、SEKIRO(セキロ)の印象的なボスを回想しつつ、「なぜこのタイミングでこのボスか?」というプレイフィールを意識した考察を行いたいと思う。
ほんま、いいゲーム
ちょっとドラクエ11を触っており、2週目も途中なのだが、能力を引き継いでいるとはいえ、油断するとすぐに倒される・・・そんな状況でもサクサク進む。本当に腕の上達を実感できる。
あと、最近はストーリー考察のブログを読みふける。僕の大好きなSIRENも元ネタの一つにあったりして楽しすぎる。掘れば掘るほど、新しい発見がでるゲーム。このような作品は今後そう何本もあらわれない。
「セキロ 感想」でぐぐられるなら、だまされたと思って触ってみた方がいい。
鬼形部
撃破時間1時間
正攻法で進めば、多くのプレイヤーが最初に遭遇するボス。
槍の敵は遭遇するものの、非常に大きな槍で初見は圧倒的なリーチと馬上による機動力で面くらう。
そして、このゲームの象徴といえる2~3撃で死亡という現実に直面する。
○ボタンのダッシュで逃げ続けても、下手な逃走は相手に背を向け、機動力とリーチであっという間に初撃をもらう。
しかし、冷静に動きをみると切り返しの時に鉤縄でひっかけられるアイコンがよくつく。下段を振り回す攻撃の時も長時間アイコンが出続ける。
後にも先にもここまで鉤縄が長く出るのは、鬼形部ぐらいである。(後のボスは本当に一瞬)
そして、鉤縄をひっかけたあとに2~3発あてられる隙をしっかり作ってくれる。
通常の槍3連撃も、大きく振りかぶるモーションから突くのではなく、振り回すようになっている。
言葉で表現するのは難しいが、弾きを狙う場合は、相手の武器の先端が45度ぐらいでこちらに向かってくるときにガードを押すと、体感成功しやすい。
難しいと思えばガードすればいい。ガードを連打すれば、弾きの成功率は落ちるが、ガードをしてダメージも抑えられる。
前のレビューでも記載したが、セキロはすべての攻撃を把握する必要もなく、自分が反撃できて、弾きもできると自信のある攻撃のタイミングさえ計れば、どうにでもなるボス戦が大半。
セキロの剣戟の醍醐味を教えてくれるのは弦一郎だが、ボス戦における戦い方はすでにこの形部の時点で学ぶことが多かった。
まぼろしお蝶
撃破時間1時間
一応、二人目のボスとして記載しているが、彼女のいる平田屋敷はストーリー進行上、必須ではないらしい。
平田屋敷へいくフラグは、鉤縄で屋根伝いに葦名周辺をまわっていると、実は逃す可能性がある。
そして、平田屋敷は早期で攻略しようとすると、敵の密度や、ややきついチェックポイントの間隔、そして中ボス戦は救済措置があるものの、複数の雑魚に囲まれるという不利な状況と、明らかに「寄り道で難しいですよ」と示唆している。
お蝶もその例にもれず、なかなか強い
糸の上にのってこちらを襲ってくるときは、基本投げで、コンボの締めや突然の危は下段攻撃と覚えておくと、体幹や体力を削りやすい。
また、攻め続けて、弾かれたときの反撃はとっさにガードを押せば弾きやすい(他のボスだとワンテンポ遅らせてガードしないとタイミングがずれてダメージを受ける)
これも後のボスに応用が利くが、無理に体幹を削ろうと考えずにまずは、ヒットアンドウェイで体力を削りつつ、相手の行動パターンをある程度学習する。
半分ぐらい体力が減っていくと、体幹の回復がかなり遅れるので、いけると思ったタイミングで攻撃に転じる、または隙に攻撃した後に相手にあえてガードさせて体幹ゲージを少しでも蓄積させる。
お蝶は体力が少ないながら、体幹の回復は体力が満たされているときは即回復するので、まさに体力と体幹におけるTPOをわきまえることを教えてくれるボスだった。
葦名弦一郎
撃破時間2時間半
セキロのライバルに位置し、都合3度の斬りあいを演じる。
彼については、ごたごた語るより「実際に戦って覚えろ」というのがまさに的確な相手。
体力が3ゲージあるため、2ゲージまでは自力でクリアしたが、さじを投げ、攻略動画に手を付けてしまったボスでもある・・・ただ攻略動画をみたから余裕というわけではない。
あからさまな弱点もなく、序盤のボスにも関わらず、ジャンプからの下突きのあとに、突き、下段、何もしないという3択をかけてくる。
攻撃を弾かれた後の行動パターンも多い
代表的な例をあげると
- 右から比較的早い反撃できってくる
- 左から少しディレイをかけた反撃できってくる
- 後退して、ジャンプして弓を連射する
まるで格闘ゲームのようにち密だ。
面白いのは、普段なら3番目の反撃が一プレイヤーにとって対処が難しく、ただダメージを食らったり、体幹を削られるだけ、よくて仕切り直しなのだが、相手を壁際まで追い込めば、バックステップのときに攻撃が重なり、ダメージを与えながら攻めを継続できる。
このあたりもすごい格闘ゲームっぽい。攻めることへのリスクリターンが明確に示されている。
おそらく、ラスボス以上にモーションも贅沢に使われている。
さらに、ちまちま削る作戦を取ろうとしてもかなり追尾性能の高い弓攻撃が待っている。特にため攻撃の弓は、食らえばほぼ7割ほど持っていかれる。
セキロは相手の体幹もさることながら、自分の体幹を調整することも大切。走って逃げまわったり、むやみに攻撃すると体幹が回復せず、あっという間にガードクラッシュさせられる。
しかし、よほど大ぶりの攻撃でなければガードで体力が削られないというのもセキロの特徴である。
さらに、ガードクラッシュされるとセキロはのけぞって、ボスとの距離が少しだけあく。そこを畳みかけるように連撃されて一撃死というのは、実は少ない。
そのため体幹管理を重視するよう動画でレクチャーするプレイヤーは多いのだが、体力や瓢箪に余裕があれば、体幹を中途半端に回復させるよりも、あえてガードクラッシュさせて体幹を強引に回復させるというのも戦術の一つにすらなる。
プレイすればするほど、セキロのボス戦の懐の深さに驚嘆させられる。
しかし、一方で弦一郎に体力ゲージ3本はやりすぎ・・・とも思わなくもない。
初戦は少し体力と体幹を増やして1ゲージにするなどしてもよかったのでは…と思う。
まぁ3ゲージ目は、雷の対処さえわかれば、もはや処理のレベルになるのだが・・・
あと、ムービーは一度見たら、次は自動でカットされる仕様にしてほしい。これはこれからのアップデートによる改善や、続編がでるなら、ぜひとも改善してほしい。
獅子猿
撃破時間2時間
ち密な格闘ゲームのような弦一郎の後は、まるでモンスターハンターのようなボスが登場。
ガードをしっかり使ったとしても大ぶりで、ダメージが強くガードの上からかなり食らう。そのためヒットアンドウェイに専念した。
そのため、隙を発見するのは苦でなかったが、体力をちまちま削ることで長期化が必至となった。
本作は回復アイテムである瓢箪はチェックポイントで自動補充される。このシステムは本当に素晴らしい。
もちろんそのほかの丸薬などは消費するのだが、所持上限を持っていたらストックして、これもチェックポイントにはいったら不足分を自動で補充してくれる。
このシステムによって、回復アイテムを気にすることなく、どんどん死んでいける。
仮に瓢箪がほかのアクションアドベンチャーのように有限なら、すべてのボスをチキンプレイで倒すことになる。
逆にパワプロのように自動セーブを重ねていき、ボス戦もセーブされるようで
「あぁアイテムを使いすぎたからリセットしよう」というやり方もおそらく通用しない。
その影響をうけるのが、形代というアイテム。形代は忍具を使用することで消費される。こちらも上限を超えて取得したらストックされるが、序盤はあまりそろわない。
中盤以降になれば、マップでいたるところに落ちているし、敵を倒したら高確率でドロップするので、困ることはないのだが・・・
そして、獅子猿は爆竹が非常に有効なボスだ。
本作における忍具は、場面によって使用するサブウエポンという見方よりも救済措置が強い。
多くのボスは、明確に苦手としたり、隙を作ってしまったりする忍具が存在する。一方で、忍具はメインストーリーの道程やボス撃破後にもらえるものよりも、自力で探索してメインルートから外れるなどしないと手に入らないものもある・・・というよりそちらの方が多い。
私も初見プレイは爆竹のルートがわからず、中盤まで爆竹なしでプレイしていた。
もちろん、忍具を苦労して獲得する楽しさもあるが、戦闘が肝で、その選択肢を考えるというシステムで、初心者救済も兼ねているため、できればボス撃破やメインルートで獲得できるものが大半で、マニアックな使い方をする一部忍具だけは寄り道にしたほうがよかったとおもう。
あと形代も結局最後は200ぐらい余ってしまうのなら、瓢箪と同じようにスキルや寄り道で所持上限をあげる仕様にして、基本数はチェックポイントで補充という調整でよかったと思う。
さて、獅子猿だが、隙をついていくと驚くほどあっさり倒せる。本当にモンスターハンターの経験がいきた。
一度倒すと、首なし状態になり、本作のストーリーの核である蟲憑きによる百足があらわれる。本作屈指のホラー描写だ。
そして、片手に太刀を携え、序盤とは打って変わって、剣術でぐいぐいおしてくる。
ヒットアンドウェイを狙うと1戦目以上に長期戦になる。隙もすくないし、反撃をよくばったときのお仕置きがあまりにも遺体からだ。特に必殺の雄たけびは、ゲージがたまると死亡あつかいの怖じ気ゲージをあっという間に溜めてしまう。
逆に弾きがうまければ、相手に大きな隙をつくらせて1戦目よりもはるかに早く倒せる。
これもある意味セキロを象徴するようなボス(何回この言葉をつかっているのか・・・)
弾きに関しては、特定の技。例えば4連突き(判定は突きではない)の初撃を弾くと、うねうねと直立して、振り下ろしを行う。振り下ろしをはじけると獅子の身体がこちらへ引きずられ、4~5撃見舞える隙が生まれる。
複数回、失敗すると大ダメージ確定の弾きを要求され、失敗して死亡するとまたある意味退屈な首ありとの戦いに戻される。
しかし、ヒットアンドウェイも正解というわけではなく、相手の攻撃を何回も許すことになるので、一撃をもらうリスクを徐々に高めているという点も留意したい。
このインファイトに持ち込めば、体幹も削れて短時間で終わるがハイリスクローリターン。ヒットアンドウェイに持ち込めば、即死のリスクは回避できるが、ジリ貧におちいりやすいミドルリスクローリターンをどうとるかもセキロの面白いところ。
前半のボスだけを振り返ってみた。
振り返ると、前半のボスの方がトータルの攻略時間がかかっているかもしれない。しかし、その経験が後半にいかされる。
たまにセキロのレビューで「新しいボスがでても何回もしにまくる」というレビューがある。もちろんこれは、新鮮な体験ができて、楽しいというポジティブな感想。
ただ、序盤のボスで基礎固めや学習することが後半のボスへの応用に確実につながっているのだ。難易度の質という点では、一部のボスを除けば、セキロは常にプレイヤーの現在のスキルより常に半歩先を心掛けていることに気づかされる。
(先人たちのプレイをしっかり学習するのも大切)