モノリス岩井社長版の「令和の虎」。いつも楽しく拝見しております。
今回は、かなり賛否両論が巻き起こった
サービス特化型ファミレスを作りたいという門井さん(29歳)の志願者。
僕と全く同じ年の志願者でしたので、固唾を飲んで見守っていました。
マネーの虎放送当時は、小学生で志願者の甘い考えやプランに社長と同調して、「なにやってんだよ~」って子供ながらに突っ込んでいましたね・・・
今思うと、愚かな行為で、自分より年下、同世代の人間がたとえ批判され、テレビによって自由に編集されても立ち向かうという行動だけでも評価すべき内容なのに。
令和の虎は、フォーマットこそマネーの虎に似ていますが
1人の志願者あたり45分ほどの動画を3分割
マネーの虎ほどのエンターテイメントを要求していないので、細かいビジネスプランや虎側の意見をしっかりと汲み取った編集になっている。(不自然なカットがない)
なんと動画のタイトルに志願者のフルネームがのせられる(YOUTUBEで全国公開されることの了解を得たうえで配信している)
社会人になった今だと「令和の虎」の方がよりリアリティがあり、虎の人が感情的に怒鳴ったりするのではなく、諭す方向で説明されているので、聴きごたえがあります。
さて、今回の門井さんは批判を浴びており
1300万という高い希望額にそぐわない抽象的なプラン
この一言に尽きます。
- 食事は並みでも、サービスを追求し、働く人とお客様双方に満足できるような飲食店を目指す。その志は非常に素晴らしいです。飲食店は3K(きつい、きたない、危険)と言われている現状を変えたい
- そのために人件費を30%ではなく40%にして、原材料費を削るとのこと。
- 時給は1100円ほど(高時給ではなく労働時間にわりあてる)で、従業員のメインは学生
- 従業員を増やすことで、従業員の心の余裕がうまれ気遣いやサービスが向上。それによりお客様も満足してWINWINになる
- 平日ディナー、土日は完全予約制(会員制)にして、平日ランチは完全予約制でターゲットはサラリーマン。
- 具体的なパフォーマンスと料理はおいおい考えたい
- 飲食店で働かれる人は、環境が悪いため、基本的なサービスもままならない
3つの動画をまとめてみると、具体的なサービスや料理があるわけではなく、あくまで志願者の方が、飲食業の従業員として感じた不満を改善することで、良い飲食店が作れるのではないか?というアイデアで出されたものだと考えられます。
飲食の虎である渡邊社長の「サービスとおもてなしは違う」という回答がまさに今回考えるテーマですね。
残念ながら、日本という国は、礼儀やおもてなし、言葉遣いが良くて当たり前という前提からスタートしているので、日本舞踊や礼儀の第一人者の先生が接客されている、さらにそのマナーが身につく!!ぐらいの価値がない限り、おもてなしで客を呼ぶのは難しそうです。
そうか、ホストまでいかずとも「メイド喫茶」のように店内のある種の異空間に設定して、そこだけで味わえる体験というのを提供するか。(メイド喫茶もチェキやショーなどを頼まなければ、普通のバーなどと単価はかわりません)
一時期、ワンオペも問題になりましたし、現在ならコンビニオーナーが家族経営でアルバイトを確保できないという構造の穴が指摘されていますよね。
経営者になるなら、数字の問題は絶対重要ですし、飲食業というレッドオーシャンであるなら、突き抜けたアイデア、経営者の情熱、人材や自己資金などの行動などがより一層問われるところでしょう。
虎も経営者として感じた甘さを指摘されていました。
経営者になった経験は当然ないのですが、誰にだって一般の消費者の立場から、あるいはその業界の従業員になってから
「この業界こうなったらいいのにな・・・」
って疑問はあると思うんですよ。残業だったり、職場の雰囲気だったり、サービスの質だったり。
でも「雇われているし、それが対価なんだ」で多くの大人は見過ごしてしまうところに、「いやそれは違う!!」と自分の感情を優先して、一歩踏み出した勇気は,同じ年ですが、非常に素晴らしく、尊いものに感じられました。
マネーの虎にしても、全国放送で実名と顔がさらされ、ある志願者は放送終了後も、心ない批判や中傷を受けたという声も聞かれますが、一方ではマネーの虎の経験を活かして、ノーマネーだったとしても新規事業で成功したり、別の仕事で新しい自分を発揮されています。
門井さんにとって、この令和の虎が新しい人生のスタートとして、活躍されることをお祈り申し上げます。
そして、令和の虎はマネーの虎のように志願者、虎双方の人生観や考えを覗き見ることができる素晴らしいドキュメンタリー番組ですので、一人のでも多くの方に閲覧してほしいです。