PS5のダウンロードで3400円の価格で販売されたパルワールド。
2024年初頭に彗星のごとくあらわれ、いい意味でも悪い意味でも話題となった本作。
steamから、XBOXでもプレイ可能になって、そしてPS5まで遊べるようになったこのスピード感は素直に称賛したい。
というわけで、およそ11時間のプレイ時間で、最初の塔のボスを撃破したので、感想を述べてみる。パルワールドの面白さはこの序盤にこそ詰まっているといってもいい。
あと、今回まじめにPSポータルが欲しいなと思った
FF14プレイヤーなどは欲しいかもしれないが、こういう作業やちょっとした時間でも遊べる作品だと、モニターで遊ぶより携帯機で遊びたいって気になる。
パルワールドの登場で、ポケモンの立ち位置がやや指摘されているが、switchの後継機が、ロード時間ほぼなく、遅延もほぼなくswitch同様にテレビと携帯を両立できているなら、全然売れるだろう。
結論 パルワールドがポケモンより優れている点
いざプレイしてみたら、おそらく多くのプレイヤーが、ポケモンとは明確に違うゲームだということに気づくだろう。
ARKというサバイバルゲームに感化されてつくった作品といわれている。
どこが良かったかというと、クラフトによるパルの個性が多様化している点だろう。
ポケモンであれば、純粋に戦闘で強いか弱いかで要求されるポケモンが決まってしまう。
(パルに要求される役割はかなりある)
さらに進化の概念がポケモンにはあるため、進化前のポケモンをわざわざ使う理由となると、しんかのきせきをもっているポリゴン2などといった、かなり特殊な例に限定されてしまう。
対して、パルワールドはパルによって得意な作業などもかわっていくし、弱いパルであっても高値で売れたり、配合でよいパルを生み出せる可能性がある。
もちろん、最終的には効率の良い優れたパルだけが残るのだが、「初めてあうモンスターに常にわくわくどきどきできる」この高揚感は、新規IPの特権だといえる。
パルワールド 難易度についての評価は難しい
パルワールドの評価で一番難しいのが、難易度だ。
(かたくるしく考えず、面倒だと思うものはサクサク進むように変えるのが吉)
ノーマルであれば、プレイヤーが命を落とした場合、手持ちのパル以外をすべてロストする。装備もまた1からクラフトする必要がある。
パルワールドはオープンワールドサバイバルなので、不慮のアクシデントで命を落とすことがとにかく多い。特にファストトラベルを探し求めて少し道を踏み外して、高レベルパルに遭遇してやられるということはよくある。
また、AAAタイトルによる潤沢な予算とデバック環境があったわけではないので、動かない、異空間に飛ばされるなどのバグが報告されている。
筆者が遭遇したバグは、ゲーム再開時に建物に主人公がうまっているぐらいで、また再開しなおしたら改善されたが、注意が必要。
そのような不満を抑えるために、パルワールドは難易度をカスタム設定できる。
例えば、死んだときのロストをなくすとか、拠点にならずものが襲ってこないようにするとか、経験値やダメージもいじることができる。プレイヤーによっては極限まで、ぬるくもできるし、果てしなく厳しくすることもできる。
現時点で私は強さ基準をノーマルにしつつ、満腹度を減りにくくして、拠点の襲撃をなしにして、死亡時のロストもなくしている。
死亡時のアイテムロストがなければ、遠くまで行って何もなければ、デスルーラーすることができる。プレイヤーが取得したアイテムなどの成果はちゃんと反映されるから、気持ちよくプレイできる。(サバイバルゲームとしてはどうか?という問題はさておき)
パルワールド クラフトゲームが嫌いな筆者でも遊べる理由
クラフトは本当にプレイする前にはまれるか憂鬱だった。
スマホゲーでも、城ゲーを何度か遊んだことがあるが、これが本当に面白いのか?と理解できなかったことが多かったからだ。
(プレイヤーのレベルが上がるとクラフトできる武器、施設が増え、探索や戦闘が有利になる。すべてがしっかりとつながっている)
パルワールドのクラフトは、作業エリア内に複数のパルを設置して、水やりのできるパル、火をおこせるパルなど得意分野があり、得意分野を見極めて配置する楽しさがある。
プレイヤーが冒険してエリアを拡大している間に、畑で作物を回収したり、武器をつくってくれたりする。
あまりにも働かせすぎるとSAN値がたまって、仕事をしなくなったりするのだが、温泉や寝床を用意することで、この問題は簡単に解決する。
クラフトゲームとしてのわずらわしさが全くないわけではないし、もうクラフトに夢中で仕方ないですってレベルではまっているわけではないが、パルの存在によって、クラフトの面倒さがかなり改善されている。
ただどうしてもいかに新しいアイテム、強い武器を取るために効率的に素材を集められるか?が最終目標になってしまうのは、あまり好きではない。
この手のゲームでここまではまったのはレベルファイブの「ファンタジーライフ」以来。2025年にswitchでファンタジーライフの新作が出るらしい。
パルワールド オープンワールドとしてのクオリティについて
パルワールドの製作者はかつて、「クラフトピア」というブレスオブザワイルドリスペクトな作品を作っていた。
そして、このパルワールドにもブレワイリスペクトな要素を随所に感じる。
例えば、断崖絶壁にみえる山でも、微妙にでっぱてる足場が用意されており、スタミナを管理すればぎりぎり登り切れたり
場所によって、服装や、たいまつなどをもっているかどうかで寒さや暑さの影響を受けたり
移動に関しては、最終的に飛行能力をもったパルにのれたら、ほぼ解決するのだが
主人公の足だけで、ワールドを探索するのも面白いようにできている。
ファストトラベルポイントについては、可もなく不可もなく。もっと近い距離にあれば私は嬉しいが、緊迫感はなくなってしまう。
ところどころに洞窟などの軽いダンジョンが用意されていたり、フィールドボスが複数用意されている。
フィールドボスは基準のレベルに達していないとかなりきついし、達していたとしても上位のスフィア(モンスターボールのようなもの)がないと捕獲がちょっと困難だ。
(多くのプレイヤーが最初に対峙すると思われるオコチョ。かわいい見た目をしているが巨大で最初はその強さに驚く)
(仲間にするとライドも可能で、範囲攻撃、突進攻撃をもっており優秀。なによりこの撫でたときの顔が最高)
あと、フィールド上にちりばめられている特定のアイテムをとると捕獲率が上がるので、探索の意味もある。たまごや宝箱も「ちょっと寄り道すればある」というところに設置されている。
アンリアルエンジン5によるグラフィックの美しさはあるが、細かいテクスチャーはAAAタイトルになれていると、不満点がある。
しかし、探索する面白さなどは十分にある。
また、パルがこまかく配置され、ちょっと寄り道すれば登場するパルが様変わりする。工夫が本当に凝らされている。
パルワールドが長時間遊べる理由 ストーリーとBGMの簡略化の効果
(序盤からプレイヤーの命を奪ってくるレイン密猟団。そのボスを倒しに行くわけだが、そこに深いストーリーはない。文献などを読んで考察しよう)
(レイン密猟団はパルを強引に檻にいれることもあれば、道中の商人の命も奪っている)
(なぜかこの島は命をかけた決闘を申し込んでくる人間もいる…)
これは人によってはマイナスポイントかもしれないが、パルワールドはまだアーリーアクセス状態であり、完成系ではない。
ストーリーも各塔のボスを倒したり、パルをコンプリートするという目標はあるものの、強制されているわけではなく、かわいいパルとずっと触れ合って、いろんなところを散策したりするだけでいい。
この強制されない状況が、実はすごく心地よかった。
最近のゲーム、とくに大型タイトルになるほどにチュートリアルだけで長時間かかり、ムービーシーンにより、ストーリーにかかわらざるを得ないように感じる。
やりたいこと、はみだしたい気持ちはあるのだが、ストーリーに束縛されているようなこの感覚。
またBGMもパルワールドは戦闘に入る以外はほぼ無音だが、気になっていたyoutubeをだらだら聞きながら遊べる。このだらだらしながら遊べるゲームというのは、原神の時も同じだが、価値があると思う。
プレイヤーの感覚で、「よし今日はちょっといろんなエリアに足を踏み出そう」「今日は素材集めを重点的にやろう」と細かい目標をたてていくうちに、プレイ時間が膨大で、休日ずっとパルワールドを遊んでいた、寝る間もおしんでパルワールドをやっていたということになる。
結論 パルワールドはなぜ面白いのか?
長々と語ってきて、ではパルワールドは面白いのか?万人におすすめできる作品か?
答えはイエスだ。
(一生懸命働いてくれたパルが眠っている。苦労をねぎらうとともにそのかわいさにプレイヤーも癒される)
何の説明もなしに広大なフィールドに放り出されるわけだが、やるべき目標が常に右上に表示されており、こなしていくことで、自然とパルワールドのシステムを覚えることになる。
少し進むと新しいパルがどんどん入れ替わっており、その時にプレイヤーが必要な素材だったり、強さ、ライドを備えたパルが出てくるようにしっかり設計されている。
(最も重要な経験値稼ぎの一つが、パルをゲットしまくることというのは、英断)
最初のパルの1体である「モコロン」について、解説、考察する記事を別途上げる予定だが、導入の作り方がこの作品は恐ろしくうまい。
導入の作り方、先にすすむ期待度、わくわく感というのが、AAAタイトルでも到達できないものをパルワールドは出せている。
そのため、本来は長時間遊んで、何でもできる状態になってから楽しくなるはずのクラフトゲー、サバイバルゲーにも関わらず、初動で「このゲームは面白い」と多くのユーザーをつかませることができているのだ。