桜井政博のゲームについて思うこと2015~2019の感想・レビュー 情報はゲームを豊かにしたのか?

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僕は、桜井政博さんというゲームクリエーターを尊敬しています。

「なんだのっけから、この信者発言は?」って流れですが、改めて、彼のコラムを読んでそう思えます。

彼は、ゲームの作り手としてもさることながら、遊び手としても一流です。

さて、今回の新刊

「桜井政博のゲームについて思うこと 2015~2019」

(今回はこういう内容です!!って断言するのが安っぽくなるほど、多岐にわたるテーマの選定や情報量になっています。ご自身の目で確かめてください)

は、今まで、遊んで思うこと、作って思うこととと分けて発刊されましたが、今回は約5年分のコラムを詰め込んだ、かなりボリューミーな内容ですね。

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作り手と遊び手の発言力について

どのモノづくりでもそうですが、SNSやYOUTUBEが普及したことで、「作り手側の意見」というのが、可視化されるようになりました。

「僕たちはこういう意図をもって作りました」

「こういう批判がありますが、こういう実証があります」

ゲームなら致命的なバグだったり、長期にわたる発売延期や中止があった場合は、メーカー経由で声明を出した方が誠実だと思いますが

「このバランスはおかしい」

「ここの調整は、エゴがはいっている」

という枝葉末節の批判に対しても、反応されているケースがあります。

SNSの発達は、双方向のコミュニケーションを強化もしますが、あまり遊んでいなかったり、批判精神の強い人が発信しやすくなり、発信した言動が大きくなるというデメリットもはらんでいます。

幸か不幸か、桜井氏が手掛けるスマブラという作品は、莫大な量の版権を取り扱っています。そして、その版権の中には桜井氏が手掛けた作品も多く含まれています。

「パルテナの鏡や、カービィのキャラをひいきにしていないか?」

桜井氏はキャラランクで見れば、自分がかかわった作品は決して上位ではないと反論気味のコラムをされています。

冷静に考えれば、携わった作品の方が造形も深いし、そこからスマブラに還元できるリソースも多いから、おのずと増える方向になるのは仕方ないことと思います。

他の作品の完成度が著しく低いわけでもありません。(むしろスマブラというフォーマットに見事に落とし込んでいる作品が多い)

作り手と遊び手の最先端に立っている桜井氏は

作り手が情報発信をしていても、遊び手側がそれに気を病む必要はない。ゲーム業界は、遊び手が支払っている対価によって、アニメ業界よりは健全な経営がされているから。

一方で

最近のゲームが、恐ろしいまでの人員と手間がかかって製作されて1万円以下で提供されたり、PSプラスでフリープレイになっていることは、驚くべきこと。そこに企業努力が多く注がれている。

という業界側からの現状も投げかけています。

 

ゲームと情報の向き合い方について

情報が豊富というのは、幸福なことなのか?

例えば、社会現象になったバーチャ2やスト2に比べて、現行のストVやバーチャ5の方が、テクニックや技の量、キャラクターの数は圧倒的に豊富です。

しかしながら、情報の流通速度は、後者が圧倒的に早く有効なテクニック、強い戦法、強いキャラがあまりにも早くわかって、早期に離脱するプレイヤーが増える結果となりました。

実は、スマブラSPも離脱者はほかの格闘、アクションゲームに比べて圧倒的に少ないですが、YOUTUBEで見られている動画は

  • 有効なテクニック
  • ガチキャラの使用方法
  • VIP部屋での対戦

という流れになっています。

情報をいろいろ取得するだけでも半日たってしまいますし、動画でキャラの解説をみただけで満足してしまう自分がいるのも事実。

もちろん、スマブラは一人で遊んでも膨大なボリュームです。

情報というのは、ゲームの面白さを伝える役割もありますが、ゲームの楽しみ方を限定してしまう可能性もある、いわばもろ刃の剣なわけです。

以上を踏まえ、これからのゲームというのは

  1. 新しい情報を更新し続ける
  2. 情報を封鎖する
  3. 情報が理解されたうえで楽しめる構造を作る

この3種類でアプローチで生き残っていくのではないでしょうか。

1は、スマホゲームのように比較的少人数で既存のシステムを「コラボ」などによって使いまわせる利点があります。

桜井氏が言われるようにゲームは同じ行程を延々とプレイヤーに遊ばせる・・・ということを感じさせないための工夫です。

(コラボ企画というのは、ひたすら同じ攻略と成長に対して、刺激を与えるということがよくわかる家庭用作品・・・)

2は、エピソード販売で、徐々に小出しにしていったり、アップロードできないようにシェアプレイに制限をかけるというアプローチです。

しかし、この方法は効果的とは言えません。

エピソード切り売り型は、現在進行で遊んでいるプレイヤーを熱中させますが、後発組は既存のゲームと同じ感覚で遊びます。

アドベンチャーゲームなどは、分岐やエンディングを膨大に作るという方法をとりますが、そのアドベンチャーがよっぽど面白くない限り、離脱者を多く生みます。

アップロードの制限も、結局はYOUTUBEで公開されているゲームが多いです。

ストーリーが秀でているなら、違法アップを取りしまるというより、メーカー側がムービー集を有料で販売したらいいのでは?と思います。

過去にもメタルギアソリッド3サブシスタンスで、小島監督が再編集したムービー、プレイ動画で観るMGS3を実現させました。

ただ、開発側は余計な労力がかかってしまう贅沢な手法であることに間違いないですが。

 

僕はゲームの未来は3であってほしいと願っています。

代表的なケースは

ライフイズストレンジです

実は、本作はプレイ前にネタバレを見てしまいました。

しかし

時間を巻き戻すシステムはアドベンチャーゲームにどのような面白さを与えてくれるのだろうか?と考えたり、実際にその奇抜なシステムをしっかりとプレイに落とし込んでいたこのゲームに熱中しました。

ゲームは今も昔も、見ていて面白いではなく、触って面白い、自分のペースで進めて面白い。

という方向性であったほうがいいなと思います。

映画だって、「ネタバレで台無しになる映画」もありますが、逆にネタバレしたうえで見ても楽しめる映画があります。

情報社会に変化することで、デジタルなゲームは抜群の相性とともに莫大な成長を遂げる・・・と思いましたが、先行した情報によって楽しみや楽しみ方が奪われているというのも事実。

できることなら情報はゲームが楽しく遊ばれるためだけに使われてほしい・・・・

ですが、「情報は流通する」という前提を踏まえたうえで、どのような情報を発信し、人の関心をコントロールしていくか?そういった考えもこれからのゲーム制作には不可欠になっていくのでしょう。