M1グランプリ2020の決勝をすべて見ました。結果については賛否両論あるかもしれません、絶賛する人もいれば、炎上する人もいるかもしれませんね。それはいつの時代も同じ。
今回は、決勝メンバー10組を個人採点しました。そこで最高得点最低得点も出してみました。ネタの内容について、まとめてみたり、評価したりしました。
第三者の個人的な意見が気になる人は活用してみてください。掲示板のスレッドみたいな感覚でみてやってください。
※この記事は、あくまでお笑いが好きな素人が好き勝手に個人の主観で評価したものです。
M1グランプリ2020 個人採点 評価の方法
まず、評価の基準について、50点満点にしました。
評価基準は
ネタ構成 10点
起承転結の脈絡があったり、ちゃんと今までの流れを汲んだものになっているのか。漫才の上手さを素人レベルで見た評価になります
オリジナリティ 10点
漫才の内容、見せ方がいままで見たことがない斬新なものか。逆に昔から存在していたけど、今見るとすごく新しく感じるという魅せかたの上手さがあるかどうか?
キャラクター 10点
キャラが立っているかどうか。面白い人と感じさせるインパクトがあるか。逆に漫才のネタそっちのけで、キャラだけを強引に押すと点数を下げてます。
面白さ 20点
純粋に個人の独断と偏見で面白いと感じれたかどうか。
以上の50点満点の評価になります。
ちなみに、純粋に今回のネタだけを評価・・・したいところですが、過去のM1で見た芸人があれば、比較としてあげます。
M1グランプリ2020 決勝進出者 評価まとめ
M1グランプリ2020 決勝進出者 1組目 インディアンズ
吉本興業所属
ボケ 田渕章裕
ツッコミ きむ
ネタ構成 8
ひ弱な見た目をしているツッコミが、昔は悪やったんやぞと昔語りをするのを、ボケが余計な解釈をしたり暴走する内容。
最初は、ボケがひたすらキャラをごり押しして暴走するかと思いきや、中盤からツッコミが激しくなっていき、最後はお互いがしゃべりをぶつけ合うという綺麗な漫才。敗者復活から出てくるコンビは、突き抜けた何かというよりは、バランスが良くて万人に支持されるコンビが多い印象です。
オリジナリティ 6
久しぶりに見た凸凹コンビで、シュミュレーション漫才(俺は○○やりたいんやけど、お前○○やってくれへん?)とは違って、日常会話、しかも過去の話のきっかけだけで漫才を終わらせるインパクトがありました。
ある意味、温故知新を感じさせる内容。
ボケがひたすら、ツッコミの言葉尻をとらえるのが面白かったです。
キャラクター 7
ボケのガタイの良さと立ち振る舞いのインパクトはありながらも、漫才が深まっていくとツッコミの勢いがしっかりついて、両方の調和がとれている。
面白さ 16点
万人受けのできる内容、随所にアニメネタなども挟みながら、テンポがよく、良い意味で安定感がありました。
総合評価 37点
M1グランプリ2020 決勝進出者 2組目 東京ホテイソン
GRAPE COMPANY(グレープカンパニー所属)
ボケ ショーゴ
ツッコミ たける
ネタ構成 5
なぞかけから始まり、自分たちでネタのルールを作って見せていくスタイル。ただ謎解きの1問目、2問目、3問目の流れがあまり変わらず、特に2問目は間延びした印象。
オリジナリティ 6
言葉遊びという点では、オリジナリティはあまりないですが、ツッコミが過剰に間違いを指摘するという組み合わせが面白いです。
ツッコミの歌舞伎調ともいえるこぶしの入ったツッコミは一見の価値あり。もしかしたらCM起用されるかもです。
キャラクター 8
ツッコミの歌舞伎調ツッコミにキャラクターが集約されています。
面白さ 10
言葉遊びを武器にしながらも、ネタの意外性はあまり感じられず、2問目の長さ、「まだこの語尾のなぞかけをやるの?」と思ってしまいました。あと、意外に頭を使いすぎると笑いに集中できなくなるんですよね。
総合評価 29点
M1グランプリ2020 決勝進出者 3組目 ニューヨーク
吉本興業所属
ボケ 嶋佐和也
ツッコミ 屋敷裕政
ネタ構成 4
ボケが爆笑エピソードを披露するといいながら、その内容は・・・
ニューヨークらしいブラックユーモアだったり、日本人の心情すらも皮肉った意外と社会派な内容。
ただ、終盤まで一本調子で、ボケの倫理観が実はグラグラでした・・・というのはある程度予想できてしまった。
オリジナリティ 6
ブラックユーモアはニューヨークの武器であることは間違いない。
キャラクター 4
芸人=ゲスであるという再定義だったり、ある意味、霜降り明星のように昭和っぽい匂いのある芸人。
面白さ 4
決勝戦出場メンバーの中では、バラエティ出演経験も豊富で、フリートークも評判が高いニューヨーク。それが裏目になっており、バラエティの1コーナーのフリートークを聴いているような感覚でした。
特にツッコミはドン引きしまくって、あまり突っ込まないとか、逆に過剰に突っ込むというメリハリが見られなかったため、余計に少し面白いフリートークを聴いている・・・というイメージでした。
総合評価 18点
M1グランプリ2020 決勝進出者 4組目 見取り図
吉本興業所属
ボケ リリー
ツッコミ 盛山晋太郎
ネタ構成 10
有名芸人になると個人にマネージャーがつくけど、実際マネージャーがついたらどうなるのか?というシュミュレーション漫才
M1グランプリ2020決勝出場者の中では、最も実力を感じられ、ネタの構成に全く無駄がない印象でした。言葉の使い方、展開の選択、どれもが素人が聴いてもうまいなと感嘆するものでした。
オリジナリティ 6
シュミュレーション漫才なので、オリジナリティはあまりないです。ただ、ツッコミの言葉の強さはマイルドなのに、ボディコンタクトが多いのが、見取り図の強みだと思います。
キャラクター 9
ボケの甲高いツッコミは何度も聞きたくなる中毒性があります。あとツッコミの普通の人に見えて、仕事で暴走するという設定は、現代人を皮肉っているように見えて楽しめました。
面白さ 16
決勝を経験しているだけあって、落ち着いた漫才運び。うまいなと感じさせながらも、理屈抜きで笑わせるポイントも多数あります。
てくてく歩いて、何気ない一面だけど有名芸人なのに車で移動せえへんってどういうことなの?って気づきを見せてくれるのも素晴らしいです。
素晴らしい漫才師というのは、僕らが当たり前に感じていること、常識だと思っていることを斜めから指摘するのが、優れていると感じます。
総合評価 41点
M1グランプリ2020 決勝進出者 5組目 おいでやすこが
各々が吉本興業所属
ボケ こがけん
ツッコミ おいでやす小田
ネタ構成 9
ボケがカラオケでどの曲を歌っても盛り上がれないとツッコミに相談して、ツッコミがボケの歌や曲レパートリーを聴くことになるのだが・・・という内容。
歌ネタでM1を戦うというのは非常に難しいみたいですが、有名な曲を勝手にアレンジさせてしまい、アレンジのさせ方も発想が飛んでいて、「次はどんな改編をしてくれるのだろう」と嫌でも期待させられました。
また、中盤にちゃんと歌いきるのですが、ツッコミが「いや盛り上がれないだろ」とあぁ、そういえば原点はそこだったなと気づきを与えることで、間延びを防いでいます。
オリジナリティ 8
歌ネタそのものにオリジナリティはあまりないのですが、ツッコミの動きがユニークでした。小刻みに動きながらも、ボケとの距離は結構近めです。
また、ボケの歌ネタにあわせるように、リズミカルにかなり計算された足踏みをされており、ツッコミのキャラもたっているけど、ボケもしっかりたたせているという絶妙なバランスになっています。
キャラクター 10
ただ、七三分けでジャケットを脱いで、黒縁眼鏡・・・だからというわけではなく、見た目の統一感に負けないように、漫才は独自性があって、「ネタが面白かったな~」と思わせる。キャラクターをうまく利用しているため、10点です。
面白さ 16点
上の採点基準で、いいたいことはいいました(笑)
総合評価 43点
M1グランプリ2020 決勝進出者 6組目 マヂカルラブリー
吉本興業所属
ボケ 野田クリスタル
ツッコミ 村上
ネタ構成 3
ボケがツッコミにテーブルマナーを教えてほしいといって、教えてもらって、実際に実践しようとするが・・・
ネタがうまいとか構成ができているかでいえば、整合性はない。でも整合性があるから面白いわけではないです。
ただ、最初のテーブルマナーの説明で、ナイフとフォークの並びを説明したのは、無駄だったんじゃないかな・・・と思ったり。
オリジナリティ 5
以前のM1決勝で見た、ボケがひたすら自分の世界に没頭して、それに圧倒される相方・・・という構図ならオリジナリティが10点でした。このコンビは、会話が少なければすくないほど、コンビの距離が遠いほど、唯一無二の世界観を出せるのではないかと思います。
キャラクター 8
ボケだけだと、脂ギトギトのとんこつラーメンを味わうようなインパクトですが、ツッコミが冷静になだめることによって、逆にボケの暴走がさらに活きるという構図になっています。
面白さ 16
結構めちゃくちゃで、筋書きのない漫才・・・といえるかもしれません。
あと、ボケはR1でも優勝しており、2次元に深い造詣があります。今回のネタでも漫画好きにはたまらないネタがいくつか盛り込まれているはず・・・・
少なくともハンターハンターが好きな筆者はある1シーンで爆笑しました。
総合評価 32点
M1グランプリ2020 決勝進出者 7組目 オズワルド
吉本興業所属
ボケ 畠中悠
ツッコミ 伊藤俊介
ネタ構成 1
ボケがはたなかという名前がア行の連続で、その間に飯をつっこまれるかもしれないから、改名したいというのをツッコミに打ち明けるところからスタート。
設定そのものは斬新ながらも、最後までア行を言っている間に飯をつっこまれる・・・という最初の課題から抜け出していない。さすがに1つだけの課題に3分は長すぎる。
オリジナリティ 5
ネタのオリジナリティは非常に高い。
キャラクター 2
ツッコミのツッコミが時間を追うごとに激しくなるのはいいことですが、いささか言葉のセレクトがどぎつい気がしました・・・これは完全に個人の趣味趣向ですが。
面白さ 2
残念ながら1つも笑えるポイントがありませんでした。特にツッコミの言葉が厳しすぎる、きつすぎる、やや嫌味が言い方になっており、ユーモアとか皮肉とは一線超えた印象です。この受け取り方は個人差があるでしょう、逆にオズワルドのスタイルが大好きという人もいるでしょう。
総合評価 10点
M1グランプリ2020 決勝進出者 8組目 アキナ
吉本興業所属
ボケ 山名文和
ツッコミ 秋山賢太
ネタ構成 8
ボケが地元から友人がライヴにくるということで、ツッコミともてなそうと予行演習をする。実はボケはその友人の女性のことが好きで・・・
見取り図と同じく安定感があり、随所にお笑いどころを忍ばせている。ただ、いくつも笑わせたいというポイントが多すぎたのか、ボケに対して客のレスポンスが薄かったポイントがいくつか見られました。
オリジナリティ 5
特に目新しさはありません。安定感と職人的作りこみは素晴らしいのですが、それを超えるもう一つプラス要素があれば・・・と感じました。
キャラクター 7
見た目のインパクトなどではなく、表情で場の雰囲気をつくる、表情で笑わせるというキャラクターのお手本を見せてくれるかのような内容。
面白さ 6
見取り図同様、ネタ作りがうまいのですが、見取り図の甲高いツッコミのようなアイデンティティが乏しく、見取り図と比較されてしまったことが、マイナスに働いたかもしれません。
総合評価 26
M1グランプリ2020 決勝進出者 9組目 錦鯉
SMANEETPROJECT所属
ボケ 長谷川 雅紀
ツッコミ 渡辺 隆
ネタ構成 10
自分のCRパチンコ機になりたいというボケの願望にツッコミがふりまわされるシュミュレーション漫才。
ある意味、パチンコの負の部分、むかつく部分を余すところなく再現しています。限られた時間で、パチンコあるある演出を詰め込みまくったりしていて、無駄ばかりの動きにみえて、終わってみると無駄がなかったという驚き。
オリジナリティ 4
ネタの流れだったり、見せ方はオーソドックスなので、オリジナリティはあまりありません。
キャラクター 10
49歳でも漫才に挑戦して、M1というトップの舞台で戦える・・・これ以上のキャラクター性はないですね。まさに中年の星。さらに、決勝メンバーに劣らぬ運動力に脱帽です。
面白さ 20
私はパチンコを打ったことがあるのですが、終始腹を抱えて笑ってしまいました。
言葉選びも秀逸で「レーズンパンは見た目で損してる」ってなんだよって思いながら、爆笑してしまいました。
実は錦鯉だけ、2回見ました。
総合評価 46点
M1グランプリ2020 決勝進出者 10組目 ウエストランド
タイタン所属
ボケ 井口浩之
ツッコミ 河村太
ネタ構成 2
ボケが結婚しているけどマッチングアプリで不倫したいという訴えから、ツッコミがどれだけマッチングアプリしてももてないことを叫びまくる。
構成・・・というよりは、ひたすらツッコミがしゃべり倒すという点では、相方放置という点で、政治ネタを語りまくるウーマンラッシュアワーに近しいものを感じさせます。
オリジナリティ 8
ツッコミがもてない悲哀を語り倒すのは、ある意味衝撃。
キャラクター 5
キャラは立っているのですが、ツッコミだけが目立ちすぎている気はします。
面白さ 2
会場で女性ばかりが笑うんですよね・・・なんで男性は笑っていないでしょうか・・・本質をつかれているからですよ。
自虐ネタって結構武器なんですけど、僕はチビながらもこのネタ笑えなかったのですよ・・・
総合評価 17
素人が独断と偏見でつけた M1グランプリ2020 ベストとワーストのランキング
ベスト
1位 錦鯉
2位 おいでやすこが
3位 見取り図
ワースト
1位 オズワルド
2位 ウエストランド
3位 ニューヨーク
完全な個人の趣向でベストとワーストを分けました。掲示板のスレッドだとおもってみてください。
人によってはベスト1がワーストになっている可能性もありますし、逆もしかりです。意見はユニークな方がいいでしょう。
錦鯉に関しては、パチンコを知っているかどうかでだいぶ左右されます。
ワーストの共通点としては、展開の乏しさになります。「このテーマでずっといくの?」と思ったり、テーマの面白さに触れることができないまま終わったりというパターンが多いです。
逆にベストに選出されている決勝進出者は、変化だったり意外性を小刻みにいれていました。おいでやすこがの中盤からの展開や、見取り図さんはまさに職人芸といった漫才作りでした。