私の故郷、京都では現在進行形で、観光客が増加しすぎたことによるオーバーツーリズムが問題視されています。
実際に地元民はバスをあまり利用しない人も多いですし、晩御飯を食べようと周囲のラーメン店などをまわりますが、インバウンドの方が多くなかなか空きがない…
牛丼チェーン店をヘビーローテーションしています。(おいしいからいいんですが)
今回取り上げるのは、街中というよりも地下鉄です。
京都市の地下鉄の乗車数、運賃収入はなんと過去最高を記録しました。
地下鉄は1日当たり40万人以上の利用者となりましたが…
京都市営地下鉄の現状と問題点について考える 過密はどうやって解決するのか?
近年はあまり利用していないですが、パンデミック以前と比べても京都市営地下鉄は、人口過密が進んでいます。
特に京都市の中心街である四条、河原町のある烏丸線の四条駅は過密状況が進んでおり、どの乗り場がエスカレーターに対して最短か熟知している筆者でも全然上の改札階に上がれません。
特に8時台は過密になりやすく、始発~7時までは阪急烏丸に連絡するので、大阪などへの出張、サラリーマン、さらには早朝から京都を観光するインバウンドが多めになります。
8時以降になると、四条周辺で働く人々が増えます。四条周辺には、高島屋、大丸といったデパートも複数あります。
インバウンドが急増したことによって、おそらく四条周辺の雇用などが爆発的に増え、労働者が急増。
喜ばしいことである一方、地下鉄が過密になるという要因にもなっています。
この急増に対して、地下鉄側が明確な対策を打てていません。
- 本数は10分に2~3本程度
- 竹田行、国際会館行の双方が同じ駅でかぶっている状況
- 有人改札への出口が主に2か所
本数を増やすということは、運転手だけでなく、電車そのものも増やさないといけない場合が想定されるので、急に行うことは難しいです。
一方で、ダイヤの調整は過去にも何度か行っており、私がすぐに考えられるようなことでしょうから、上の人々は、なぜピーク時に竹田と国際会館行をかぶらせるかという合理的な理由があってそうしているものだと思います。
ただ、合理的な理由があったとしても、エスカレーターは長蛇の列ができ、それを回避して階段を選択しても、かなり慎重にあるかないと落ちてしまいそうな過密状況。
階段は一見広いですが、半分がくだり用なので、人数に対して釣り合わないスペースになっています。
もちろん、ピーク時の大阪メトロや、東京の環状線に比べたら微々たるものなのですが、「京都の地下鉄はそんなにこんでないだろう」という昔の意識のままの人が利用するとちょっと衝撃を受けるかもしれませんね。
京都と鉄道資本主義について考える
私がよく見ているPIVOTでこんな興味深い動画がありました。
京都は、市内に限定されますが、大阪、東京に並んで「鉄道社会」といわれています。
日本の多くは自動車社会であり、その自動車に合わせて、コンビニ、ショッピングモールなどが発展、発達して小売業ランキングのトップに名を連ねています。
京都は大阪や東京に比べるとイベントが盛んというイメージはないのですが、確かに市内に限って、営業などの仕事を外せば、自動車免許がなくても生きていけます。
生きていけるというだけで、例えばペットを飼っているとか、介護しているとかになるとどうしても車は必要になっていきます。生きるだけなら車は不要だけど、生きやすくなるためには車は必要…それは大阪も東京も変わらず。
あと、動画のコメント欄で「京都は自転車資本主義です」って意見もあり、それも確かにあります。
鉄道は東西南北でそこから外れるとどうしても自転車が必要になりますね。京阪、阪急も住所によってはアクセスしづらい人もいるでしょう。
自分は性格やメンタル的な問題で車を運転することは、基本的にないと思うので、鉄道資本主義の場所に住むしか選択肢はありません。
京都市の対策 駅職員の雇用を増やす
上の問題点と現状だけを見ると「京都市は全く対処していないじゃないか」と感じそうですが、一応京都市も雇用を増やそうという意識が強くなっています。
駅の掲示板やモニターなどに、若者の写真をはって、地下鉄やバス関係の職員の求人などがはっていました。
今までは、運転手や案内人といった限定的、特殊技能的な内容でしたが、広く雇用をしているような掲示物でした。
また2年連続で雇用者の給与があがっているという情報もありましたね。
おそらく、これは本数を増やしたり、混雑時のオペレーションをやりやすくするための対応策だと思っているので、京都生まれとしてこの状況を温かく見守っていきたいと思います。
今回は利用者、市民としてのみの視点で語りました。もちろん、管理する側、市職員の方にはお立場もありますし、やりたいけどできないという問題もあるでしょう。
そもそも、自分の時間、労働力、時には精神を使って、職務に取り組まれる方を尊敬しております。
今年は特に酷暑といわれているので、お体にお気を付けください。

