九条の大罪 最新巻12巻をネタバレ含む わかりやすく解説と考察 壬生の狙い、九条の役割 

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九条の大罪、最新巻の12巻を読んだのだが、あまりにも難しすぎて、私のちっぽけな頭だと1回だけでは全く理解できなかったので、人物壮観と何が問題なのかを整理して、行きたい。

ちなみに、現在の医療ドラマ「生命の値段」は11巻から続いているので、11巻の内容も含まれる。

過去にも九条の大罪については、記事を書いている。個人的にリアルタイムで追っている数少ない漫画だ。

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九条の大罪 生命の値段 11~12巻までの流れ

発端

白栖(しらす)総合病院が、新型コロナ患者を受け入れるとして、国から20億の補助金を受け取るも、全く受け入れておらず、国からの補助金をだまし取った責任を受けて、白栖雅之院長が辞任し、副院長の正孝が引き継ぐことになる

 

雅之はストレスのあまり趣味のSMを壬生に紹介してもらうが、壬生の策略で、未成年の女性が相手して、その写真を拡散されたことで、さらに炎上する。

正孝は、現在の無理やり老人を延命させながら、病床数を増やして経営する医療の在り方に苦言を呈しており、1巻で交通事故で足を失った子供の相手として弁護に立った九条を覚えていて、軽く憎んでいた

 

この正孝も曲者で、虚栄心しかない妻に嫌気がさしているのか、大手術の前は病院の女性医師と肉体関係に及ぶことをルーティンにしており、12巻の言動ではところどころ感情のない発言をしている。

 

12巻の内容

コロナの不正受給問題は落ち着きを見せるが、検察が白栖雅之に捜査をかけ、九条の兄、鞍馬が直々に乗り出す。

今後支払われる診療報酬を債権化して、ファクタリング(債権を買い取ってもらって資金調達する)をすることは問題ないのだが

 

白栖病院は、架空債権を用いた詐欺を働く。資金繰りにこまっていた白栖病院は、売掛先から代金を回収してもファクタリング会社に代金を用意できずに、架空請求を作ったとされる。

窮地に陥った白栖一家。雅之は捕まっており、息子の正孝も経営には無頓着。事務局長の射場(しゃば)がコンサルタントしているが、実は壬生の息がかかった人物だった。

 

射場と正孝は、債権回収会社(事件屋)の有馬にゆすられていた。今月中に5000万返済するか、できない場合は病院の債権を3億で譲ってほしいという無茶な要求だ。

壬生の狙いは白栖病院の売却だ。現在の腐った関係者をほぼクビにして、優秀なドクターに入れ替えて、病院の価値が上がったのちに売却する。

 

九条は壬生に依頼されて、組織を完全に終わらせないために、ファクタリング詐欺で身代わりにさせられる秘書を守ろうとする。さらに有馬に追い詰められていた射場も助ける。

しかし、有馬は白栖病院をあきらめるわけではなく、射場を精神的に追い詰めるために…

 

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九条の大罪 生命の値段の見どころと考察 九条VS鞍馬ようやく開幕

今回は、病院が舞台になっていることや、病院の高度な不正が問題になっているので、九条の大罪の中で最も難解になっている。

ただ、九条の大罪は実質主人公の壬生が、物語の中盤で「俺の目的はこうだ」とちゃんと読者に伝えてくれて、おおむねその流れになっている。

 

九条の顔や髪形はやたらとかわるが、壬生は不変なのでそこも主人公感があったりなかったり。

ただ、壬生が京極をおいやったにもかかわらず、余裕で平常運転しており、宇治からは、「伏見組が血眼になって探している」と忠告を受けているにもかかわらず、経営を続けているので、いずれしっぺ返しを受けそうではある。

 

今回の九条は最初から出ずっぱりではなく、中盤からやってくるというある意味、ウシジマくんのような立ち回りをしている。

 

では、おいしい場面だけやってくるのか?というわけではなく、一番混とんとした状況で現れる。

 

一番の見どころは、確執のある検事・鞍馬との対立だろう。鞍馬は白栖病院の不正を一気に暴いて病院を叩きのめしたい。

九条は壬生の依頼を受けているので、腐った経営陣だけを退散させて再興させたいという明確な違いがある。

ようやく兄弟対決がここで見られるのかと、1巻から九条の大罪を読み続けたファンは興奮を隠さずにはいられない。

 

現在のハンターハンターレベルに今回の九条の大罪は全員が頭が良くて、全員がどこかゆがんでいるという点で、人間関係の交錯が非常に面白い。

 

「生命の値段」というタイトルだから、ヒューマニズム的な内容と思ったが、全くそういうわけでもなく、医者が病院経営をする難しさというものが感じられる。

医療や手術に求められる知識やテクニックと、開業して病院経営をする知識やテクニックはまったくの別物で、多くの医者が、最難関の医師免許を取得してから、勉強や鍛錬を怠る傾向にあるというのは、人間だからそうだろうなとは思う。

 

白栖正孝は経営コンサルの射場におんぶにだっこの状態だし、父の雅之もヤメ検の弁護士にカモにされて、報酬金額を払い続けている。

 

よく、貧乏人や社会的弱者がふんだくられる、横暴される描写を描いた作品はあるが、普通に考えれば、年収が高い人間をだましたり、お金をふんだくったほうが金銭的メリットは大きい。

ただ頭が良い人間をだましたり、かすめとるにはやる側の知能も求められるわけで…

ということで、たぶん数ある法廷ドラマのなかでも今回の九条の大罪は、トップクラスで複雑で、難しくて、それでいながらおもしろい内容でした。

はやくも13巻が楽しみなのですが、13巻が発売される頃には、今回の内容を忘れていそうな…

 

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