まだ「テレビ朝日」「東映」から公式な声明は出ていないものの
ニュースで、スーパー戦隊が50年の歴史に幕を閉じると関係者各位に伝えられたらしい。
スーパー戦隊シリーズが半世紀の歴史に幕 少子化の影響で収益悪化か テレビ朝日は「編成については答えていない」
なぜスーパー戦隊の50話体制は終わったのか?
まだ正式に発表されたわけではないし、筆者はスーパー戦隊よりも仮面ライダーよりの人間ではあるが
ヒーロー大全みたいな本をかって毎日のように読んでいたし、レンタルビデオで親が借りてくれたスーパー戦隊をよくみていたし、当時夕方枠だったので、幼稚園が終わったらテレビを食いいるように見つめていたし
ヒーローショーで悪役に恐れて、ガチ泣きして外に出たこともあるし
デパートのおもちゃ売り場で親に駄々こねて、合体ロボットや玩具を買ってもらった記憶もある。
それだけに終了は残念だが、50年以上続いてほしいという熱量で視聴したわけでもなければ、玩具を買ったわけでもなかった。
終了の理由として、少子化があげられるといわれている。
あとは価値の多様化、ネットフリックスなどのサブスクリプションサービスと戦隊、ライダーは戦うことになり、可処分時間を奪うことが難しくなった。
良し悪しはあるが、仮面ライダーがBLACKRXでいったんテレビシリーズが終了し、クウガから龍騎に至るまで、いつ終わってもおかしくない状況の中、50話のお約束ではなく、50話のドラマをつくるという難題を克服した。
今回スーパー戦隊がいったん打ち切りになったが、仮面ライダーが残っているということは、玩具においても両者が強力というより、ライバル関係にあったということだ。
一方で、スーパー戦隊は大人向けの作品、大人の鑑賞に堪えうる路線も考慮されていたし、その苦悩が見える作品もあったと思うが、最終的に「伝統を守り続ける」ことを目指した。
スーパー戦隊とライダー、ウルトラマン 争いあう玩具シェア
ライダーも戦隊も「マーチャンダイジング」、劇中の放送はストーリーやドラマをみせながら、登場するアイテムを子供や大人に購入してもらう宣伝媒体になっている。
マーベルなら映画の興行収入などで回収していくが、ライダー、戦隊は民放で無料で最新作を誰もが見ることができる代わりにグッズ、アイテムへのウェイトが必然的に重くなってしまう。
しかし、ここ近年の平均給与が爆発的に伸びているわけでもなく、塗装やパーツの高騰によって、戦隊、ライダーのアイテムは高騰している。
DX玩具はなんとか高騰しないように企業努力で耐えているが、プレミアムバンダイのおもちゃの価格は、もうアルバイトや学生であれば購入するのがかなり難しいぐらいに高い。
50年、毎年違うコンテンツ、俳優、設定を提供するというのは、製作陣の並々ならぬ努力があったからということは言うまでもない。
ここからがコンテンツとしてのスーパー戦隊のはじまり? シン・スーパー戦隊が生まれる予感
こういうニュースが報じられると、スーパー戦隊の人気が落ちたんだなって短絡的に考えるかもしれないが
あくまで、民放で50話を常に放送し続けることが難しくなった
というだけだ。いったん休止することで、スーパー戦隊というコンテンツがもっと自由になる可能性がある。
例えば、「仮面ライダーアマゾンズ」みたいに東映とAmazonが提携して、話数や1話あたりの放送時間、そして規制に縛られない自由な作品が作られる可能性はすごく高まる。
タイパが重視される時代なので、50話で安定した面白さよりも10話ぐらいで刺激的で1話ごとに思い切り緩急のある話がでれば、令和の名作として語り継がれる可能性が高い。
伝統よりタイパが重視され、ジャンプで言えばワンピースですらいまだにトップの売り上げなのは変わりないが、離脱者が増えている。
また、1年通して提供する関係上、劇場版はテレビシリーズの延長線上になってしまい、新規層の獲得が困難になっている。
今まで以上に長い時間、まとまった製作費を投入することで、2時間の良質な映画を提供できるかもしれない。
現に仮面ライダーも「真・仮面ライダー序章」「仮面ライダーZO」「仮面ライダーJ」などが作られていた。
初めて仮面ライダーを見る人は「シン・仮面ライダー」より「仮面ライダーZO」を強くお勧めしたい。50分とは思えない満足感と、CGも混ぜ込みながらも、あくまでバイクアクション、スタントアクションを見せることに特化した作品になっている。
私が期待することとしては、50話の枠にしばられないより自由なテーマ設定、製作費の集中化、そして新規参入のハードルが低くなることだ。
ここ近年、アニメなどはどれだけ人気が見込めるものでもまず1クールで放送してみて、視聴率、評価が高ければ2クール、3クール続ける海外ドラマのようなシステムを取っている。
目指すべきは、鬼滅の刃のように漫画で読めば20巻ぐらいで参入しやすく、アニメや映画はクオリティアップのために集中して製作されて、アニメ、映画のみの層は長くコンテンツを楽しむことができる。
スーパー戦隊もそのように変化する可能性はある。
とはいえ、毎週のようにあれだけCGやスタントアクションをしっかり見せてくれるコンテンツを作れる。
メジャーな例で言えば、エヴァンゲリオンの庵野秀明氏によるシンシリーズ。ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーとやっているが、スーパー戦隊はやっていない。
とういうことは庵野秀明氏でなくとも、大人も楽しめるシン特撮がみることができるという大きな可能性が生まれたということだ。
もちろん公開された健康面さえクリアできれば、劇場に足を運んで楽しむだろう。
テレビ朝日と東映のコンテンツ制作能力は本当に素晴らしいと思うし、いままで50年間ありがとうございます、まずはお疲れ様ですといいたいです。
