Killer Frequency(キラーフリークエンシー)
というゲームを約5時間ほどプレイしてエンディングまで迎えたのでレビューしていきます。
キラーフリークエンシーは、Team17という企業によって開発された作品で、2023年の6月にリリース、PS、switch、steamなどに対応していますが
今回プレイしたのが、メタクエストでのVRプレイでした。かなりVRとの相性の良い作品ですね。
前半はゲーム作品としての長所短所、後半はネタバレを踏まえてより深い内容について語っていきます。
据え置きでやるかVRでやるかは一長一短なんですが、ぜひとも遊んでいただきたい作品なので、メタクエストで購入した場合の割引リンクをはっておきますので、よかったら使ってください。
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Killer Frequency(キラーフリークエンシー)はどんな作品なのか?
キラーフリークエンシーは、1980年代後半のギャロウズクリークという架空の田舎を舞台とした作品です。
主人公のフォレスト・ナッシュはシカゴの有名ラジオDJですが、とある理由で田舎に飛ばされ、そこで約30人を相手に細々とラジオをやっています。
相棒のペギーというプロデューサーといつものようにラジオ放送していた時に、緊急ダイヤルを受けているナビゲーターから、保安官が何者かに〇されたため、緊急ダイヤルを引き継いでほしいといわれます。
犯人は独特な口笛を吹きながらあらわれる「ホイッスリングマン」。
緊急ダイヤルを引き継いだナッシュはペギーとともに、ホイッスリングマンに命を狙われる市民を生存に導くために奮闘します。
舞台はほぼラジオ局だけで完結しており、多くのアドベンチャーが現場や様々なロケーションを移動したり、事件が起こった後に対応する流れに対して
キラーフリークエンシーは、リアルタイムで〇人鬼に狙われている市民たちを助けるために選択肢を間違いないように誘導するというものになっており
現場が見えないことがかえって緊迫感を高めており、一見チープなグラフィックも異形な夜の恐ろしさや80年代のノスタルジーを再現しているという点も注目です。
Killer Frequency(キラーフリークエンシー) アドベンチャーゲームとしての評価
アドベンチャーゲームの面白さとしては、AAAタイトルのアドベンチャーも遊んだことがあるのですが、本作はある意味、声だけの情報を頼りにプレイしてくという小説や映画の主人公になりきったような臨場感のある作品でした。
僕らはなんでもできて、なんでも情報が与えられる方が素晴らしいと思いがちですが、映像という情報がシャットダウンされることによって、提示される文章や地図、テキストなどを食い入るように見つめながら、市民を助けるように誘導するのが非常に面白かったです。
(30分ぐらいかかりましたが、かなり面白かったです)
特に面白かったのが、ホイッスルマンの次のターゲットが4人、4つの場所からどれかを当てるというもので
コルクボードにはられた情報から、4人の情報を60年代から80年代の新聞の切り抜きなどで精査しながら
「あれ?この人はもうこの世にいないぞ、ギャロウズクリークから出ているぞ」と情報を収集していきます。
他にも地図を見ながら誘導したり、ギャロウズクリークの地図を見て、一番近い人に電話をかけて助けてもらったりします。
(彼女とはぐれてしまった青年を迷路を使って脱出させます。がんばれユージーン)
(複数の高校生の中から鍵を開ける人、車を運転する人、ホイッスリングマンを誘導する人をそれぞれ配置します)
本作は幸いなことに日本語訳されているのですが、おそらくネイティブのアメリカ人であっても、しっかり読み込んで精査しないと正解にたどり着けないぐらいの読解力が要求されます。
ややネタバレになりますが、キラーフリークエンシーは市民を助けられなかったとしても淡々とストーリーは進みます。
難易度は市民によって結構異なり、選択肢を何度かミスっても許されることもあれば、1度のミスで即アウトというきつい場面もあります…
しかし、どれだけの市民を助けたかによってエンディングは分岐するためなるべく多くの市民を助けたいところ。
謎解きのレベルも結構ばらつきがあって、DJブースからでてラジオ局をまわって、資料や情報を集めるのも、モノによっては難しかったりします。
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Killer Frequency(キラーフリークエンシー) VRとして遊んだ感想
まずメタクエストの宿命として、他機種に比べるとグラフィックは結構落ちます。
それでももともと超高精細なグラフィックというわけではないので、問題はないかと。
ラジオブースを自分の部屋のようにだらだらしながら、オブジェクトに干渉するのが楽しかったですね。例えば左上のマイクをぶらぶら動かしたり
意味もなくエフェクトかけたり、レコードの音量上げたりしてましたね。
レコードは複数枚から選べて、ラジオの合間に曲をかえて、その間に事件の流れをペギーとおさらいするという感じでした。
あと、CMの合間にカセットを動かして、町長候補のやたらながい演説が流れたり、胡散臭い通販を流したりします。あとフロッピーディスクもありましたね。なんともレトロ
(アナログディスクもレトロブームによって百貨店に専門店が設置されていたりします)
(フロッピーディスクも時代の未来だ~って本編中のラジオ局長がいってたんですけど、結構はやくロングセラーのCDが出てきますね)
アドベンチャーゲームとしては意外と日常に即した行動とかルーティンを求められて、それが本作のリアリティにつながっていると思いました。
リアリティで言えば、本作ほぼラジオ局で完結しており、主人公が常にホイッスリングマンに追われるわけではないから怖くないってレビューしている人もいるんですけど…
めちゃくちゃ怖かったです。
(画像だと伝わりづらいのですが、このシーンをVRでみるとかなりぞっとします)
何が怖いかっていうと深夜のラジオ局を1人でいろいろ動き回る必要があるんですよね。
時には外にでたりして閉じ込められたりして、もしかしてホイッスリングマンに遭遇するかもと思うと結構怖かったです。
ホラーゲームは結構遊んでいるほうですが、VRのホラーは正直遊べそうにありません。
雰囲気も怖いし、BGMも結構恐ろしさを喚起するようなもので、よくできた作品だなと思いました。
Killer Frequency(キラーフリークエンシー) 欠点について
フラグ回収などはインディーズらしくあまり親切ではなく、こまかくオートセーブされるため、選択肢を間違った場合、最悪その前に戻れなくなるということがあります。
こまめに手動セーブする必要があります。
また会話はすべてフルボイスですがスキップすることが不可能で、2周目やろうという気になれません。
これはVRだけの問題かもしれませんが、資料などの翻訳を見ようとしたら、的確な角度で情報に焦点をあてたり、ものすごく近づけたりしないと見れなくて、これもかなり不便でした。
あとはそこまで気になる要素はなかったかもしれないです、個性的な作品なので好きな人にはかなりささるという作品ですね。
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Killer Frequency(キラーフリークエンシー) ホイッスリングマンの正体と舞台の考察について
ここからは重大なネタバレ注意でございます。
ホイッスリングマンは50年代に1度あらわれ、87年のゲーム内リアルタイムで復活することになります。
ホイッスリングマンはギャロウズクリークの学校にあるアメフト部(高校か大学かは覚えていないです)の新人をびっくりさせるための歓迎会で行われたもの。
ホイッスリングマンに扮した先輩が、他の人間を〇した演出をみせてびっくりさせるというもの。
ある意味、かなり不謹慎でぶっ飛んだドッキリなのですが、それを信じ切ったジョージという人間がホイッスリングマンを信じ切って、全力で逃げてしまって、最後に高台から落ちて亡くなってしまいました。
そのドッキリに加わっていたのがテディという地元の盟主の息子で、将来町長を期待されている男です。自己顕示欲が強くて、こんなアクシデントのための自分の人生が閉ざされることを恐れたテディは、父の権力を使って、全力で事件をもみ消します。
犠牲者となったジョージは、ホイッスリングマンだったというデマが流され、酩酊して、警察においつめられて溺死したというストーリーに書き換えられ、目撃者の証言もすべて変えられてしまったのです。
その現実を受けた、ジョージの恋人であり、ホイッスリングマンのドッキリを目の当たりにしたマリーという女性が、ジョージとの間にできた子供とともに、およそ30年後のギャロウズクリークで関係者に復讐を仕掛けることになったのでした。
ホイッスリングマンは2人いるというミスリードは見事なもので、ジェイソンやsクリームなどのホラー映画を見ている人ほどはまりやすい固定観念を利用したものでした。
田舎の閉鎖された地域なので、口封じも金や権力を使えば容易だったということでしょうか。
関係があるかわかりませんが、アメフト部はかなりの数が、電力会社に就職することができたのですが、その一部はホラー映画の話に夢中になって点検をおこたって、観覧車が崩壊する悲劇の感謝祭がおこったり
のちに車の窃盗グループの胴元をつとめながらも、自首して罪を免れたものがいたり
ホイッスリングマンのターゲットもターゲットで自業自得な一面が結構強いですね。
ホイッスリングマンのマリーはラジオ局を利用しながら、地元の不正を公にするということが目的だったようです。最終的にどれほどのリスナーが聞いていたかは不明ですが
選択やルートによっては生き別れた妹のペギーに手をかけることになるし、そもそも息子を〇人鬼として使っている時点で、マリーもかなり精神が不安定だなと感じられます。
おそらくですが、ホイッスリングマンの正体を隠すために、マリーは当時の事件当事者たちをターゲットにして、息子には自由に暴れてこいということで、80年代の高校生たちを狙わせていたのではないかと。
正直、それを素直に従って行動にうつしてしまう息子も息子でシリアルキラーの適性があるのではないかと…
金田一少年の事件簿の加害者のように、複数人を〇人するという動機はあるものの、街ごと巻き込んでいることや、結果的に関係のないナッシュにも手をかけようとしていましたからね。
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