獣道4で、カワノ(敬称略)とストVで戦い、圧勝したときど(敬称略)。そのときどが、配信にて、獣道4で戦った当時の心境を振り返りながら、配信されました。プロゲーマーでありながら、1人の求道者として、どのような心境でこの決闘に臨んだのか。非常に興味深い内容だったので、まとめてみることにしました。
ちなみに、勝負前の心境は、獣道4公式のビハインドザストーリーを読むことで、さらに楽しめます。獣道本番前に見れば、さらに楽しめるかなと思いましたが、今振り返りながら、読むのも面白いですよ。
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ときどはどういう心持で、獣道4に挑んだのか 怒りと敵地への想い
ときどは、今回の獣道4に関して、獣道2での敗北をいかして、怒りをもって挑んでいこうとしていた。
ウメハラ(敬称略)からすれば、今回のときどは王者側という立場で、受けるということで、ある意味、お客様のような形。ただ、ときどにとって獣道はウメハラのフィールド、つまり敵地。敵地に向かうためには、中途半端な取り組みをやってはいけない。
ときどは、持ち込み可能なものを一通り聞いて、椅子を前日に持参。さらにアカギスタイルで、敵地から提供される飲食を断り、持参した。獣道は6時間以上の長丁場だったので、飲食を断るのは、かなりの英断・・・
現場でもかなりピリピリした空気をもって挑んでいた。
ただ、椅子を持っていくことばかりに集中して、コントローラーの次に大切なヘッドホンを忘れたことで、申し訳なさそうにヘッドホンを借りたときどをみて、ウメハラはカワノが勝つかもと思もわれたかもという、なんとも温かい?エピソードもありました。
ときど カワノに対する怒り 筋の通し方
カワノに対しては、ビハインドストーリーでも語っている通り、直談判で対決を申し込まれたわけではなく、ウメハラを介して申し込んできたことに筋違いと感じていました。
さらに、ウメハラに対しては前回自分が対戦を申し込んで、負けている手前、断ることができない。
PVで「断れない相手から申し込まれた」というのは、カワノではないかといわれていたが、ウメハラだったことが、明らかになりました。
前述のように、怒りをテーマに獣道に取り組んでいたときどでしたが、勝利した後も、怒りが消え去らず、打ち上げに参加せず、そのまま直帰したとのこと。
ときど 勝利者インタビューに関して 最も余裕がなかった勝者
うなだれるカワノと対照的に「リベンジお待ちしています」と一言だけのときど。
ときどという人間性を知っているファンからすれば、「これはときどらしいな」と思う場面だったが、ときどにとっては悔いが残る模様。
獣道のインタビューは、ユウベガ(敬称略)を筆頭に、どれも魂のこもった熱いメッセージ、気の利いたコメントであったことをときどは評価しており、自分もそれができればと考えていた。
獣道というイベントは、トパンガやSFLを見ているような濃いストVファン、動画勢のみならず、「何か熱い試合が繰り広げられるらしい」という多くのゲーム好きが見ている場。
プロゲーマーとして、ストVの求道者としては、「リベンジお待ちしています」はあまりにも塩返答すぎたかもしれないとのことです。
ただ、あっさりだったインタビューには、裏話が合って、それだけ後がなかった、コメントを付け加える余裕がなかったと本人は振り返っています。
ウメハラと同じ領域に生きているときど なぜときどはカワノに圧勝したのか?
今回の獣道4に関して
カワノは勝ちたかった、ときどは負けられなかったに集約されます。
カワノは負けたとしても、トパンガ優勝、EVO優勝を引き下げております。
デメリットとすれば、獣道は格付けの意味合いもあるため、今後どれだけ大会でときどを倒しても、「あの時、負けたよな」という印象は付きまとうことです。
一方で、ときどにとっては、リスクマッチでしかなかったはずです。
前回のウメハラVSときどは、ときどが大会の実績があり、ウメハラにとっては10先という得意分野で負けられない、ただし勝てば獣道主催者として、筋が通るし、ストVトップ勢としてプレイが続けられる。
ハイタニ(敬称略)が解説するように、ウメハラにとっては世代交代のとんでもないリスクマッチでありますが、ポジションを守るためのリターンの高い戦いでした。
(獣道について、プロゲーマーによる解説動画はいろいろありますが、ハイタニさんの動画が一番わかりやすいです)
今回のときどにとっては、獣道でウメハラの再戦の可能性がありますが、それより、自分も世代交代の標的にされているというリスクの方が大きかったと思われます。
さらに、ときどは「負けたら自分のスポンサーがカワノにもっていかれるかもしれない」というプロゲーマーならではの視点でも、獣道に挑んでいました。
ほかのゲームは、そのゲームを専門に遊んでおり、獣道だけを標的に頑張るという目的がありますが、ときどの場合はSFLなどほかの大会も控えていての獣道であり、プロゲーマーと二足のわらじは、大変ですよね・・・そういう裏話を聞けるのもよかったです。
獣道で負けるということが、どういうことを意味しているのか身に染みてわかっています。
獣道2後に、同キャラ、さらにキャラをかえてウメハラを圧倒しても、埋まらない心の穴。獣道の借りは獣道で返すしかない。そういう気持ちが芽生えている以上、前後にカワノを圧倒していても、獣道という舞台だけでは負けられない。
ときどとカワノの違いは、土俵の違い。勝ちたいか負けられないか。
ただ、カワノも敗戦後にくしゃくしゃに泣いて、立ち上がれなかったことで、獣道での敗戦を知ることになったのでしょう。
私のようなゲーム下手、凡人には理解が及びませんが、獣道というのは、本当に濃厚なドラマを見せてもらっている気がします。
ときどが物申す 獣道の改善点と不備 獣道のガチについての定義
同時にときどは今回勝利したことで、次回獣道に出る可能性があれば、ルールに関してしっかり物申したいことがあるとのことです。
ちなみに、ストVはトッププロが争いあっており、情報共有されているプレイヤーも多く、ばちばちにいがみ合う構造を作ることが難しいため、次回の獣道5でストVが採用されるか未定とのことです。
多くのファンは、ストV最終年にときどとウメハラのリベンジマッチを望んでいる声は多いですね。
ときどは、まず明瞭されていないルールがあることに苦言。
現地で、付き添いはOKされていたが、インターバル中に付き添い(水派)からアドバイスを求めていたが、運営に止められる。アドバイスを直接受けることが禁止であることを聞かされておらず、メンタルを立て直す必要性があったとのこと。
EVOなどもセコンドについてアドバイスするシーンがあったため、セコンドをつけることがガチなのか?どうかは議論される必要がありそうです。
次に、対戦相手、パートナーはドラフト制にするなど平等を保つ必要がありとのこと。
例えば、コミュニケーション能力が高くて、人脈が広いプレイヤーならパートナー選びに困ることはありません。また資金力があれば、パートナーにお金などの対価をはらって、長期間、良質な訓練をさせることが可能です。
これは獣道2でウメハラが、大谷という若手の豪鬼使いを自宅に済ませて、ずっと相手させていたことへの間接的な批判ともとれる言動です。
ただ、敗北した言い訳というより、戦う環境はなるべく準備も含めて平等にすべきではないかという提案です。
これは難しいですね、格闘であってもジムの設備やスパ相手などに明確なルールがあるわけではないでしょうから。
ときどの提言が実現するなら、パートナー兼セコンドは1~2人に限定して、決められた候補からそれぞれを選ぶみたいな制約があってもいいかもしれないです。
ただ、獣道はお互いのすべてをかけて戦うので、人的リソースもある意味、ガチの一因ではないか?と思います。この議論には正解がなさそうです。
ということで、書籍ではなくこれだけの獣道の裏話が聞けて、大満足です。ちなみにスト2のこたか商店が、youtubeの生放送で獣道のこれまでを振り返っているので、それもまとめてみたいと思います。
ちなみに、ときどさんの著書買いました(笑)