今回もやってまいりましたハンターハンターの最新話。今回は結成という幻影旅団の幼少期の回想がメインとなっています。
ハンターに関する考察はほかにも記事をあげているので、よろしければご覧ください。
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そもそも流星街(りゅうせいがい)とは何か?
幻影旅団を知るためには、彼らの故郷と言える流星街について触れなければいけません。
流星街については、JC11巻の9月4日①にて、マフィアによって旅団の調査を依頼された「大統領の隠し子を3時間で調べられる男性」によって語られています。
旅団はあらゆる国民番号に照会されず、最初から存在しなかったという扱いになっている。つまり、社会的に全く存在しない状態。
面積は、東京都埼玉県程度の広さであり、そこに800万もの人間、兵器、ゴミなどが大量に捨てられており、この世の何を捨てても住人はすべてを受け入れるとされています。
過去に流星街の出身者が、えん罪でつかまり、のちにえん罪が判明。えん罪に関わった人間すべてが、流星街によって、粛清される。
粛清の方法として、流星街31名が、ターゲット31名と握手して、爆発。のちに判明するが、流星街の長老の念能力であり、のちにクロロに引き継がれる「サン・アンド・ムーン」です。
死体のそばに置かれたメッセージが
「我々は何ものも拒まない だから我々から何も奪うな」
流星街とマフィアの関係 なぜ旅団があのような組織なのか?
流星街とマフィアは蜜月関係にあり、そのため、マフィアを旅団に大量虐殺されながらも、旅団は流星街出身と知るや否や、旅団への報復を止めます。
それは、旅団に対して報復すれば、流星街との全面戦争につながるという考えでもありますが、身分のない流星街出身者は、犯罪や不正行為をするためには便利であり、マフィアも流星街の人材を重宝していたのです。
その経緯が、結成①で明らかになります。
当初、流星街の子供たちは、社会的存在証明がないために、狩りをされる対象になりました。
狩りというのは文字通り殺されるという解釈もできますが、過去の冨樫作品を鑑みると、「おもちゃにされてしまう」というニュアンスも含んでいるかもしれません。
子供さらいに苦慮していた流星街は、マフィアに守られることを条件に、マフィアに人員を渡すというのを条件に取引します。
マフィアとのつながりが増していくのと同じくして、流星街の長老の中に念能力覚醒者が現れます。その誓約が
「命は命でしか贖えない」「我々は何も拒まないだから我々から何も奪うな」
幻影旅団が、家族、友情的な関係である背景は、もしかしたらマフィアと流星街との接触で、知らぬ間にそういった考え、組織論を刷り込まれたから?と考えることもできますね。
旅団出身だったシーラ
結成①で最も衝撃的だったのが、シーラの登場です。
シーラはクラピカがクルタ族から抜けて、旅に出るまでの経緯を描いた0巻に登場するキャラです。いままでかなり謎の多いキャラでした。
シーラはプロハンター志望で、なぜかクルタの森に迷い込み、クラピカとパイロに出会います。足を怪我したシーラは、怪我している間に、クラピカとパイロに外の世界とハンターの本を教え、それがクラピカのハンター志望の遠因になります。(現在では旅団への報復ですが)
シーラは手紙を残し、突然クラピカたちのもとを離れるのですが、当初、シーラが、旅団関係者で、クルタ族を襲ったフィクサーではないかといわれていました。
のちに、シーラの目がパリストンに似ているから、パリストンの家族説や、ゴンの母親説などなかなか突拍子もない考察がされていました。
クルタ族は非常に閉鎖的な民族で、外部との接触や、外部に出たものへの罪が非常に重いと描写されています。
シーラが、好奇心だけでクルタの森に来て、それが長老に知れ渡ったとしたら・・・
0巻のラストには、クルタ族虐殺について「賊」としか明記されていません。なぜクラピカは旅団が犯人であるのか知った経緯は不明です。
惨殺体のそばには「我々は何ものも拒まないだから我々から奪うな」の文字が・・・
クルタ族虐殺に関しては、旅団のみならず、流星街ぐるみで行ったのではないか?と推察されます。
つまり、シーラが流星街出身で、クルタ族に幽閉または殺害されたことによって、復讐させられたと考えると、辻褄があいます。
結成①で明らかになったクロロ本来の性格について
幼少期のクロロは、知的で好奇心が旺盛です。また現在のようなカリスマ性とは違ったものがありますが、メンバーをまとめて、何か目標を成し遂げようという考えもあります。
ただ、旅団結成時のクロロは他の初期メンバーが驚くほど、性格が変わっており、クロロは多重人格者ではないか?という説もあります。
ただ、この説はちょっと疑問ですね。
私は、クロロの根底は重度なレベルで仲間想いであり、失った仲間の性格を自分の中に取り入れる気質があると考えています。
「団長の手刀を見逃さなかった人」より快楽殺人者とも称されていますが、ある意味、快楽的に殺しをするヒソカとは全く違う考えの持ち主です。戦いを楽しむ一面もありますが、一番の目的は、お金や能力の奪取などの成果を求めるタイプです。
その証拠として、クラピカもヒソカも旅団メンバーを2人殺害していますが、両者への対応はまるで異なります。
シーラを失ったことで、本を読むようになり、ウヴォーを失ったことで、派手にマフィアを惨殺する一面を見せています。
過去の回想でもビデオをみながら、いろいろな知識を吸収するように、大切な人の感情などを自分に吸収することが、クロロの最大限の友情や愛情表現なのかもしれません。
逆に、実はセンチメンタルで、様々な関係者の感情を吸い上げてしまったがために
「動機の言語化か……余り好きじゃないしな しかし案外…いや やはりというべきか 自分を掴むカギはそこにあるか」
人を殺したり、命令する背景には何がいるかを考えることが、アイデンティティを知るきっかけになるのでは?というクロロの本質をとらえたセリフです。
20年ほど前の単行本を引っ張り出して、さらに考察を深めさせてくれるなんて・・・冨樫先生は本当に恐ろしいです。
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