ゆうパック 配達希望時間帯拡充で20~21時を残して人件費は大丈夫なの?

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今回は、YOUTUBEの広告でたまたま流れていたゆうパック「配達希望時間拡充」についてです。

2017年 宅配業者により「サービス改善」が巻き起こる

これは、僕が過去にゆうパックの内務で働いていたことから推測しているだけで、現場の生の声を集めたわけではありませんので、主張としては、やや弱めの記事になります。

17年度(17年4月~18年3月)の宅配便事業における日本郵便のシェアは、いまだ業界3位ですが、ヤマト43.6%、佐川30%に次いで、初の20%超えを果たしました。

国土交通省/日本郵便の宅配便のシェア増加

これは、前年の4.6%増という大躍進で、それに伴いヤマトと佐川はシェアを減らしました。

最たる要因として、ヤマトが2017年により行った、宅急便と各種サービスの賃上げと、配達時間帯指定枠の変更にあります。

宅急便の基本運賃と各サービス規格の改定

人材難と、社員の待遇をあげるため、そして宅配事業の料金適正化へ最大手のヤマトが行った施策をマスメディアはじめ、多くの知識人が称賛し、僕もゆうパック関係で働いていた身として羨ましい気持ちで見ていました。

サービスが無料であれ、有料であれ、それを提供するための費用が見合っているかを時代と労働者によって常に変えていくことが、重要です。

ほどなくして11月・・・

ヤマトの料金とサービスの適正化によって、矛先は郵便局へ変わり、昼に来る全国から自局へのパレット総数は1.5倍からひどいときは2倍以上に増えました。

さらに、多くはネット商品関連なので、細かい荷物が多く、振り分け時間にかかり、バイト数人だけでわける始末で、現場は大混乱・・・
ネット商品は、先払いがほとんどなんですけど、時間指定もないので不在確率も大きいです。

たった5年でしたが、あの11月は繁忙期の12月に勝るとも劣らない激務でした…

では日本郵便はそれを受けて、遅れること1年ほど経過して何をしたか?

ゆうパックのサービス改善と運賃改訂のお知らせ

運賃や重量、サイズに対して価格増なのは、わかります。

実際、引き受けも料金をあげたことで、撤退した引受先が数多くあって、多少改善されました。

でも・・・・しかし・・・だが・・・賢明な読者なら、僕が何を言いたいか冒頭の動画で察知されているでしょう。

 

利益か?それとも人件費か?

配達希望時間帯の拡充・・・・????

ゆうパックのサービス改善と運賃改定のお知らせ2

ヤマトはドライバーの負担と人件費を考慮して、12-14と20-21を消しました。

立派ですね(皮肉)、日本郵便はなんと19-21だけを増やして、充実の配達時間指定のラインナップです。

国民アンケートで

「私どうしても19~20時までしか受け取れないんです!!」

っていう切実な意見が80%ぐらい算出されたんでしょうか・・・

それに伴い、ゆうパック以外(レターパック各種、ゆうパケット、定形外など)14~17、17~19と幅をとっていたのですが、20~21以外は、ゆうパック同様の希望時間帯に統一したようです。

ゆうパックとゆうパック以外で希望時間帯が違うことを知らない利用者もいると思いますし、いちいち希望時間帯の付箋を分ける手間は省けます。

希望時間帯が増えることで、利用者は希望指定をしやすくなります。ゆうパック以外は、時間が4種類しかなかったため、「指定なし」で希望されるお客様が多かった印象があります。

仕事ができる集配なら、ゆうパックも一緒に配達することが多いので、時間が統一されることで効率化するかもしれませんが、希望時間帯が細かくなるのでルートの練り直しも考える必要が出ます。

一方で、効率の悪い集配は、時間がタイトになるので、さらに仕事の効率が悪化する可能性が高いでしょう。

ゆうパックの19~21追加、これに関しては、ゆうパックのシェアが今後拡大する利益の方が、20~21を残すことによる人件費より増えることを見越しての施策として打ったのでしょうか?

仮に、それも考えずただのサービス向上であるというなら、天下の郵便局のトップは、お花畑の集まりということが露呈されますね。(かなりオブラートに包んでますよ)

各局の委託の状況をしっかり把握されているのでしょうか・・・

このニュースを見た時は、放送禁止用語を連発しそうなほどため息をつきまくりました。

20~21っていうのは、利用者からすれば、1時間だけ待てばいいし、多くの社会人にとって帰宅しているので、まさにゴールデンタイムです。

一方で、この時間帯に集中するので20~21だけで20件以上、再配と当日配達が絡むとそれだけで、熟練ドライバーでもパンク状態になります。

繁忙期になれば、集配も強力しますが、20~21が大量に溜まる現状は変わらないので、最後の配達員が帰るまで、終われない僕のような仕事をやっている人は、残業がサブロクぎりぎりまで・・・

当然、さらに残業代が多い、集配課長、郵便課長などもあわせて残業すれば、会社の負担は大きくなります。

局の場所や利用者のリテラシー、ドライバーのスキルに左右されますが、少なくとも19~21だけにすることと20~21を残したままにすることによる残業代の差は、火を見るよりも明らかです。

あと、中途半端に残っていることにより

「お前ら、CMで19時~20時に届けるようなこと言ってたじゃねぇか」

って心ないクレームが浴びせられる可能性は、かなり高いです。

未だに配達希望時間「帯」の指定しかできないにも関わらず

「20時30分以降に届けてほしい」
「19時15分からは出勤する」

配達希望時間指定をダイレクトで行う人もいます。拒絶することは、サービス業なのでしませんが、お約束はできません。(日本語って難しいですけど)

あえて、19~21時に指定する人ってどれぐらいいるんでしょうか?

僕が利用客なら間違いなく20~21を選択しますね。ノータイムで。

多少、緩和はされるかもしれませんが、効率の良いドライバーは20時までに19~21のパックを配達し終わって、待ちぼうけ状態。

繁忙期になれば、20~21パンクはどこの局も起こるでしょう。

前述の通り、それ以上の利益を上げて、しっかり還元(ただし社員に限る?)できるならば、それに越したことはないでしょう。

ヤマトに比べての改善点といえば、再配希望受付時間が17時までに限定されたことでしょうか。再配聞き取りは基本1人で切り盛りしているので、この人件費は削減できます・・・ほぼバイトですけど。

逆に翌日の再配は、かなり溜まってしまうので・・・あぁ、あんまり変わらないかも

本来ならば、非常に激務な委託業者に、1つ当たりの配達の単価を上げるべきだと思うのですが。

以上、喜怒哀楽を織り交ぜた「配達希望時間拡充」についてでした。

 

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