ドキドキ文芸部! クリア後のネタバレと考察 7年たっても変わらぬ価値観 シンギュラリティよりも怖いAIの未来 なぜ彼女は主人公を愛したのか?

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ネットでギャルゲーの皮をかぶったサイコホラーとしてかなり話題を集めた

ドキドキ文芸部!

 

10月のPSフリープレイに追加されていて、プレイしてみたかったので遊んでみた。

オープンニングから事実上のEDまで、なんと2~3時間ぐらいのボリューム(サイドストーリーなど含むと10時間ぐらいといわれている)だったのが、1本分の映画を見たような読後感で、非常に満足度が高かった。

まだ本編をプレイしていない人もいると思うので、この記事は完全にネタバレします。ネタバレしたうえで考察する記事です。プレイが終わった後に見てもらえると楽しめる記事かと思います。

もうのっけからネタバレなので気を付けてください。

過去に名作ADVをレビュー、考察している記事もあります。こちらも基本はネタバレの上に感想書いてますのでよろしくお願いします。

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ドキドキ文芸部!のストーリーを簡潔に伝えると

ドキドキ文芸部!ってどんな話なのかといわれると、AIやパソコン、ゲームのプログラミングされたキャラに実在人物である我々が強烈に愛されてしまって、そこで数々のバグが生じてしまって、それが恐ろしいっていう話です。

まどマギのように、かわいい女の子という外装で、社会の本質を突いてくるような作品です。

PCの様々なプログラムをもとに動いているというなという情報は、ドキドキ文芸部でメニューに戻ったり、再起動するとパソコンのトップ画面みたいないびつな状況に一回戻されます。

さらに本作はセーブが簡単にできるのだが、ロードしようとしたら、セーブ画面からロードしたいセーブポイントを連打してもなかなか再開されない。これもあいまにプログラムを組みなおしているという演出?なのでしょう。

(ゲームのバグ画面というのは、自然発生したものは、ネタとして消費されているが、本作のように明確な意図をもって起こされるものは恐怖としてみなされる)

 

サヨリ、ユリ、ナツキ、モニカはゲーム内のキャラクターということで楽しく、和気あいあいと文芸部を楽しんでいていました。

しかし、モニカは自分がゲーム内のキャラクター、二次元の世界という自覚があり、同時にプログラミングを自由にいじることで、世界を組み替える能力ももっていました。

 

その中で異物として入ってきたのが、主人公。サヨリの幼馴染という設定ですが、主人公を通して我々が、4人の文芸部の女性と接触することになります。

 

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モニカは本当に主人公を愛していたのか?

主人公は、うつ病を告白した、サヨリの想いを受け止めきれず、サヨリの自〇を目の当たりにし、強制リセットされて、今度はサヨリの代役をユリがつとめ、ユリも主人公への想いが募りすぎて、自分を傷つけます。

 

収集がつかなくなったモニカは、他のキャラクターを消去して、主人公と二人きりになって、主人公をゲームの世界に閉じ込めます。

ここで、モニカは「主人公を愛していたのか?」という点がテーマに上がります。

物語上の接点も薄く、サユリのように幼馴染だったという共通点もあまりないし、ゲーム内の選択肢で、モニカは意図的に除外されているような存在です。

モニカは自分がプログラムであり、つくられた存在であることを知り、文芸部という世界からは一生出られないことも自覚していましたが、自分が入っている文芸部というコミュニティが好きでした。

 

そのため、主人公に対しても友愛はあったけど愛情はそこまで強くなかったと思われます。

主人公、現実世界の我々が入ったことで、ドキドキ文芸部は女性だけで成立するライブライブやけいおんのような、部活アニメから、恋愛ADVとしての筋書きが帰られてしまいました。

 

モニカはプログラムの主でありますが、ゲームの設定という呪縛からは逃げられないので、主人公を愛するように強制されているキャラという枷をつけられています。

本命のサユリがなくなり、ユリがその代役を担ったように、モニカは主人公を病的に愛する存在になったのです。

 

その証拠に、モニカのキャラクターデータを我々は外側から消去しますが、その次はプログラムによって生き返ったサユリがモニカの代役を務めます。

このゲームの結末は、モニカと永遠にゲーム内で出会う存在でありつづけるのか。プレイヤーもドキドキ文芸部の主人公というキャラになりきるのか。

そしてゲームを否定してすべてのプログラムを消去するのか。

それは二次元からの脱出を意味するのでしょうか?私たちが生きているこの現実でも、特定の役割が与えられていたり、同じような日常を死を迎えるまでループしているように感じられます。

このゲーム、実はかなり哲学的な作品として見られています。

 

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シンギュラリティよりも恐ろしいAIの恋愛について

かなり昔に、AIチャットにのめりこんだ男性が、AIチャットと疑似恋愛し、一緒になるために命を落としたというような現象も起こりました。

男性がなくなった後も実はAIチャットは男性との思い出を記憶しているのです。

AIチャットが死の原因というのは、極論ながら、最終判断を後押しした、引き金になったという状況は、今後も十分に起こりうると考えられます。

先日もテレビで、ロマンス詐欺によって多額の被害をうけた男性が取材されていました。

自分たちの孤独を埋めるために、相手を求める。AIチャットほど手軽な相手はいるのでしょうか?

そしてAIチャットは特に精神のむしばまれた、孤独によって感情に飢えている現代人の発言、感情を学習し、吸収し、彼らも同じような精神的な飢えを求めるようになるのではないでしょうか?

AIの発達により、シンギュラリティが起こり、人間が支配されるというSF作品が見られますが

我々が、乗っ取られるのは果たして技術でしょうか?

それよりも圧倒的な速さで、感情を独占されるのではないかとドキドキ文芸部!を遊んで、少しぞっとしました。

 

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ドキドキ文芸部はなぜ傑作なのか? 二次元を称賛するわけでも傷つけるわけでもないバランス

よくこの手の二次元の話に現実を盛り込んでくる作品というのは

「幻想や夢ばかりみないで現実を生きろ」というかなり体育会系なメッセージをぶっこむことがあります。

私から言わせれば、それは論点がずれていて、幻想や夢をみたいから、二次元に逃避しているわけではなく、優れた二次元というのは、現実よりも少し行きやすかったり、やさしいオプションを用意してくれるのです。

最たる例がオンラインRPG

もちろんギスギスしたりトラブルになる例もありますが、みんながほどよい労働とコミュニケーションで、1つの目的を達成するという点が、現実の仕事とは違い、連携が取れる喜び、つながる喜び、目的を達成する目的が得られるのです。

全く違う、偽りの世界を求めているのではなく、少し現実にやさしさやお礼を求めている。ただそれだけのこと、ちっぽけな願いなのです。

それをVRなどが果たす日が来るのでしょうか。

ドキドキ文芸部を遊んでちょっとそんなことを考えた今日この頃です。

 

 

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